稽古:開始
⚠️童貞という単語が出ていますが、下ネタ・エッチな小説ではなく完全バトル小説になります。ご了承ください。⚠️
〜剣道場〜
「いやじゃ」
「いやじゃじゃない」
剣道場の前で2人が喧嘩している。
どうやらガルドは剣を使うのは苦手というかやりたくないらしい。
ムスッとした顔でタケルを見るが、それを見てもこの男は動じない。
「タケル君、どうしてガルドちゃんなの?」
「考えてみろよ。ゾエラとガルド、お前らのジョブが被ってんだよ」
剣術を覚えておくと後々便利になる。
速度×剣=見えない斬撃、初見殺しも良いところだ。
しかもウィドウさんが言っていた襲撃の件もある。
ここで魔王軍の分かっていない戦術をする事によって、向こうも形成がぐちゃぐちゃになること間違いなし!
「タケルがやればいいじゃろうが!!」
「俺はやらん。重いもん」
「じゃあゾエラにパスさせろ!!」
「剣折るかもしんねえだろ?」
何がなんでもやらないガルド。
ここまで来ると強行突破でやるしかないな。
タケルは指導しているスーラの方を向いて歩いていく。
「待て!待って待って!待ってください!!お願いじゃ待ってくれタケルゥゥゥ!!」
「待ちません。俺は行くってなったら行く男だから待てません」
タケルの腰を両腕で抱き止めようとするが、タケルの足は止まらずズルズルと引きずられるガルド。
この事をスーラに言うと絶対圧でやらざるを得ない状況になる。
その光景を見ているゾエラとマーチは苦笑いで見守っていた。
〜数分後〜
「では剣術を教えるのでこの竹刀をお持ちください!!」
「ハイ」
「では腕を上にあげて下に振り下ろす素振りをお願いします!」
「ハイ」
完全にロボットになっちゃった。
ガルドの目が死んでる……いやもうあれ死んでると言うより白目むいてないか?
圧に負けたガルドはそのまま竹刀を渡され稽古を受ける。
ガルドはもうあのまま一生振り続けそう。
「よし、じゃあ俺達も行くとするか」
「ぅえ!?ガルドさんあのままですか!?」
「あのまま」
ゾエラとマーチはタケルの恐ろしさに少し言葉が出ない。
同時に2人はそれぞれ役割があって良かったと心の底からホッとしていた。
「俺達は俺達で稽古をつけてもらおう。先生は抑えてる」
「え?誰ですか?その先生って……」
「まぁ、見りゃわかる。俺達冒険者が尊敬している人達だぜ」
〜深淵の森〜
ここは前にアイテムハンターと戦った場所だ。
ここで俺達はある冒険者達に修行をつけさせてもらう。
チャルエを救ってから数日後にタケル個人が約束をしていた。
「お、もう居るじゃねぇか!」
「深淵の森とは久しぶりな所だね」
「すっかり忘れていたわ……」
フルトロン代表のパーティーメンバーだった。
「師匠!?」
「そういえばバロンさんのパーティーメンバーでしたね……」
ゾエラはウィドウがこっちのパーティーに来すぎて割と馴染んでいたからか、違和感を感じた。
実力は本物、舐めていると数秒で決着が決まる……それぐらいこの代表パーティーは最強だ。
「聞いたぜ兄ちゃん、襲撃の件」
「貴方達の実力では恐らく秒でやられる……」
「だから私達に稽古をつけさせてくれって話だったわよね?」
「そうです、頼んます!!」
バロンはでかい大剣を地面に突き刺し地面に座った。
するとゆっくりと顔を上げ、話を始めた。
「俺も襲撃を味わってる。だから生半可な状態で修行はしたくねぇ。実際生き残りが数日後に俺の仲間を殺してるしな」
「生半可な気持ちで修行なんて絶対しません……私達はフルトロンを守るために本気で受けるつもりです」
ゾエラが前に出てバロンと目線を合わせるようにしゃがんで喋りかける。
彼女の目はまっすぐで迷いがなかった。
その眼差しを見てバロンはふっと笑う。
「よし、いいぜ嬢ちゃん。修行相手はこの俺で行こうか」
「うぇ?」
「兄ちゃんはパワー系じゃないし、魔法の嬢ちゃんはウィドウが相手してくれるだろ?」
なぜか淡々と話が続いていく。
その状況にウィドウはあわあわしてどうすればいいか分からなかった。
「あー……ゾエラ、死ぬなよ!」
「お、応援してます!」
2人に視線を向けたその時、視界が急に上方向に動く。
バロンに担がれていたのだ。
「ちょ……まっ!?待ってぇえぇえぇ!!!」
「ガッハッハッ!そうビビるな嬢ちゃん!」
「やだあああ死にたくないよぉぉお!!!!」
森の中で断末魔が聞こえる。
タケルとマーチは苦笑いでゾエラを見送った。




