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最強族_対面

⚠️童貞という単語が出ていますが、下ネタ・エッチな小説ではなく完全バトル小説になります。ご了承ください。⚠️



〜フルトロン集会場 ロビー〜


タケルとガルドは病室で眠っているゾエラとマーチを見守っていた。

医者曰く、起きるのに2〜3日程かかるらしい。

マーチの右手首の大量出血にゾエラの内臓破裂の回復は済んでいるが、ラエンの回復魔法とは別に輸血で血を入れないと目を覚ますのは難しいとのこと。


「こいつらが起きるまでしばらく寮で待機だな」

「そうじゃのぅ……まぁ休憩も必要じゃ。ここ最近忙しすぎたからのう」


ここに来てからのんびりしたことがほとんど無い。

2〜3日休息が取れるなら少しは気持ちも楽になる。

2人が起きたら強くなる為に修行だな……。


「エルザルにワシが行った時はそんな男もいなかったのう。光速と高速の戦いでどっちが強いかやってみたかったが……」


ガルドはむぅっと下を向いてしょぼくれていた。

こういう戦闘狂の所は心強いと思うタケルであった。

すると病室に走っていく足音が近づいてくる。


「マーチ!!!」


焦った姿でガラッとドアを開けるウィドウが現れた。


「ウィドウさん……!」


タケルは立ち上がり、ウィドウさんの目を見る。

バッチリ目が合ったが俺は言葉が出なかった。


「……タケル、マーチの様子は?」


面倒を全て託してくれたのに、こんな姿で再会させる俺は合わせる顔がない。


「……手首斬られたんです。ラエンさんが回復魔法でくっつけてくれたおかげで外傷はありません」


するとウィドウはこちらを向き、俺の頬にビンタしてきた。

その場にいた人達はタケルとウィドウの方を向く。


「こんなビンタしても効かないのは知っているわ」


ウィドウはタケルの能力の対象内なので効かないのは正解だ。


「だからこのモヤモヤは貴方に晴らさせて貰うわ……。貴方に託した私が馬鹿だった……!!」


ウィドウは膝から崩れ出し、涙がポツポツ落ちていく。


「それ以上に……私のマーチに対する魔法の教えが浅かった……!!生半可な気持ちで教えてた私を殴ってやりたい!くっ、うぅ……!!」

「……ヌシの教えは無駄じゃないじゃろう。空いた時間にまた教えれば良いだけじゃ」


椅子で足を組んでベッドの横にある机に肘をついているガルドが口を開く。


「……慰めかしら?」

「助言じゃバカ魔女」


こいつの言葉が強い所は本当に尊敬する。


「……ウィドウさん、すみません。それに、マーチを託してくれたのは感謝しています。ウィドウさんの背負ってるもんを持たせてくれたのはそれ程俺を信用してるんだからだと思います」


俺はガルドの言葉に続き、感謝と謝罪を述べる。


「だからもう1回、俺に背負わせてください。俺は託されたものは何がなんでも面倒を見る覚悟があります。マーチは俺に任せてください」


覚悟を決めてウィドウに宣言した。




〜フルトロン 集会場前〜


「さてと、寮に戻って休憩じゃな!」

「ああ、2日後にここにまた戻ってくりゃいいか」


タケル達は売店でジュースを買い、寮に向かって帰る所だ。

2日の休息日、タケル達に取って2日も休みがあるのは大きい事だ。

そんなことを思っていた矢先、ガルドは驚いた表情で前を見る。


「……なんで皆がここにいるんじゃ……?」

「んぁ?何の話だ?」


タケルはガルドが見ている方向を見ると、どこか見た事がある雰囲気の3人組がこちらに向かってきている。

するとタケルは木の伐採依頼でガルドが言ってたことを思い出した。


『ボルザーク族はワシ以外に後3人いるんじゃ。スピードのワシ。パワーの姉。ディフェンスの妹。オールマイティな兄。勿論ワシ達は仲がいいぞ!』

するとガルドはジュースを俺に渡し、3人組に向かって走っていった。


「ヌシら!ヌシらも冒険者になったのか!?」

「ガル姉久しぶり……」


スピードで突っ込むガルドに対し、ディフェンスで止めるレミィがガルドをビクともせずに抱き抱えた。


「俺らもガルドに続いて冒険者になろうと思ってなぁ!お前探しにこの村来たんだ!」

「そぅかフーガ!ワシらの強さ追い抜けるか?ガッハッハッ!!」


タケル、完全に置いてけぼり。

するとオウガがこちらに向かって歩いてきた。


「君がガルドのパーティーメンバーのリーダーだよな」

「んぇ、お、おう。スズキタケルですぅ……」


何故か知らないがコミュ障が発動してしまうタケル。

ペコペコしながら握手をし、話を進める。


「いつも俺の妹が世話になってる、ありがとな」

「いやいや、とんでもないですよ」

「すまない……ここに来た理由なんだが、ガルドと一緒に少し手伝って欲しいことがあるんだ」


会話のテンポが良すぎて頭が回っていない状態だ。

当然タケルは会話とストップする為、注意を出す。


「ちょ、ちょっと待ってくれ。異様に会話のテンポが良すぎないか?」

「なんだ?」

「俺達は今パーティーメンバーが怪我して寝てんだ。2日間俺達は休息日として、2日寮で休むつもりでいるんだよ」


せっかくの休息日が急な依頼で潰れる訳にはいかない。

俺は必死に説得し面倒事を避ける為、簡単に断って逃げるつもりでいた。


「大丈夫だ、そこまで面倒では無い。チャルエに行って俺達と魔王軍の配下と1人倒して欲しいんだ」


チャルエ行く=面倒臭い。

配下倒す=面倒臭い。

タケルは今のを聞いて我を失った。


「タケル?どうした?」


しばらくしてタケルは我に返りオウガが話しかけてきた瞬間、自分の意見を大声で返す。


「面倒臭い×面倒臭いは死の覚悟なんだよ!!俺は行かねえからな!チャルエか何か知らねえがなぁ!!」

「報酬金100万ガロンだと聞いt」

「何してんだお前ら早く行くぞコラァ!!」


自分の意思はお金には勝てない。自分のプライドはもうほぼ腐っているのがわかる瞬間だった。




〜フルトロン門前〜


「んで、こっからどんぐらいかかるんだよ?そのチャルエって」

「ここフルトロンからは徒歩で7分……」

「じゃあ走れば2分じゃな!」


レミィとガルドの仲の良さが伺える。流石姉妹だとタケルは思った。

その時隣からガバッとタケルの首を腕で覆うフーガが飛びこんできた。


「お前がタケルかぁ!チャルエまで同行よろしく頼むぞ!!」

「ぬぉ!?」


タケルは感じた。背中にあたる何かがあった。

柔らかいなにか。

彼女がいない、そして童貞の俺はすぐに反応してしまった。


「あ、あの……当たってます……」

「んぉ?」


フーガがその言葉を聞き、暫くするとカーッと顔が赤くなりタケルの顔面を思いっきり殴り掛かる。


「こ、このスケベ野郎!!!」


フッと顔面に拳が来た瞬間、何故か顔面と拳の間に真空ができた感覚があった。

その感覚を感じているのも刹那。次の瞬間、俺の顔面の後ろから衝撃波が一直線で現れた。


「うぉっと!わ、悪い……ついやっちゃった」


タケルは気絶していた。

今後この化け物と一緒に行動するタケルは、もう今すぐにでも寝たいと言う気持ちでいっぱいだった。

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