絶対的_領域
⚠️童貞という単語が出ていますが、下ネタ・エッチな小説ではなく完全バトル小説になります。ご了承ください。⚠️
〜チャルエ 北エリア 路地裏〜
「周りが青くなっていくぞ……?」
「私の能力よぉ?美しいでしょぉ?」
アグアナはこちらに向かって勢い良く飛んでくる。
タケルは状況整理の為に避け、周りを見渡す。
他の住民が全員村長室に向かっていくのに、タケル達の姿が丸で見えていない感じだった。
「おいお前、俺を早く倒したいんだろ?能力の説明は要らねえからかかってこい」
「……へぇ、随分とやる気なのねぇ」
そう言うとアグアナは右手にメリケンサックを生成し、走ってくる。
領域って言ってるほどだし……こいつの思うがままなんだろうな!!
アグアナが走ってくるのに対し、タケルも続けて向かい合って走っていく。
「おらぁ!」
「ふふ……」
拳と拳が当たる。
それと同時にタケルの考えが甘かったことがわかった。
アグアナの性格や言動で勝手に対象内だと思ってしまっていたのだ。
右手から血が出てくる。
ルルマの戦闘以降、対象外の敵と闘うのは2番目だ。
タケルは慣れていないせいか背筋がゾワッとし、後ろに下がった。
「ちっ……!こいつ対象外かよ!」
「何を言ってるか分からないわぁ?」
「こっちの問題だ……!」
作戦……いや、全てが崩れた。
俺はこいつに勝てない。
「……何を考え事してるのぉ?早く倒してみろって言ったのは貴方よぉ?」
暫くしてアグアナがこちらに向かって歩いてくる。
メリケンサックを消し、剣に持ち替えた。
そしてアグアナはタケルの足に蹴りを入れ、体勢を崩した。
「ぐぁ!?」
「さて、真っ二つにしてお終いねぇ!!」
タケルの目には振りかざされる剣しか見えなかった。
だが急いで膝を着き、手を上げ覚悟を決めた。
パァンと音が鳴り響く。
タケルは剣を両手で受け止めていたのだ。
「……!?」
「真剣白刃取り……ってなぁ!!」
剣を両手で押さえたまま横に倒し、左足で剣を踏み止める。
タケルは空いた右手でアグアナの頬に殴りを入れた。
アグアナは少し下がり、頬を抑えタケルを見る。
「へぇ……。私のほっぺに殴りを入れるなんてぇ……」
「……は!?」
タケルはアグアナの頭上を見ると、そこには今よりも10倍大きい剣が出現していた。
ズズズ……と音とともに刀身が完全に現れる。
「……これで次はそのシンケンシラハドリをしてみなさぁい!!」
タケルの方向に向かって振り落とされる巨大な剣。
だが、タケルは冷静だった。
理由は一つ。領域内の主がなんで俺の攻撃を受けたか。
「ハハハ!!諦めたのかしらぁ!!じゃあそのまま無様に死に晒しなさぁい!!!!!」
「……。お前の負けだ、色女」
するとアグアナは、今の言葉を聞いて動揺した。
そして巨大な剣はブルっと一瞬震えたのだ。
ビンゴ。
「でっけぇ剣を出してくれてありがとうな。おかげでお前の能力がわかったよ」
「……何を今更ぁぁ……!!」
ドォンと剣が地面に着き、爆音が鳴り響く。
アグアナは攻撃を与えれたが、なぜか与えれなかった感覚が勝っていた。
「お前の能力は割と扱いづらいんだな」
「は……はぁ!?」
タケルは当然のように無傷だった。
無言の圧でアグアナに近づくタケル。
「……ひっ!?」
「どんな能力でも弱点があるんだよ。お前の能力の弱点は(主の動揺)だ」
アグアナはそれを聞いた瞬間、自分の能力の弱点を初めて知ったような顔をした。
アグアナは後ろに下がり、気持ちを落ち着かせるために深呼吸をする。
「逃げんのかよ、領域のドンが」
「……口を閉じなさっ!?」
村の住民にぶつかるアグアナ。領域内での二人は姿は見えないはずだが、思い切り尻もちをつくアグアナ。
住民は不思議な顔をし、再び村長室に急いでいく。
逃げるのかよという言葉と、ぶつかった時の動揺。
領域の青い背景は、ノイズなようなものが走ってブレブレだった。
「どうなって……!?」
「人をふざけたお色気で落とすんじゃなくて、てめぇの精神鍛えやがれ」
「ふ、ふざけ……!」
「あんま童貞舐めんなよ」
バゴォと顔を殴り、2m程ぶっ飛ばした。
領域がブチっと切れ、青の背景が破片のように飛び散った。
ピクピクと痙攣し、その場で倒れて伸びてしまった。
「……こいつが魔王の配下だったなら村長を撃ったのもこいつになるのか。ラエンが言ってた災難もこいつになるのか?もしかしたら別の配下が……。」
後ろを向き、ブツブツと考え事をするタケル。
ラエンが言ってた占いの災難は、アグアナが起こすものだと勝手に認識していたが、今の能力を味わって疑問が生まれた。
災難にしてはアグアナの能力では時間がかかる。
早めに殺してとか言ってたな……。
「おいお前、お前以外に配下は……!!」
アグアナの姿が……
"ない"
「まじかよ!?今の一瞬で逃げたのか!?」
辺りを見渡すが、アグアナの姿は当然見当たらない。
タケルの考えが当たった。
配下はアグアナ1人じゃない。誰かツレがいる。
「誰か目撃者……いないよな」
住民は全員村長室に向かって誰1人姿が無かった。
「とりあえず皆に報告だな。急がねぇと……!」<hr>
〜チャルエ 村長室付近〜
「ガル姉ぇ!」「兄貴!」
大勢居る住民をかき分け、ガルドとオウガの元に着くレミィとフーガ。
「息はある、安心しろお前ら。急いで回復魔法を!」
オウガが住民に呼びかける。
救護班が10人ほど前に出てきて、すぐに回復魔法をかける。
「……君……」
「村長!今は喋んないでください!」
オウガが村長に注意する。
だが村長はオウガとガルドの方を向き、喋りを続けた。
「撃ったやつの特徴……何か個体を浮かべていた……」
その言葉を聞いて、ガルドは背筋が凍った。
「……皆、急いで住民を避難させるんじゃ」
「ガル姉……?」
「急ぐんじゃ!!!!」
ガルドは必死な顔で訴えかける。
この場でガルドだけが知っている。
配下が攻めてきたのはおまけ……。
本命はあの四天王。
「……ガルド。心当たりあるやつなのか?」
「エルザルを崩壊させたやつと一緒の奴じゃ」
オウガはその言葉を聞き、立ち上がってすぐに避難の準備を行う。
「チャルエの諸君!すぐにここから別の村に避難だ!」
オウガがそう言うとざわざわしながら、荷物をまとめてフルトロンやファステルに向かっていく。
5分も立たない内に救護班以外、その場にいた住民は全員逃げていった。
「代表村のパーティーもしっぽ巻いて逃げたんじゃな」
「四天王が来るって聞いたらそりゃ逃げんだろ!」
ガハハと笑いながらガルドの疑問に答えるフーガ。
「お前ら!……?」
タケルが村長室に着くが、今の光景を見て不思議に思った。
ガルドが今の状況を伝えて、タケルは理解した。
「……やっぱりな。災難にしては規模が小さい。村長が撃たれただけで災難とは言わないしな」
「ヌシも気づいてたんじゃな」
「タケル!お前どこに行ってたんだ?」
タケルはアグアナを倒したことを説明する。
フーガ、レミィ、オウガは話を聞いて点と点が線になった。
「だけど、私達その四天王とどう戦えば……?」
「お前らは俺達について来りゃいい。前に出んのは俺とオウガとガルドだけだ」
そう言うとタケルは後ろにあるでかい城を見る。
「居座ってるならあっこだろうな。エルザル襲撃もファステル襲撃も同じ共通点がある」
「それって?」
フーガがタケルの隣に来て質問する。
オウガとレミィ、ガルドも城を見てタケルの回答を待つ。
「アイツらは顔を長く出さない。早く全員殺したいからっていう理由だろうな」
「……じゃあ今もあそこに?」
「いるぜ。100%な」
すみません!
ノベルバの分が尽きたのでここからは書き次第投稿になります!!




