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予測:変換

⚠️童貞という単語が出ていますが、下ネタ・エッチな小説ではなく完全バトル小説になります。ご了承ください。⚠️

〜深淵の森〜


ータケル&ロイ視点ー


タケル達は各々別れて修行をすることになった。

ゾエラとバロン、マーチとウィドウにタケルとロイで別れる。

当然タケルはまだ戦闘してる所を見たことがないロイを選ぶ。

ニブイチでロイが弱ければ修行相手が務まらない……。

だがロイの能力をタケル自身もまだ理解していない。


強かったらと思うとゾクッとしタケルはグッと拳を握り構える。


「よし、じゃあ始めようか」

「押忍!!」


気合充分……だが同時に緊張も走ってくる。

俺の能力が通用すれば話は早いが、それを確かめる方法は!


地面を蹴りロイに向かって走っていく。

ロイは眼鏡をクイッと上げて動じる様子が見られない。

動かないなら好都合だ。このまま殴りこめば……!!


「まず」

「なっ……!?」


ロイは前に一歩だけ歩き、タケルの攻撃を分かっていた(・・・・・・)かのように避けた。

その場で転んだタケルはすぐに体勢を建て直しロイを見た瞬間。

眼前には鋭利な刃物が数センチ前に突き付けられていた。


「動きが単調、もっとフェイントをつけようか」

「フェイントォ……?じゃあ予想外の動きはどうっすかぁ!?」


タケルはロイが突き立てている手首を左手で掴み、顔面に目掛けて頭突きを与えようとする。

だがそれもまるで分かっているかのように避けられる。


「ちっ……!」

「タケル君、貴方の能力はもう既に把握済みですし貴方の動きも全て手に取るように分かります」


俺の動きが見える……!?

未来でも見えてるのかこの人は……!!


「あぁ、言ってなかったね。能力は記憶眼(リメンバーアイ)。見たものの記憶を死ぬまで覚える能力だ……それに加えて」


ロイはナイフを持ちこちらに攻めてくる。

タケルは後ろに下がる為、足を一歩後ろにずらした瞬間。


「左」

「ぃい!?」


タケルが左に避けると同時にロイも迷いなく左に突っ込んできた。

片足でタケルの足を踏み、尻餅を着いた時ナイフが眼前まで来ていた。


「対象の人物の行動を予測できる」

「そ、そんなのチートじゃないっすかぁ……??」

「今の間で君は二回死んでいる。だからフェイントを使うべきと言ったんだよ」


ナイフをしまい近くの木に凭れるロイ。

タケルは立ち上がり、悔しながらも今の言葉を思い出す。

予測……?予知じゃなくてか……?


俺が勝手にイメージしてるんだが、予測はあくまで自分がこうするだろうという予測であって……。

予知は予め自分の意思とは関係なく、能力によって何らかの脳内再生が起きてそれを行動に起こしている……?


……だー!!だめだ、わからねぇ!!

とにかく、予測ならフェイントの理論も納得出来る!!

予知ならフェイントしても能力者自身は分かっているからな!


「予測と予知!ロイさん、貴方の能力は予測でいいっすね!」

「そうだね、予測で正解」

「だったら……!!」


タケルは枯れ木を蹴り、何百枚もある枯葉を落とす。

腕を頭に覆い枯葉の侵入を防ぐロイだが、タケルはそれをチャンスだと思いすぐに回り込む。

落ちる音と、姿があまり見えないことによって予測が曖昧になってるのは事実。


「考えたね」

「予測通りなら、俺が後ろで殴りを入れる予測は出来てますか……!」

「勿論」


だが古典的な動きは予測済み。

ロイはナイフを構え後ろに突き立てる……が。

そこにタケルの姿はなく、落ちてくる枯葉しかなかった。


「予知じゃなくて助かったっすよ……!!」

「前……!?」


回り込みの回り込み。

タケルはロイの前に立っていたのである。

完全にフェイントを受けてしまったロイは再びナイフを構え、タケルに突き立てる。

それよりも速く、タケルはロイの顔面数センチに拳を突きつけていた。


「1-2っすね……!」

「やるじゃないか。面白くなってきた」



ーゾエラ&バロン視点ー


「だああああ!!」

「ガッハッハッ!!いいそ嬢ちゃん!!その気合いだ!!」


何十回もバロンの体に攻撃しようとするが、全て剣で塞がれてしまっているゾエラ。

バロンの体に2回当てれば次のステップに進めれるのだが、一向に当たらない。


「はぁっ……はぁっ……!!」

「ガッハッハッ!!嬢ちゃん体力あるなぁ!!」

「ありがとう……ございますっ!!」


油断しているバロンに能力で足を強化し蹴りを入れる。

だがそれも剣で塞がれていた。


ダメ……!1回も当たってない……!!

どうすれば与えられるの!?


「嬢ちゃん、詰めすぎだ。1回リラックスしな」

「えっ……?」

「緊張か今後の襲撃とかで不安なんだろう?1回忘れるといい」

「……」


言葉が出てこない。

バロンが言っていたことが見事にビンゴしていたのだ。

緊張、不安、いつ来るか分からない襲撃。

そのせいか焦りが表に出て思うように動けない。


「嬢ちゃん、聞いたぜ?あんた魔王軍の一人と戦ったんだってな」

「え?」

「兄ちゃんから聞いたぜ?なんでも光を放つ野郎と死に物狂いで戦ったってな」


エルザルに向かう途中で出会ったあの光男の事だ。

タケルはバロン達に修行を頼む際にもこの事を話したのだろう。

ゾエラは下を向いて、拳を握りながら話す。


「あの時……すごく悔しかったんです。私の程度ではあんな奴にも届きやしないって。挙句の果てには死にかけたって……タケルくんに凄く辛い思いをさせてしまったんです」

「……」

「だから……だから強くならなきゃって思ったんです!どんな奴で一発殴れる、そんな人に!!」


バロンはその言葉を聞いて、ゾエラに向かって歩いていく。

するとゾエラの頭に手を置き喋りかける。


「嬢ちゃん、今の嬢ちゃんは充分強い。誇りに思っていい。弱い奴はな、そもそも立ち向かわないんだ。足がすくんで動けなくなるんだよ。でも嬢ちゃんはどうだ?動いただろ?」


バロンは後ろを振り向き、定位置に戻った。

刺さっていた剣を抜き、再びゾエラの方を向く。


「覚悟、勇気、努力!!これらは人間の一つの増強剤だ」

「バロンさん……」

「襲来が怖いなら覚悟を飲め。俺と戦うのが怖いなら勇気を飲め。嬢ちゃんの今まで培ってきた技や威力を見せたいなら努力を飲め!」


剣を肩に乗せてガッハッハッと笑うバロン。

今まで不安だったものが全て消えたかのように体が軽くなる。

バロンの助言によりやる気が満ち溢れてくる。


「不安も緊張も全部消えました、バロンさん」


戦いを楽しむ、今までそんな経験をしたことがないゾエラの顔には笑顔が映し出されていた。

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