骨男:襲来
⚠️童貞という単語が出ていますが、下ネタ・エッチな小説ではなく完全バトル小説になります。ご了承ください。⚠️
〜深淵の森〜
稽古から1日が経過。
早朝にタケル達はお互いどういう風な教えを受けているか話していた。
バロン達は早朝に緊急依頼が発令した為、フルトロンに戻り依頼を受けに行った。
「バロンさん達の緊急依頼は襲撃の件とは関係あるのかな?」
「あったら俺達の危険空間が反応するはずだぜ」
「半径30m……ですよね?」
「はい、少々短いですが短い程敏感になるようになっています」
「ま、反応しねぇならまだ焦んなくていいだろ。ガルドの様子見に行こうぜ」
タケル達はガルドの様子を見に行こうと立ち上がる。
その瞬間。
三人の身体に鳥肌が駆け巡る。
「……おい、今……」
「危険……空間……!?」
三人はそれぞれ違う方向を見るように背中を合わせる。
息を飲み、拳を握る。
「マーチ、俺達の所に結界を貼ってくれ」
「結界済みです……!」
「ゾエラ、俺達にバフをかけてくれ」
「もうかけてるよ……!」
結界を貼ることによってどこから攻撃が来ても守れるように、もし結界を壊されてもバフをかけている状態で逃げれるようにタケルは指示を出す。
「おいおい、結界を貼って芋ってんのかァ?」
「っ……!!」
男は手首から鋭い骨を一本出し、親指に力を入れ結界に向かって放った。
「……っ!マーチちゃ」
ゾエラがマーチに結界の強化を言おうとしたが時すでに遅し。
ピキピキと嫌な音を立てながら結界が割れ始める。
危険を察知したタケルはマーチとゾエラを庇ってしゃがませ、勢いが止まらない骨を避けた。
「なんつうバカ力だ……!」
「逃げよう二人とも!急いでガルドちゃん達を!」
地面を蹴りすぐさまフルトロンに逃げようとするゾエラ。
だがそんな事をこの男は許すわけが無い。
既に三人の片足首には骨が巻きついていた。
「ぐっ……!?」
「強制魔法解除!!」
骨を解除しようとするが、硬すぎて弾かれてしまう。
それと同時にタケルはもうひとつ不安に感じていた要素があった。
男の能力が効いてしまっている。
つまり、タケルの能力の対象外なのだ。
「無駄なんだよ!!俺の骨は頑丈なんだからなァ!!……そんでお前らだよなァ?噂の新米冒険者達ってよォ」
「やっぱり襲撃しにきたんじゃ……!」
再び男は手首から鋭い骨を出し親指にセットする。
ググッと力を入れ、マーチに狙いを定めニヤリと笑った。
「骨のせいで動けねェんだよなァ?安心しろ、すぐに楽にしてやるからよォ」
「ちっ!マーチ!全力で結界を貼れ!!」
マーチはタケルの言葉を聞き、三人の前方に分厚い結界を貼る。
並程度の威力じゃ破壊されない程の結界を貼ったが、不安と焦りで魔力がブレている。
「貼れたか?じゃあほこたての時間だなァ!!」
放った骨は結界のど真ん中にぶち当たった。
衝撃によって結界が少し後ろに下がるが、マーチは挫けずに魔力を注入している。
すると男は右や左の方向に移動しなにか怪しい動きを行う。
「……俺の能力は骨を自在に操る能力だ。自分が作り出した骨は何処にあろうが自分の手足のように操作ができるんだぜェ?」
急に自己紹介を始める男。
いくら何でも怪しいが、結界のせいで思考がまとまらない。
「もう一度言うぜェ?俺の作り出した骨は……どんな場所にあっても動かせるんだぜ?」
「……っ!?」
タケルはその言葉を聞き、恐ろしいことに気づき冷や汗が止まらなくなった。
「マーチ!!後ろにも結界を貼れるか?!」
「前の骨で精一杯です……!!」
「まずいぞ……!!」
ゾエラとマーチはなにが不味いのか把握していない。
すると男はタケルが分かったせいか自分から正解を言い始めた。
「一度目に放った骨は……一体どこにあるんだろうなァ?」
「……まっ、まさか!?」
ゾエラが瞬きしながら奥の方に消えていった骨の方を見た瞬間、眼前には鋭い骨が既に映し出されていた。
タケルはゾエラを押し、なんとか避けさせ危機一髪の回避をした。
「あ〜あ、その女目掛けて戻したのに邪魔しやがって……」
怪しい動きをしていたのはゾエラに当たる位置を調整していたからだ。
結界の骨を止めている最中にも関わらず、再び男は手首から骨を出す。
「くそっ……!これじゃまるでただのネズミだぞ!」
「足に巻きついている骨をどうにかしないと!!」
「魔法で無理ならっ……!!こうっすれ……っばぁああああ!!!!!」
足にバフを全集中させ、足を上にあげ引きちぎるゾエラ。
彼女に頑丈という言葉は通用しない。
ゾエラはその勢いで男に向かって走っていく。
「えっさぁ!!」
「へぇ、こりゃ驚いた」
目の前に骨のバリアを貼り、ゾエラの攻撃を守った。
だが怯まずにゾエラは片方の拳で骨の盾を殴る。
殴った感触が硬く、まるで歯が立たない。
すると骨の盾から無数の骨が生え始めゾエラの腕を掴む。
「やばっ!?」
「俺の能力は対象の人間に骨を追加することが出来るんだわァ、すると体内の骨がパンパンに詰まって爆破するってことなんだけど……そこんとこ理解してるよなァ?」
ゾエラの腹に手を当てようとする男に対し、タケルは男の頬を殴り飛ばす。
「タケルくん!」
「応援呼んでこい!ここは俺が食い止める……!!」
そういうとゾエラとマーチはフルトロンの方向に向けて走っていく。
「がっ……はっ……ははっ!どうやって骨を壊したんだァ?」
「マーチが骨に酸化の魔法をかけたんだよ。そんで予め貰ってたゾエラのバフを活用して壊したんだ」
こいつ、手に能力を集中させすぎて他の部位は発動できていなかったのか?
……ロイさんの修行が役に立つかもしれねぇな……!
「はっ……俺に殴りを入れたなァ……てめェなァ!!」
「っ!!」
タケルの方向に向かって走ってくる男だが、戦闘経験が無いのか動きが単調だった。
上手く見極め右の方向に避けるタケルに対し、男は左手をタケルの顔面に当てようとする。
恐らくこいつは、左手にしか能力を集中させていない。
つまり、他の部分をぶん殴ればっ……!!
タケルは左手をしゃがんで避け、右手で男の腹に殴りを入れる。
「がっ……はぁ……!!」
「襲撃なんてさせねぇよ……ここは俺が相手になってやる」
「なんなんだよ……俺の能力が効かねぇなんて意味がわかんねぇんだよォ!!!」
「お前は喧嘩のやり方を知らないんだよ。相手の動きをよく見ることだな」
すると男は片手を地面に叩きつけ、タケル付近の地面をえぐり巨大な骨を突き上げ吹き飛ばす。
「ぐっ!?」
「空中で避けれるかァ!?これをよォ!!!!」
無数の鋭い骨をタケルに向かって放つ。
タケルの能力対象内であれば怖くないのだが、今回はアグアナ同様対象外だ。
ある程度避けるが、頬や脇腹などに刺さり痛みを我慢するが、すぐに地面に叩きつけられ痛みが増す。
「頑張れよォ?俺はおまえの攻撃を受けたんだぜェ?だったら痛みをお前も受けなくちゃ割にあわねェよなァ!?」
「くそっ……!」
立ち上がるタケルに対し男は手首から骨を出す。
「お前スゲェよ、この俺と戦ってまだ生きてんだもんなァ?最初の冒険者は殆どこの骨鉄砲で死ぬんだけどなァ」
血がドクドクと出て止まらない。
恐らくこんなに出るのは初めてだ。
アグアナの領域は幻覚だったが、今回はしっかり自分の血だ。
息を整えるタケル。
だが男はそんな余裕さえも与えない。
「お前気に入ったから名前だけ教えておいてやる。俺の名前はバリスだ、まァどうせ死ぬから教えても意味ねェんだけどなァ?」
「うるせぇ……よ!!」
「まだこうして息をしているのもスゲェよお前……でももう充分話したから死ぬといいぜェ」
親指に骨をセットし、タケルに向かって放つ。
それと同時にバリスもこちらに向かって走ってくる。
「っ!」
「鋭い骨で顔面を刺されるか……俺の能力で骨爆破するかどっちか選ばせてやる……!さァ……骨か?俺か?それとも両方かァ!?」




