忘れじの村
それは不思議な体験だった あの少女は何処に行ってしまったか?
不思議な者達 24〇〇年の未来からやってきたと言った
多くの戦争に災害 酸素も不足しがちでドームで暮らしていたという
だから タイムマシンで村ごとワープ‥安全な過去の時間へ
でも・・・?
日本の平成の時代 昭和から平成へ 西暦2000年前後の頃
森の中にいつの間にか出来た村
そこで出会った少女と友達になった僕
「学校か‥私達はAIの睡眠学習でなんでも学んだから‥」
「え!何それ?」「ふふ‥」
村の者達の姿は大昔の様々なっ時代の服装をした者達も交じっている
着物に羽織、明治時代ぽい欧州のドレス?
荷台を運ぶ馬たちに交じり 古い時代の車
「確かあれは昭和初期の車かな?ドラマで見たもの」
「仮装なの?何かテレビ番組の撮影?」
「うふふ そんな処かしら 様々な時代を彷徨っているから
時代に合わせるのが間に合わない時も多くてね
そう、こちらにしても此処 この時間、この時代にも長くいられないから」
「必要なものを仕入れて、それから‥大昔、価値のあった貴金属とか
私達にとって過去の時間だから その情報を生かして価値あるものを売買して‥それから必要なものを‥」
「??」言っている意味がまるで不明
「ねえ、貴方 私の事が好き?家族よりも好きかな?」「ええ!それは 君は綺麗で‥」赤くなって僕は答える
「この時代、家族を捨てられるなら 私といられるけど そんな勇気があるなら‥ね」
「・・・・・・」
「ねえ、どうする?時間の中を彷徨うの いつか楽園の場所 村を跳ばす措置の暴走もおさまって
そして、安全だ場所、安全な時代に定住する予定ではあるのだけど」
しばらく村に通う日々が続いて それから‥
「?」「うふふ 飲み物があるわ この村で作ったもの」
「あ、ありがとう」それは飲んだこともない不思議な味でとても美味しい
「このペンダント上げる それからこれも‥」「え、そんな」
「この飲み物は 貴方が不老となる薬かも・・よ」「ええ!」
「私たちはね‥未来の時間からやって来たの
24〇〇年 世界は滅んだ それから‥ドーム都市で生きていた一部の者達だけが残ったけれど
酸素さえ不足して‥酸素や水がないなら 人、生き物たちは生きられない」
「酸素が不足で多くが死ぬ事に‥」
「戦争や災害の数々」「・・・・・」
「タイムマシン、試作品だったけどタイムマシンに希望をもって
装置を起動させた‥安全で戦争もなく 隠れて暮らすには最適な時代と場所に村ごと転移するはずだったのに」
「装置は暴走して 様々な時代に転移し続けている」
「私が好き? なら連れて行ってあげるけど どうする?」「え、え、そんな僕」
「うふふ そうよね 気にしないで」彼女は朗かに笑う
そんあある日の事だった
「‥ちゃん?」「だめ来ないで それ以上近くに来てはいけないわ 村には誰も入れないようにしてたのに!」
「今日が‥」
「今日が‥その日なの これから何処へと知れない時代、時間 場所に移動するのよ!」
「タイムマシンには安全な時代、安全な地域に指定しているけど
本当にちゃんと作動するかわからない 多くは指定通りなのだけど」
「前に数度 疫病や戦争のある場所、時代
魔女狩りにもあって村人が数人犠牲になったことも‥戦争で殺害、取り残した人達も・・だから!」
「だから‥」彼女の瞳から流れて落ちる涙の雫
「‥‥ちゃん」「有難う、またね さようなら もし、奇跡があるのなら‥」
その言葉を残して、彼女は‥村は僕の前から姿を消した
長い月日が過ぎて 僕は三十歳前後を境に歳を取らなくなり とても健康で
百年が過ぎようとしている
彼女からのペンダントはAIの装置
マイクロサイズのAI
様々な助言で僕は富を得て、不老がバレぬように世界を彷徨いながら
静かに暮らしていた
いつか奇跡が起こるなら また彼女に出会えるだろうか?
高層ビルの部屋からそんな事を考えて 高層ビルの群れを眺めている。