能力者_対決
⚠️童貞という単語が出ていますが、下ネタ・エッチな小説ではなく完全バトル小説になります。ご了承ください。⚠️
光の能力が効かないのがわかった。
男とタケルの戦いの勝敗は目に見えている。
ゾエラとマーチも俺が能力を打ち消したことに驚いていた。
咄嗟の行動でゾエラを庇ったが、まさか俺の能力の対象内とは思いもしなかった。
「お前……なんや?なんで俺の能力打ち消しとんねん」
「さぁ、知らねぇな!!」
タケルは男に向かって走っていき、拳を構える。
だが当然男は光の速さで消え、木の上に着地した。
男の様子が少し焦っているかのように思えた。
「これまた厄介やな……先に女2人を潰すか……!」
男は光となって消え、マーチの目の前に現れた。
マーチはタイミングが悪いことに、その瞬間目を瞑っていた為気づくのが遅れてしまった。
「まずは1匹目や」
「!?」
マーチの顔面に光の速さでパンチを入れる男。
結界魔法を張る余裕もなく、マーチは殴り飛ばされた。
木にぶつかり倒しを数本続け、岩にぶつかった。
「マーチちゃん!くっ……!」
「マーチ!!」
「他人の心配よりも自分の心配した方がええんとちゃう?」
ゾエラは咄嗟に声がする方を振り向いたが遅かった。
既に腹に数発パンチを食らっていた。
ツーっと口から血を吐いたと思った瞬間、ゾエラは血の混じった嗚咽をし始めた。
「てめ……ぇ!!」
見ていられないタケルは男に向かって殴り掛かる。
当然、男は避けカウンターを入れようとする。
だが男は顔面と拳の距離が数cmの時にあることに気づき、距離を取った。
「……勘がいいな」
「よー言われるわ、それ」
こいつに殴り入れてたら恐らく腕消えてたな……。
全身に能力を無効化する能力が巡ってるせいか、迂闊に動くのはちょっと厳しいな……。
面倒臭いやつやな、女2人しばき殺して逃げるか?
「今にでもお前をしばきたいけど……負ける戦いはやらん主義や。お前のめんどい能力、上に報告するで」
「ちぃ……!」
この男の考えてることがわからない。
拳をぎゅっと握り構えるが、男は全くこっちに来ない。
「まぁその前にお前のツレ、殺すわ。止めれるもんなら止めてみぃや」
「させるかよォ!!」
男に向かって叫び走り出す。
男はニヤっとし、光で逃げると思いきや横に避けた。
体術のみで戦うのと戦闘経験がほとんどないのを察したのか、光を出すまでもないっていう目をしている。
「見てみ、お前のツレの魔法使い。鼻血出して痛そうやなぁ」
ここから30mぐらいあるのに見えるのか!?
実際マーチは鼻血を出し、意識はあるがぐったりとしている。
「ほんでそこの体術女。血ぃ吐いてしんどそうやな」
ゾエラの方は横に倒れ、息を整えていた。
どちらも瀕死状態。俺との戦闘を避けてこの2人を殺すつもりか……!?
「ここに来て10分程度でもうピンチかよ……!!」
「安心せぇ、俺が強すぎるんや」
「くそっ……!!」
攻撃を当てたいが避けられる…逃げたら2人が殺される。
つまるところ、詰みというやつだ。
「……どないした?動き遅なってるで」
「てめぇが速すぎんだよ!!」
必死に当てようと追いかけるが一向に追いつかず、当たらない。泥試合というやつだ。
「タケル……さん!」
奥から微かな声が聞こえた。
紛れもなく、マーチの声だった。
「速度魔法、かけました……!それでこの人を……!!」
タケルの足が、腕が、瞬発力が全て向上した。
「マーチ……!!」
マーチの方を見て、戦える希望で満ち溢れた顔をした時だった。
マーチの右手首が光によって切断されていたのだ。
儚く飛び散る赤い液体、光に交じって美しくも思えた。
だが、美しく見えるそれも元は残酷な結果。
マーチは自分の手首を見て青ざめた。すると耳が響くような断末魔が聞こえた。
「マー……チ……?」
「うるさいから斬ったったわ。手首」
マーチの手首であろうものを地面に捨てる。
それを見た時、言葉が出なかった。
それと同時に憤怒が湧き上がる。
「言ったやろ、やっこい魔法は嫌いやねん」
俺は今まで、ここに来てこんな感情を出したことは無かった。
腹が立つ……そんな生半可な感情ではない。
怒り、憎しみ、恨みや嫉み。
そんな感情を凌駕する気分だ。
「……」
こいつを。
"ぶち殺してやる。"




