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侵攻:阻止

⚠️童貞という単語が出ていますが、下ネタ・エッチな小説ではなく完全バトル小説になります。ご了承ください。⚠️

〜深淵の森 入口付近〜


焦った表情で森から抜けてきたルルマとダズ。

だがダズに担がれていたゾエラは、助けれなかった絶望感で力が抜けていた。


「……とにかく戻んぞ。魔王の下っ端共が進行してるかもしれねえしな」

「そうだな、急いで戻ろう」


ルルマとダズは顔を見合わせると、微かにゾエラの声が聞こえてきた。


「……ごめんなさい……」

「守ってあげられなくて……ごめんなさい……ごめん……っ!」


レミィを助けれなかった罪悪感で大粒の涙を流すゾエラ。

ダズの背中の服をぎゅっと掴み、必死に涙を堪えるがダメだった。


「お前の汚い顔で泣く姿は何回も見てる」

「俺達は昔テメェをいじめて泣かしていた。今は反省してるけどな、お前の泣く姿なんて何百回何千回と見てきてんだよ」


ルルマはフルトロンの方向を見てゾエラに話しかけた。


「そんな汚ねえ面しながら泣けんのは俺達の前だけだ、好きなだけ泣いてろ」


そういうとルルマとダズはフルトロンに向かって歩いていった。


ゾエラはダズに担がれながら大声で泣いた。

守れなかった罪悪感が晴れるまで。



〜フルトロン〜


「なぁ、そういえば魔王軍達はこっちに来てねぇのか?」

「それなんですが……タケルさんがフーガさんに投げ飛ばされた辺りからパタリと途絶えてしまったんですよね……」

「なんじゃと!?能力とか使って実はせめて来たりはしておらんのか!?」


ガルドがびっくりし、マーチの肩をぶんぶん揺らす。

マーチは目をぐるぐるさせながら丁寧に説明した。


「危険察知を通り抜ける能力はハイドスキルぐらいです。でもその能力は魔力消費が高いので誰かに付与させることは出来ないんですぅ〜おぇ……」

「……いや、多分だが向こうはそれが出来るかもしれない」


タケルは顎に手を添え、マーチの説明に口を挟んだ。


「アグアナ……あいつが暴走した時聞いただろ」

「……っ!!」


タケルの台詞にフーガとオウガはアグアナが吐いた台詞を思い出した。


『まおうさまはわたしを育ててくれたぁ……命の恩人!さらに力をくれたまおうさまは!!!私の尊敬する人なのよぉ〜!!!!!』


あの時アグアナは魔王様の力を貰ったかのような発言をしていた。



「魔王は恐らく……他人に力を与える能力かもしれない。それに魔王のことだ、付与できる下っ端にキャパなんかないだろうな」

「……あの個体を浮かせる姉妹も恐らく貰っておるのぅ。一度ファステルで戦った時とは段違いで違っていたしのぅ」


ガルドも薄々勘づいてはいたようだ。


「じゃ、じゃあ……魔王がもう既にここに……!?」


マーチが杖をぎゅっと握りしめると、不穏な空気が押し寄せてきた。

皆が森の方を見ると、黒い影が足音を揃えながら攻めてきた。


「いるだろうな、現に今お連れさんが進軍してきやがったぜ」

「なんでそんな冷静なの!?」


フーガはツッコミを入れながら黒い影の方を向き構えた。

それと同時にフルトロンの門前にいた冒険者達も全員構える。


「……ハイドスキルが消えました……!一斉に来ますよ!」

「行くぞ!!」


マーチが杖の先を地面に叩きつけると、巨大な魔法陣が足元に出現した。

マーチの放った魔法はアンチスキルという名の除去魔法。

アンデットやゾンビを成仏させる魔法だが、魔王軍の下っ端達の弱点でもある。

それもあってか、下っ端達は身動きが取れない状態だ。


フーガやオウガ、マーチガルド達は全員動けない状態の下っ端を全員倒し灰にさせていく。


「ッラァ!!」

「うぁ!?」

「あ、すまん!怪我ないか?」

「び、びっ……くりした……」


オウガはエテルナ戦の戦いで右腕と左足を無くしたが、義手義足をつけており、問題なく動ける状態だ。

調子に乗ってオウガは攻撃を食らわせていた時、杖で攻撃していたマーチにぶつかりそうになっていた。


一方その頃、フーガとガルド達も下っ端の掃除をしている。

タケルは大人数の戦闘は不向きの為、全力で応援をしていた。


「フーガ!ヌシは左側を一掃するんじゃ!」

「うん!!」

「うぉおおおおおいけいけえええええええ!!!!」

「タケルは後でシバキじゃな」

「うん……」


皆が下っ端に攻撃をしていると、所々下っ端達が動き始めた。

恐らくアンチスキルが切れかけていたのだろう。

次々とフルトロンに攻めてくる下っ端達を冒険者達が応戦する。

その光景を見てタケルはフルトロンに逃げ込み、集会場に向かっていった。


「冗談じゃねぇ!あんな大群から対象内探すのなんて自殺行為だろ!」


自分の行動は合っているかどうかも分からないが、生き残る為には逃げるしかないという思考しか出てこなかった。


「タケル!」

「!」


自分が必死に逃げているとこに後ろから聞こえてきたのは何やら焦っている様子の剣道場のスーラの声だった。


「今気づいた!何が起こっているんだ!?」

「なんで知らねえんだよ……」

「ガルドさんが集会場に行ってくると言ってそれっきり……それに何やら凄い音とかが聞こえてきたが……」

「魔王軍が侵攻してきてんだよ。警報音とか聞こえなかったのか?」


タケルの問いにスーラは首を振った。

恐らく道場の中はうるさいから警報とかも何も聞こえなかったんだろうな……と思うタケル。


スーラは門の方に顔を向け、迷いなく走っていった。

タケルはその後ろ姿を見ていると、後ろから生徒達がぞろぞろ走ってきているのが見えた。


「姉貴〜!!俺達も戦います!!!!」

「同行させてください!!!」

「君達……っ!!……よし!皆で目の前の敵を倒しに行くぞ!!」


熱い青春ドラマを見ている感覚だ。

いや、全然今危ない状況なんだけどね。

青春とか感じてる場合じゃないからね。


「……とにかく俺は出来ることをやらなきゃな……」


そう呟くと、真っ先に集会場に向かって走っていくタケル。


〜フルトロン 門前〜


「タケルはどこじゃ!!!!!!!!」


門の柱で手をついて休憩していたガルドが大声で叫んだ。

怪我をして治療を受けていた冒険者達がビクッとしながらも、フルトロンの中を指差し喋った。


「そいつなら戻って行ったよ……」

「あんのバカ……!!」

「いや……あの人は多分何か作戦があって行ったんじゃないかな」

「……それもそうかものぅ……」


タケルはただ単に逃げるだけの男じゃない。

何か作戦があって逃げたのだと思ったガルド。


「……まぁよい……ヌシの作戦に従うのが我々パーティメンバーの役目じゃ……待っておるぞタケル!」


そういうとガルドは再び下っ端の掃除に赴いた。

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