第13話 待ち望まない再会
「やっと見えてきたな。ミッシェル王国が」
休憩を挟みつつも、車を走らせ1日が経過した。お昼くらいから出発し、元いた世界では高速道路とかに乗っていても、一発免停になるくらいの速度を出し、王国に向かっていたというのにも関わらず、夜を越え、再び日が昇ってきてしまった。それだけ遠いということなのだろう。確かにギルドの人たちが早めの出発を促すのにも納得がいく。そして、車って便利なのだなと改めて認識した。
そんなことを考えつつも、見えてきたミッシェル王国。こういう異世界系漫画でありがちな中世を思い浮かべるくらいの石の城壁。ザ・王国!って感じである。そんな王国近くで車を降り、収納魔法でなおした後、徒歩へと切り替えて、俺は王国へと向かったのだった。
「依頼を受けてくださった冒険者様ですね。お待ちしておりました。この度はわざわざ遠いところから来てくださり、ありがとうございます。今、王国騎士団の者を読んでまいりますので、お待ちください」
流石は王国、大きいだけはあり、王国内に入る為に検問があり、ギルドから貰った通行許可証を見せ、今王国騎士団?なるものを待っている。それにしても、さっきの検問のお姉さん。美人だったな。と、そんなことを考えいると。
「冒険者ギルドから派遣されてのは君だね?」
「はい。そうですが」
「お話は聞いてるよ。初のダンジョン攻略で討伐ランクSSS級の魔物、堕チシ呪イノ魔術師を討伐した凄腕の冒険者だと聞くよ!なぁ。君の戦い方はどんな感じなんだい?そして、どうやって倒したんだい?」
「ブレイブ団長。ぐいぐいとそんなことを聞く前に、名乗りましょうよ。冒険者様、困惑してます。あとそれが本題ではないですよね」
「おっとすまない。つい、興奮してしまった。コホン。申し遅れたね。私は王国騎士団の団長。ブレイブ・カタルフだ。そして、隣のこいつは」
「王国騎士団副団長のケルム・コレクテイッドと申します。この度は依頼を受けてくださり、ありがとうございます」
「俺は王混 じゅんきです。こちらこそ。ちょっとの間ですがよろしくお願いします」
「じゅんき君か!珍しい名前だな!勇者様と似た感じ名前。まさか…いや、勘違いか。よし!それじゃ自己紹介も済んだし、話の続きを…」
「しません。勇者様達にも、王様にも彼のことを紹介したりしないといけないし、団長だってやらないといけないことは多いですよ。こんなところで聞いても仕方ないので、さっさと行きますよ」
「えぇ。そんなぁ。俺はこの素晴らしい冒険者様の戦い方とかを知りたいのにぃ」
「後にしてください」
「あ、あはは。大変ですね」
「本当に。手のかかる団長ですよ。こんな団長は置いて行くとして…それでは、行きましょうか。冒険者様。お話などがありますので、ついてきてください」
「は、はい」
「え?待ってくれケルム!冒険者様ー!俺を置いていかないでくれぇ!」
なんか、凄くケルムさんが大変だなと思った。
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「予がこの王国、ミッシェル王国の王であるミッシェル3世である。この汝がこの度、勇者様達のダンジョン攻略を手伝ってくれる冒険者か。名をなんと言う」
「王混 じゅんきです」
「ほう。勇者様達と似た感じの名前だな。まぁ、そんなことは今はいい。それより、よろしく頼むよ。じゅんきよ」
「はい。お任せください」
あの後、俺は王様、ミッシェル3世の元(ありがちな城である)へと来ていた。やはり、王とだけあってすごい気迫である。そして、全て(主に城内)が豪華!流石は異世界!毎日が新鮮である。
そして、勇者様達と似た名前だなと王は言ったな…ということは、やはり、あいつらでほぼ間違いはないだろう。
なんか、急にがこの依頼をキャンセルしたいと思ったのはここだけの話である。まぁ、学校生活は楽しくもなんともなかったしな。先生達や一部のクラスメイトは良かったのたが…まぁ、そんなことを今更考えたって仕方ない。受けてしまったのだしな。と俺は思った。
「それではじゅんきよ。夜の食事の時に、汝を勇者様たちに紹介する。それまではしばらく汝の住む場所になるであろう場所へと王国騎士団副団長のケルムが案内をする。そこで休むも良し、街に出るのも良しだ。ただ、日没前までには紹介する部屋にいること。何か質問はあるか?」
「…質問というより、要望がございます」
「なんだ?申してみろ」
「報酬についてですが、俺はS級とはいえど、まだまだ駆け出しの冒険者です。その為、武器などを揃えたいのです。なので、報酬金の代わりにダンジョンの魔物の魔法石を全てをください」
「ほう。魔法石を全て、か。…よいであろう!金額の釣り上げとかを言われるかと思ったが、本当に魔法石のみでよいのか?もしかしたら、予が出そうとしている金額よりも少なくかもしれんのだぞ?」
「それは大丈夫です。魔法石が欲しいだけなので」
「はっはっは!お主!面白い奴だな!」
「お褒めに預かり光栄ですよ」
「…さて、他にはなにかあるか?」
「いえ。何も」
「わかった。ではケルムよ。じゅんきに部屋を案内してやれ」
「はっ!」
そうして、俺はケルムさんに連れられ、俺のしばらくの住処へと向かうのだった。魔法石を大量にゲットできる!ということはいっぱいリスフォース(仲間)が作れる!…ただ、ゴーレム岩は高いから、取れる量によっては、魔法石は余るかもな…まぁ、その時は売るか。と思うのだった。
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「ここだ」
「ほう。かなり大きいな。俺には勿体無いくらいだ」
「勿体無くはないと思いますよ。この依頼を受けてくださったので、これくらいは当然です」
「ほんと、俺みたいな駆け出しの冒険者のために色々とありがとうございます」
「いえいえ。こちらこそですよ…それでは、私は用事がありますので、あとはご自由にどうぞ」
そう言って、ケルムさんは去っていった。あの人は団長と違ってグイグイと来ないから関わりやすい。…そして、一安心だしたということ、それと、昨日は寝てないからか、眠すぎる。まだ時間はある。それまで寝よう。そう思い、ベットにダイブしたのだった。
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「冒険者様。食事の時間です」
ゴンゴンとドアをノックされる音と、ドア先でそう言われ、俺は起きた。
「は、はぁーい。今向かいまーす」
そんな、寝起きMAXの声で返事をし、多少身なりを整えて、ドアを開けた。目の前にはケルムさんと数人の騎士団の人たちがいた。
「さぁ冒険者様。行きましょう」
そう言われ、俺は頷き、ケルムさんの後を追うのだった。
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「勇者様諸君。お食事中のところすまない。一週間後に行われるダンジョン攻略を手助けしてくれる冒険者が本日、こちらにきてくださったので皆様に紹介しておこうと思ってな。入ってきてくれ」
そんな紹介を王様直々にしてくれている。やはり、過去のことを思い出すと、もし、クラスメイトだったら、と考えてしまうと…いや、やめておこう。
しかし、少しの間とはいえど、極力はこいつらと関わり合いたくはない。…そうだ。俺は、俺は今、禁断王の力を手に入れた時に髪の毛などが変化している。名前を変えて、紹介しよう。そう考え、俺は部屋へと進んだ。
「どうも。キックスと申します。少しの間ですが、よろしくお願いします」
苗字である王混を英訳し、もじっただけである。王のキングと混のミックスを。すごく単純なネーミングである。
ちなみに、騎士団の団長、副団長には本名を話していた為、「は?」って感じの顔をしていた。だから、目配せで俺は「偽名を使います」って送っておいた。伝わったかは知らないがな。
そんな話はおいておいて、今、じゅんきの目の前には、じゅんきの学校の制服を着たクラスメイト、そして、先生達が居た。やはりというべきか。
だがしかし、名前も変えて、さらにいまのこの姿じゃ、バレないだろう。
「…もしかして王混君!?」
はい。即堕ち二コマも驚きの速さでバレました。
いやなんでだよ。顔…は目の色以外変わってないけど、髪の毛と色とか体型とかも変わってるぞ?なんなら、服装も(ちなみに、あの時から服は変わって居ない為、すこし貧乏くさい)。しかもなぜかバレた。
…よりにもよって俺に良くしてくれた愛川さんに。ひ、ひとまず、しらばっくれるか。…心痛いけど。
「だよね!そうだよね!」
そう言いながら、彼女は席を立ち、俺の方へきて、掴んできた。そして、前後にまぁまぁな勢いでやらしてきた。
ちなみに他のクラスメイトと先生は「え?、これが…王混?」って感じで自分の記憶にある俺と、今の姿の俺を見比べているようであった。
…服が破けそうである。…頼む、俺の今の服。耐えてくれ。この場で全裸になんざなりたくはない!
「ひ、人違いでは?お、王混?とは誰でしょうか?ワ、ワカラナイナァー」
揺さぶられつつも、俺は取り敢えず、誤魔化した。
「違う。私はいつもいつも、クラスで貴方を見てきたからわかる。なんで自分を隠すの?私、私!凄く心配してたのに!」
そう言って泣き出しながら、今度は揺さぶりを辞めて、俺に抱きついてきた。
…やべぇ。泣き初めてしまった。クラスの男子の多くが「お前…羨ましい。変われや。そこ」や、「愛川を泣かすとは…許すまじ」って感じで睨んでくる。だからいやなんだよぉ。このクラスぅ。
ちなみに、クラスの女子、一部の男子、先生はまだこの状況に追いつけて居ないようであった。
「ヒッグ。ねぇ。エッグ。ねぇ。貴方は私たちのクラスメイトのじゅんきくんなんだよね?」
…ほんとよしてくれぇ。そんな涙を浮かべながら上目遣いで俺を見ないでくれぇ!名前変えてまで俺の正体明かしたくないと思ってたから、泣かせてしまったことに対しての罪悪感がすごい。
「……あーもう!そうだよ!俺は正真正銘の王混 じゅんきだよ!だから愛川。泣かないでくれ。そして、離れてくれると……その、視線が…」
愛川に押され、そして押し負け、俺は自分が王混 じゅんきであることを認めた。
「…嫌。心配したもん」
困った。すごーく困った。愛川は泣きながら俺に抱きつくしで凄くカオスな状況となってしまった。…なんでバレるんだよということを考えつつも、一瞬でも、こいつらに偽名を使ってクラスメイトと一線をおこうとした過去自分の行動に後悔をしてしまうのだった。
感動の再会?ですかね?




