主役:復活
⚠️童貞という単語が出ていますが、下ネタ・エッチな小説ではなく完全バトル小説になります。ご了承ください。⚠️
……暗闇。
目の前にひたすら広がる暗闇。
だがタケルはこの光景に驚きはしなかった。
何故ならこの感覚を体験したことがあるからだ。
「……死んだのか、俺」
「いいえ、死んでなどおりませんよ」
声が聞こえる方に振り返るタケル。
そこには見たことがある女性が立っていた。
「お、お前……!?」
「お久しぶりですね。鈴木タケル様」
「ま、待て……待て待て待て!!お前が目の前にいるって言うことは死んだんじゃねえのかよ!!」
女性はため息をつくと、タケルに近づく。
「……危険な状態だったので強制的に暗闇の天界に連れてこさせました」
「暗闇の……天界ィ?」
「はい、あぁそれと……自己紹介がまだでしたね」
「今かよ!!」
「私の名前はパール。パール・ヴィネット、かつてバロン様のパーティにいた修道女です」
タケルはポカンとして口が開いたままだった。
当然だ……いきなりバロンなんて人物名が出てきたのだから。
パールは続けて口を開く。
「貴方の活躍、見させていただいていますよ。フルトロンを守っているその姿勢、まさに英雄です」
「……っあ、あぁ!いやぁ〜それほ───」
「ですが、今の状態ではフルトロンは壊滅状態になります」
暗闇の天界では今の異世界が見えるらしい。
パールは魔法陣を展開し、一般人の身長ほどある水晶玉を出す。
そこにはフルトロンで襲撃に備えているガルドやマーチ、オウガがいた。
「あいつら無事だったのか!」
「いいえ、これからです。惨劇が始まりますよ」
「お、おいおい……そんな事言うなよ……」
すると水晶玉から爆発音が聞こえてきた。
フルトロンの門がいきなり爆発し瓦礫などが飛び交う。
当然ガルド達は巻き込まれ、瀕死状態になっていた。
村人等も下敷きになり丸で地獄のような光景が広がっていた。
その光景を見たタケルは暫く沈黙した後、パールに向かって怒鳴る。
「……あ、あいつら!おい!早く俺を元に!!」
「安心してください、今のはタケル様が死んだ時の惨劇です。このような結果にさせないためにここに連れてきたんですよ」
「……じゃあ今のは起きないのか……?」
パールはニコッと笑うとタケルのおでこに人差し指と当て青い光を放つ。
「えぇ、私が今から貴方を蘇生させてあげますからね。ちゃんと生き返ったら感謝してください」
「……あぁ、ありがとな」
タケルは暗闇の天界から消えると、パールは水晶玉を見て呟いた。
「……全強化(オールバフ)が間に合ってよかった……本当に」
タケルがバリスの攻撃を打ち消したのはパールが能力を付与したからだった。
もし付与していなかったら、今頃……。
〜深淵の森 出口〜
フーガが森から出ると、数キロ先に見えるフルトロンが見えた。
安心と共に疲労がどっときた。
「……タケル……もうすぐで……着くからな……!!」
「あぁ、もうすぐだな」
「うん……だからもうちょっと頑張って……ん?!」
「あぁ、頑張るから早く走れ」
「……き、きゃああああああああ!!!!!!」
思い切りタケルをぶん投げてしまうフーガ。
空に飛ばされてしまったタケルは生き返って早々死を感じた。
「あっ……間違えて投げちゃった……!」
パール……ごめん……。
感謝する前に俺……死んでしまうかも……。
すると目の前に炎の球体がこちらに飛んでくるのが見えた。
恐らく魔王軍が飛ばしてきた魔法の一貫だろう。
『このような結果にさせないためにここに連れてきたんですよ』
……そういうことか!!
「フーガが俺を投げ飛ばしたのも……炎がこっち来るのも……!」
タケルは炎の方に構えると右手をグッと握る。
それを見ていたフルトロンの門にいた人達は指をさす。
「お、おい!なんだあれ!」
「人間が飛んでんぞ!!」
ガルド達は気づいていた。
嬉しいのと生きていた喜びがどんどんと湧き上がる。
「タケル……タケルじゃ!生きておったんか!!」
炎の玉とタケルがぶつかるその瞬間。
右手と突き出し打ち消して、ガラスが割れる音が響き渡る。
「全部計算通りってことか……!!」
……ひとつの災難を打ち消したタケルは次の災難を考えていなかった。
着地の事を考えてないバカはそのまま落下していく。
「うわあああああ!!誰か!!誰かぁああああ!!」
目を瞑って誰かの助けを待つタケル。
そうだ!もし俺が仮にここで死んでも暗闇の天界に行ってもう1回生き返らせればいいんだ!大丈夫……!大丈夫大丈夫大丈夫大丈夫……!!俺は死ななああああああああい!!!!
死を覚悟した瞬間。
「全く……無茶をするバカじゃの……」
タケルをお姫様抱っこをするガルド。
空中でタケルを見ながら微笑むガルドが王子に見えた。
とぅんく……///
ガルドが初めてかっこよく見えポカンとしていると、フルトロンの門に着地した瞬間タケルをポイッと捨てる。
「……マーチ、タケルの状態回復を頼んだぞ」
「はっ、はい!!」
〜深淵の森〜
「フーガちゃんもう出たかな……後ここに取り残されてるのはレミィちゃんだけ……!!」
周りの手下達を倒しているゾエラ。
返り血と自分の血で血だらけになっていた。
「……急がないと……」
ゾエラはレミィを探しに最深部に向かっていく。




