魔王:出現
⚠️童貞という単語が出ていますが、下ネタ・エッチな小説ではなく完全バトル小説になります。ご了承ください。⚠️
〜深淵の森〜
「はっはっ……もー!!早く起きろタケルー!!!」
「……」
息を切らしながら森を抜けようとしているフーガ。
走るのが特化していない彼女は素早さが遅い為、追いつかれないか後ろを確認しつつ走っていた。
「もうすぐ……もうすぐで森が抜け……ぬわっ!」
倒れている木に足を引っ掛けてしまい倒れてしまったフーガ。
それと同時に無防備な状態のタケルを転がしてしまった。
「やばっ、ごめんタケル!って聞こえてないか……」
「……」
「早くフルトロンに行って回復させないと……!」
再びおんぶしフルトロンまで走ろうとしたその時。
後ろから手下どもが追いかけてきたのが見える。
今の時間だけですぐ追いつかれてしまった。
「くっ、もう面倒臭いからまとめてぶっ飛ばすか……!」
タケルをすぐ近くの木にもたれさせて、戦闘態勢に入った。
「鬼ごっこは好みじゃない、やっぱ狩りが1番馴染む!」
「かかれー!!!!」
力を込めて襲ってくる手下に向かい拳を突き出す。
だが、いつもは発動するはずの能力が発動しなかった。
手下がフーガの拳を片手で受け止めると、ニヤリと笑い腹を殴った。
軽く吹っ飛んだフーガは腹を押さえ息を整える。
「……あ、れ?」
「おいおい、ボルザーク族に雑魚交じってんぞ?」
「早く仕留めようぜ、ボルザーク族の一人殺せば俺達の評価も上がるだろうしなぁ!!」
笑いをあげこちらに向かってくる手下達。
フーガは何が何だか分からずにその場で考えていた。
「どうする?このままじゃお前俺たちに殺されるけど」
「……黙れ……!!」
「はぁ?立場分かってんのかお前。圧倒的に不利な状態なお前がそんな言葉使えんのかよ」
「……立場?今劣勢なのは分かってるけど……種族的にはこっちが上だぞ?」
すると手下はニヤリと笑い、剣を取り出しおでこに剣先を突き立てた。
「3秒やるよ。その男をこっちに寄越せ」
「……無理」
「待つ必要も無さそうだな」
そのまま突き立てていた剣先をおでこに刺そうとしたその時。
手下の顔面を蹴り飛ばしてフーガの前に立つ女性が見えた。
「大丈夫!?フーガちゃん!」
「タケルのパーティんとこの……!」
「1回会ったよね!私ゾエラ!怪我は!?」
「な、無い!でもタケルが……!!」
ゾエラはタケルの方を見るとその姿に言葉を失う。
けど失っている暇は無い。今できることをしないと。
「……フーガちゃん、タケルくんを担いでフルトロンに!」
「わ、わかった!ゾエラ!死ぬんじゃないぞ!!」
「がってん!任せて……!」
〜深淵の森 最深部〜
「やっぱり体力無いんだね、思った通りだよ」
「テメェ……!!」
「私を放って行けばよかったのにね。貴女のプライドが許さないんだろうけど」
「黙りやがれです……!!いい加減目を!!開けやがれです!」
女の子が拳を振りかざしレミィの顔面を殴ろうとした時。
後ろから低い男の声が聞こえてきた。
「ハートマイン・ルリエ」
「!?」
「進行は順調か?」
「ま……魔王さ───」
女の子の声が消える。
それと同時に何かが吹き出ている音が聞こえた。
恐る恐る目を開けるレミィ。
そこには首が無くなっている女の子がその場で立っていた。
血飛沫が体にかかって腰が抜けてしまったレミィ。
「……進行は不調のようだな」
「……だ、れ……!?」
「やはりカイルとエテルナに賭けるか。あぁ、それと……」
「……っ」
男は崩れて落ちているレミィに近づき問いかける。
「スズキタケル……あいつはどこにいる?」
「お……教えな……い」
「……この状況で肝が座っているな、気に入った」
すると男は立ち上がり、森の奥に消えていった。
魔王。
この世界で1番恐ろしく強者の存在。
それを目の前で見たレミィは、数分間立ち上がることが出来なかった。




