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隠忍:自重

⚠️童貞という単語が出ていますが、下ネタ・エッチな小説ではなく完全バトル小説になります。ご了承ください。⚠️



〜フルトロン 集会場〜


集会場に行って受付嬢にバロンパーティーを呼び戻せば、多少は進軍の勢いも落ちるだろうと考えたタケル。

今の勢力じゃ恐らくこの村は落ちるだろう。


居ることを信じて扉を勢いよく開け集会場に入った。

だが辺りを見渡すも、受付嬢等の人物が一人もいない。


「……やっぱいねぇか。みんな避難所に逃げ込んだか?」


辺りを歩き回っていると、奥のテーブルから物音が聞こえた。

音がした方に恐る恐るテーブルに向かうと、ガタガタと震えている小さな女の子がいた。


「え、えっと……あんた大丈夫か?」

「……こ、怖いよ……お母さんと避難所に行こうとしたら……人混みではぐれちゃったの……」

「……立てるか、一緒に避難所に行こう」


タケルは女の子に手を差し伸べる。

こくりと頷く女の子は手を繋ごうとした瞬間。

タケルに付与されていた危険空間が急に発動した。


(危機感知っ……!!近くに敵が……!?)


気付いた時にはもう遅かった。

集会場入口付近からとてつもなく大きい爆発がする。


「っ!?」


爆風で吹き飛ばされないように女の子を庇う。

同時に脳内ではフルトロンに下っ端が入って来たのかと不安感も煽っていた。


「ぐっ……!!」

「きゃああああああああああ!!!!!」


爆風でとんで来た瓦礫がタケルの背中に当たる。

激痛が走り女の子を離してしまいそうになるが、耐えつつも女の子を庇う。

数十秒後、嵐のように吹き荒れていた爆風が止みはじめる。

タケルは恐る恐る入口付近に目を向けると、見覚えのある人物が立っていた。


「お久しぶりですね、童貞」

「てめぇか……シスコン野郎!!」


魔王軍四天王の一人、エテルナ。

見た目からして明らかにタケルの能力の対象外。

このまま戦うのは無謀だが、このまま逃げる訳には行かない。

女の子はタケルの足元に近寄り、ガクガクと怯えていた。


「死ぬとこでしたか?……それとも、貴方にとってはご挨拶程度ですか?」

「うるせぇよ……どうやってここまで来やがった!」

「簡単ですよ、魔王様からのハイドスキルを他の下っ端よりも長く付与させていただいたんですよ」


エテルナの言葉を聞き、凄まじい不安感がタケルを襲った。

村を壊したい魔王が絶対"一人だけ"に付与するわけが無い。


すでにこの村の中に……フルトロンの中に……!

こいつの姉貴がハイドスキルで隠れている……!!


「その顔は……気付いたみたいですね。今頃カイルお姉様は貴方達人間の最後の希望となる"避難所"とやらに向かっている頃ですよ」

「くそっ!!」


タケルは女の子を持ち上げ、集会場の窓に向かって走った。

エテルナはその光景を黙って見ている。

片手を後ろに回し、小さな個体を浮かせた。


「お兄ちゃん!逃げようよ!」

「俺の事はほっておいて、あんたは早く避難所にいる人達に逃げるように言うんだ!」

「で、でも……!!」

「早く行け!」


女の子はビクッとすると窓に登って外に出る。

するとエテルナは溜めていた個体を女の子に向かって放つ。

その光景をタケルは見て、急いで窓を閉めようとしたが……。


遅かった。


「……なに……こ、れ」


女の子のお腹に小さな針が無数に刺さっていた。

滝のように流れる血。口、鼻からドクドクと流れ出る。

膝から崩れ落ちると、女の子はビクビクと痙攣していた。


「type:04……カイルお姉様の邪魔はさせません」

「……」


タケルはその光景を沈黙と見ていた。

エテルナは腕を組んで、壁にもたれかかる。

淡々と喋り始めるエテルナに対し、タケルは無言で聞いていた。


「小さな子どもは何を仕出かすか分からないから嫌いなんです……だからここで殺しておきました。童貞さん、悪いことは言いません、冒険者を辞め一般人に戻ってください。もしくはここで抹消致しましょうか?」


「……」


「理由は一つ、貴方の最近の行動が目に余るからです。ファステル襲撃、仮面の男、ダリアの件やチャルエの時も、全て貴方が関与しているんですよ。なのでここで辞めるか死ぬか決めてください、貴方の人生のターニングポイントです」


「……」


「……答えないのであればここで殺してあげます!」


エテルナは個体を浮かばせ、タケルに向かって走っていく。

タケルは振り向き、怒りで目をかっぴらき拳を握った。

エテルナの頬に腰が入った拳を殴り込み、地面に叩きつけた。


「がっ……!」

「さっきから聞いてたらベラベラベラベラ……耳障りなんだよ」

「くぅ……!」


エテルナは頬に手を当て立ち上がった。

涙目になっているが今のタケルに慈悲などない。

エテルナはタケルの顔を見て、勝てないと思ってしまう程憤怒している。

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