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第10話 仲間がいないなら自分で作ればいいじゃない

日が落ちて夜となり、辺りは暗闇に呑まれ、静かな街となっている中、とある宿の一角のカーテンの隙間から怪しげな光が醸し出されていた。…そう。じゅんきが滞在している部屋からである。


ギルドから出た後に、草ヒロとなりかけている愛車を無事に空間収納魔法で収納し、車が他の誰かに見つかる可能性も、そこで車が朽ちる可能性もゼロとなは安心した後、じゅんきは宿へと帰って来ていた。(ちなみに、車は悲しいくらいに汚れていたため、洗車しないといけないのだが)


宿に着くとすぐに、部屋のカーテンを閉め、ドアをしっかりと施錠したことを確認した後、今日持って帰って来た魔術師の魔法石を取り出した。そして、魔法石に向かって自身の技能の一つ、能力分析を使用した。


堕チシ呪ロイノ魔術師


種族 デーモン族

レベル 150

基礎攻撃力 10

防御力 10000

魔力  250000

機動力 15

特殊能力

全属性の攻撃魔法使用可能

自信よりレベルの低い敵のステータスを全てダウンさせる

魔法を使う時詠唱しなくても技名のみで発動させられる


と、ステータスが出て来た。やはり魔術師だけあって魔法に全振りしたようなステータスである。しかし、ステータスを下げたりしてくるらしいので、レベル上げは必須である。しかし、機動力はかなーり遅いようである。(じゅんきみたいに)


ここで、レベルについて。この世界でのレベルの概念は、いかに自分が自分の適正職業の技などを使いこなせているか、それがレベルによって表示される。それはモンスターも同じであり、基本的にレベルが高ければ高いほど攻略難易度も上がる。魔術師も150くらいあるし、なんか、俺のレベルカンスト以上なのは意味不明だけど、基本99止まりになることを考えると、こいつはかなり強いんだなと改めて思った。


この場には誰もいないのに、そんなことを解説した俺がなぜ、ステータスを確認したのかというと。


「…この魔法石の力、この力をどうにかして、合体獣を作れるかもしれない」


ということである。生きてる魔物ではやりにくいし、1回戦っただけではあるが、魔物は倒されると、すぐに消滅して、魔法石を置いていく。そんな魔法石には、力以外にも闘気などを感じる。これをなんとかすれば、合体獣が作れるかもしれないと感じた。俺はわくわくしながら、借りて来た本にヒントがないかを探しつつ、作成に取り掛かるのだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


「おぉ。これは凄いな」


寝ずに作業し、また夜になるくらいまで本を読み漁りつつ、試作機が完成した。目の前にはゴーレム岩という、名前の通り、自分を守ってくれるゴーレムを作れる素材の一つで作られた体と心臓の代わりにと魔法石の埋められた魔術師の姿そっくりの岩の塊があった。魔法石に反応し、適量の岩に魔法石を置くと、魔術師そっくりの姿となり、力と、闘気など、じゅんきがあの時の戦いで感じたものとそっくりの気を感じるものである。しかし、魔法石単体だけでは当たり前だが動きはしない。多分2個3個重ね入れても一緒だろう。


「やはり、これだけでは動かないよな。なら、俺の力を少し入れたらどうなるのだろう」


そう考えたのには、じゅんきは禁断王の力を受け継いだ身である。禁断とは、規則に反すること。ならば、魔法石でゴーレムを動かせないという規則に反することもできるとうこと。つまりはこの力で動かせるかもしれないということ。物は試し、当て付けの理論であるが、なぜか、できそうな予感がした。


「動いてくれよぉ。もう、依頼が始まるまでそんなに日がないからなぁ」


そうして、力を魔術師の姿の岩に向かって込める。すると、さっきまでピクリとも動かなかった魔術師の姿のゴーレムは、なんと動き出したのだ。そう、動いた。試作品で結構な量の力を入れたからか、魔術師ゴーレムの一部は黒く、赤い線の入った。自分が禁断王の力を纏った時の自分の体が、魔術師ゴーレムの一部と入れ替わり、まるで継ぎ接ぎしたような姿となっている。そして、自分の方を見ながら「早く指示を」と言うようにじゅんきを見つめていた。


「やったぜ!動きやがった!よし!お手!」


なぜお手を選択したのかは知らないが、魔術師ゴーレムはお手をした。どうやら、記憶などもあるらしい。まるで生き物みたいである。だが、生きている奴らとは気配が違うため、完全に生きているってわけではないのだろう。


「おほぉ。すっげぇ!完成じゃねぇか!次は技だな!よし!なにか技を俺に打ってみろ!」


魔術師ゴーレムは、困惑しながらこっちを見てくる。まぁ、製作者を攻撃するゴーレムなんていないわな。と思いつつ、「大丈夫だから来い!」と言う。まるで自分がドMみたいな発言をしたが、じゅんきは決してMではない。ただ、ちょうど良い的も、ないし、かと言って宿のものに向かってぶつけるのも後が面倒くさそうである。それに、技の威力も知りたい。そんな気持ちである。そんな狂気なやつを前にして、困惑しつつも、ゴーレムは技を放って来た。


「…ほうほう。これはなかなかだな」


黒く、細いビームで打たれた箇所を摩りながらそう言う。この前打たれたビームよりも鋭利であった。攻撃もできる。


「やはり、禁断の力は凄いな」


改めてそう思う。規則や原理すらも無視してこんな素晴らしいものを作り出すことができる。技能に錬成があるからだとは思うが。そして、作れたのは、おそらくこれが先ほども言った通り、()()()()()()()と言うことだろう。魔法石の力と俺の禁断の力が原動力となり、ゴーレム岩を素材としたこいつは動き出すことができたのだろう。全てが奇跡のように重なり、実現することができたのだろう。姿の一部に禁断の姿が入らないよう、禁断王の技などがあるのかは知らないが、それはつかわせないようにしようと決めるのであった。


「これで、合体獣を作ることができる!明日、またギルドに行って魔法石売ってる店とかを紹介してもらおう。取り敢えず、寝よう。昨日は寝てないしな…」


そうして、眠りにつくのだった。


じゅんきのステータスの向上を検知。

職業 生成職が現れました。魔獣使いが追加されました。

称号 禁断王を受け継ぐ物が現れました。

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