代表村_現状
⚠️童貞という単語が出ていますが、下ネタ・エッチな小説ではなく完全バトル小説になります。ご了承ください。⚠️
「おっそいわねぇ!!タケルのやつ!!!」
ウィドウがイライラし始めていた。
まるで自分がタケルのパーティーにいるかのような素振りを見せながら……。
寮の中でハツとウィドウとゾエラとマーチが買い出しで待っていた。
「ま、まぁまぁ……意外とタケルくんって悩むタイプだったりするんじゃないですか?」
「にしてもよ!3時間ってどういうこと!?」
「そうだそうだ!餓死するぞ!」
ゾエラが落ちつかそうとするが、ハツとウィドウの暴走は止まらない。
「タケルさんもそうですが……ガルドさんの音信が不通なのが心配です」
ガルドがエルザルに向かってから2時間。ここからエルザルまでガルドの能力であればそのぐらいで着く。
だが何も連絡が来ない。
「能力の使い方がわからないんじゃないかしら?」
「ウィドウさん時々説明不足のところがあるので……」
「何よ。私が悪いの?」
「い、いえ!そういうわけでは……!」
必死に誤解を解こうとするゾエラ。
そんなやり取りをしていると、マーチの杖がブルブル震え始めた。
恐らくガルドがエルザルに到着したんだろう。
マーチは杖を持ち立たせると、上にモニターのようなものが出現した。
ガルドの視界がそのままモニターに映し出される魔法を受けており、そこには荒廃していたエルザルが映っていた。
「ガルドさん!ここって……エルザルですか?」
『あぁ…そうじゃが……これは……ひどいのぅ』
そこら中に転がっている死体や燃え崩れている家、唸り声等が沢山聞こえてくる。
『わしも最初、ここがエルザルかわからんかった。じゃがこの教会の建物名を見ると(エルザル懺悔室)と書かれておった。間違いないのぅ』
到着した本人も分からないほど、杜撰な状態だった。
「……これも魔王軍の仕業ですよね……?」
「そうね。酷いことをするのね、魔王の下っ端は」
「師匠、エルザルに行く予定は……どうしましょう?」
「…それは私が指示することでは無いわ。あなたにはリーダーがいるでしょ?頼りない男が」
マーチはこくりと頷く。
『とにかく、現状はこんな感じじゃ。今からそっちに戻るが他に見たいものはあるか?』
「特にないわ、戻ってきて」
『わかった、んでタケルはどこじゃ?』
「戻ってきてないわよあのノロマは」
ウィドウはイラっとしながら窓の方を見るが、当然タケルの姿は無い。
『なんじゃ、どっかで野垂れ死にしてるかものぅ!ガッハッハッ!』
「ガルドちゃん!そんな事言わないで!」
すかさずゾエラがツッコミを入れる。
するとプツンとモニターが消え、通信は途絶えた。
「魔法持続効果が無くなりましたね。視界通信は最大5分が限界です……おっとっと……」
自立していた杖が倒れてくるのをマーチが慌てながら受け取る。
「まぁ、現状がわかっただけマシよ。代表村が1つ減ったのは惜しいわね……」
沈黙が続く中、マーチが口を開く。
「ハツさん、空腹で倒れてます……」
〜エルザル〜
通信が切れ、1人で佇むガルド。
「あり?おかしいのぅ、皆の声が聞こえなくなったしもうた」
ザクッザクッと荒廃したエルザルを歩いていく。
「……人は皆死んでおるのぅ、灰になっておる……」
1人の焼死体に近づき、まじまじと見るガルド。
爆発の能力を持った魔王軍の1人がこれを全て行ったのか…?
……待て。代表村には代表のパーティーがいるのに……こんなにあっけなく崩壊するのはおかしいぞ……?
魔王城に最も近づける村という異名があるんじゃったら代表パーティーも相当の腕を持っているはず……。
「……本当にワシがこの前戦った奴なのか……?」
「……ぅぁ」
ガルドが考えていると後ろから呻き声が聞こえてきた。
「生きておるのか!?ヌシ!しっかりせんか!」
すぐに駆け寄るガルド。その人は家の屋根で下敷きになっており、下半身が燃えている状況だった。
「……この有様は一体どんなやつがやったんじゃ!」
「ふた……」
「2人……?」
その言葉を聞いてガルドは前に戦った奴らを思い出す。
「そいつらは女じゃったか!?」
するとその人はこくりと頷いた。
……この前戦った時から今まで一体どれだけ力をあげたんじゃ……!?
「……ヌシ!今助けて……!!」
そんなことを考えてるよりも助けようとするが、後ろで爆発が起こりガルド達に被害が合う。
すぐに後ろに下がるガルド。服が多少燃えたぐらいだった為、被害は最小限に抑えれた。
だが埋もれていた男は爆発に巻き込まれてしまった。
聞こえる断末魔。ガルドはそれを聞くがどうすることも出来なかった。
「くっ……」
ガルドは下唇を噛みながらエルザルを後にした。




