ぼくはいもむし
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あるところにイモムシがいました。
いつも地面に近い葉っぱのまわりでくらしています。
ある日、いつものように葉っぱをむしゃむしゃたべていると、イモムシの頭上をひゅーいとなにかが横切って行きました。
いいなぁ、ボクもお空をとびたいなぁ。
イモムシは茎をよじ登りテッペンまでいって葉っぱをかじりながらどうやったら飛べるか考えました。
葉っぱを2枚ちぎって背中につけてみました。えーい!思い切って飛んでみましたがすぐに地面に落っこちました。
あいたたたた。。。
イモムシはしばらくそこで丸まっていました。
その様子を遠くからみていた綺麗な蝶がいました。
蝶はイモムシの元へ舞い降りました。
ねぇ、あたしの背中にのってみない?蝶がイモムシに語りかけます。
いいの?イモムシは嬉しそうに起き上がり蝶の背中にのりました。
蝶が羽を広げて羽ばたきます。
ふわっっっ。イモムシの身体が宙に浮かびました。
優しい風がイモムシの顔をかすめます。
ねぇ、君は最初から空を飛べたの?イモムシが尋ねます。
あたしが最初から飛べたかって?
蝶が笑いながら応えます。
君はどこからきたのか覚えてる?
イモムシはかんがえます。
なんにも覚えていません。
ボクはどこから来たんだろうなぁ。。。
蝶はヒラヒラと舞いながら花畑に到着しました。
周りを見渡すと沢山の綺麗な蝶が戯れながら蜜をすっています。
ねぇ、花の蜜はどんな味がするの?
しーっ!蝶は静かに花びらにとまって蜜を吸います。
イモムシは気になって仕方がありません。蝶の背中をよじ登り、花の中に潜り込みました。
なんだか甘いかおりがするなぁ。
懐かしいなぁ。
太陽がさんさんと降り注いでいます。
イモムシは気持ちが良くなってそのまま眠ってしまいました。
ねえ、蝶は声をかけましたが、イモムシをそこに置いてヒラヒラと蜜のある花の方へ飛んで行きました。
イモムシが目を覚ますと、、、
あたりは真っ暗でした。
あれ、ここはどこだろう。。。
お腹がすいたな。イモムシは近くにあった葉っぱをむしゃむしゃと食べました。
そうしてイモムシはゆっくりと茎を伝っておりてきました。
ちょうど茎の真ん中あたりにさしかかったところで身体を支える糸を吹き出し、自分の身体に巻きつけて寝床を作り始めました。
ちょうどいい大きさの寝床ができ上がり、イモムシはその中でゆっくりと長い間休みました。
あたり一面シーンと静まり返ったある夜更け過ぎ、イモムシは目を覚ました。
寝床を破って外に出ようとします。
んん!?
なんだか背中がモゾモゾする。
イモムシは背中のあたりを気にしながら、足を踏ん張ってゆっくりと体勢を整えます。
すると背中の真ん中あたりからスルスルと身体の両側に羽が開いてくるのを感じました。
!!!!
羽だ!!!
イモムシは嬉しくて思わず腰を振りました。大きくて黒い青い羽がグングンと伸びてきます。
大きくなった身体に慣れるまでイモムシはしばらくそこに佇んで夜が明けるのを待ちました。
次第に周りがあかるくなり、遠くに綺麗な光の輪がみえてきました。よしあそこへ行ってみよう。
イモムシは背中に力をこめて、高く高く舞い上がりました。
たかく、たかく。。。
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