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王と姫

茨城県民もそうでない人も

ご意見ご感想を頂けると嬉しいです。

「お父様!私はこの領にもっとたくさんの人々に来てもらいたいのです!」

「そんな必要はない!今まで通りでよいのじゃ!」


ああ、またいつのもか

周囲の側近達も顔を見合わせ下を向く、辟易してしまうほどお決まりのパターンだ。


「日ノ本で行きたくない領地10年連続ナンバー1という汚名を掲げられて悔しくはないのですか!」

「そんなものはどうでもよい。民が幸せに暮らせていれば問題ないのじゃ」


あとはいつのも平行線。

新しいものを取り入れて改革を推進したい姫さまと

伝統と安定を重んじる領主様の押し問答は解決をみない。


「お父様のわからず屋!」

「領を守るということはそう容易いことではないのじゃ」


テンプレのやりとりをした後に自分の部屋に戻ったカミーネは部屋にいた教育係の老人にプリプリ怒りながら愚痴をこぼす。


「爺、なぜお父様はわかってくださらないのかしら?」

「姫、お父上は領を守る重責を担っていらっしゃいます、軽々しく物事を変化させてしまっては領土の安定は得られませんぞ」

「けれども悔しいではありませんか!

この領にも他国に誇れるものはたくさんあります。

なのになぜ行きたくない領地ナンバー1なのでしょうか」

「姫、行きたい領地ワースト1なだけであって行きたくないわけではありませんぞ」

「同じことではありませんか!」

さらにプリプリと怒る姫に優しく諭す爺。

「いえ、違いますぞ姫、他領の人々に嫌われているわけではないのです。

ただ、特色がないので来る必要がないだけですぞ」




日本の一領地、茨の城は関東地方の東北部に位置する場所で東側を海に面しており北に山岳部西南に広い平野を持つ農耕牧畜漁業と一次産業は全て高い適正があり産業も古くから根付いている電機産業があり地政学的にも大江戸に近く交通の便も良く好立地である。



「爺、たくさんの人々が来るようになることは良いことではないのでしょうか?」

「ふむ、良いこともあれば悪いこともあるでしょうな

例えば人がたくさん来るようになればお金が動き収益があがることもあるでしょう。半面、悪事や厄介事、貧富に差が生まれ幸福な人が増えれば今までにない不幸なことも増えるかもしれませんな」


白い顎髭をいじりながら爺が答える。


「そんなことを言ったらなにもできないじゃない、、、」

「お父上はいつも民のことを優先して考える立派な王ですぞ。

姫は何かを変えることで何をしたいのですか?」

「私のしたいこと??

他領に認められたくさんの人々が我が領地に来るようになることかしら」

カミーネは首をかしげながら答える。

「それは民の望むことでしょうか?民の幸せがふえることでしょうか?」

爺からの鋭い一言がカミーネの心に刺さりハッとする。

「そ、そっか。私がしたいだけのことで私の自尊心を満たすだけのことなのかもしれませんね」

「ふむ、姫がそのことに気づいただけでも爺はうれしいですぞぃ

それに先にも言いましたが悪いことがあれば良いこともあるというわけですじゃ」

「そ、それは、、、この領の民の幸せが増えて他領からの人々が来るようになり問題も起こらないということ。そんな方法はあるのかしら???」


怪訝な表情で問うカミーネ

「それがわかっていればとっくに王も爺もやっていますぞ」

爺が苦笑いしながら言う。

「そうか。。。わかった。わかったわ爺!

私やるわ!領地の民も来てくれた人々も幸せになるよう領地にしてみせるわ!」

「おお姫よ大きくでましたな!してその方法は?」

「それはこれから考えるわ」


白髪白髭の爺は口を開けたまま固まっていた。

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