芽生えた想い
「じゃあ、俺たち帰るね」
誰も部活をしていないレインボーメンバーは帰っていく。
「青、帰るぞ」
「あぁ、うん。」
大橙君が、青君を呼ぶ。
従兄弟で、同じ年なのに、何か逆らえないような感じに見えた。
青君の意思はないみたいだった。
レインボーに手を振られて別れた。
「いつもの子達と帰るでしょ?」美羽に話しかけられた。
「うん。」
「じゃあ、私も夕とかのとこ行くからじゃあね。また、明日もおいで二年の教室」
「わかった。バイバイ」
「バイバイ」
私は、美羽と別れた。
万由がいる部活の場所に行く。
「お疲れ」
「あー、きたきた。今日は万由遅くなるから先帰ってって」
「そっかぁ、じゃあ帰ろうか」
「うん。」
私と祐希ちゃんは、並んで歩く。
「二年の教室バレなかった?」
「うん、バレなかったよ。」
「すごいね。」
「うん、すごいよ」
そう言いながら、自転車をとった。
「何か、いいことあった?」
「ないよ。林君で詰んだでしょ?」
「いや、りりちゃん気になる人できたでしょ?」
幼馴染みの祐希ちゃんは、鋭い。
「できたかも」
「誰々?」
「レインボーって知ってる?」
「知ってる知ってる!有名でしょ?イケメングループ」
「だよね。私は、知らなかったんだけど…。その、一人」
「どんな人?」
「あんまり、話さないけど寂しい顔する人。」
「そうなんだ。」
「よく、わかんないけど心が、その人を探してたみたいに震えた。」
「それって、出会った事あるって事?」
「覚えてないんだよね」
私と祐希ちゃんは、自転車に乗った。
「うちの家の近くでゆっくりはなそうよ」
「うん。」
黙々と自転車を漕いで祐希ちゃんの家を目指す。
彼に会った事があるから、震えたのかな?
考えても、彼を思い出せない。
私は、どこかで会った事があるのか?
でも、そうじゃないと説明つかないよね。
祐希ちゃんの家の下についた。
マンションだけど座れるスペースがあって恋愛相談はいつもここ。
「それで、クズ野郎とは決別できたわけね?」
「うん、そう。彼に会ったらいなくなった。」
「それって、確実に恋してるんだよ。」
「そうなるよね。」
「なる、なる。」
「でも、私も彼も人見知りで話が続かなくて…。」
「大丈夫だよ。おはようから初めてみたら?」
「うん、そうする。」
私は、笑顔で言った。
「名前は、なんて人?」
「如月青君。」
「青君か、素敵な名前だね。」
「うん。」
「人見知りだけど、話してくれたの?」
「うん。」
「りりちゃんが、話したいって思ったんだね。」
「うん。」
「いいな、私も恋したい。」
「ごめん、私ばっかり」
「気にしない、気にしない」
「うん。」
「明日から頑張るんだよ。」
「うん。一緒についてきてくれる?」
「いいに決まってるよ。」
「ありがとう」
そう言って笑った。
「じゃあ、そろそろ帰るね」
「うん、気を付けてね」
「バイバイ」
「バイバイ」
私と祐希ちゃんは、家に帰る。
家に帰ってベッドに寝転がる。
彼が自己紹介してきた時に、感じた気持ち
なんだったんだろう?
私、彼と会ってたのかな?
いつ、感じたの?あの気持ちに似たの。
目を閉じたら、眠ってた。
「…くん。だよ」
「まこのダチ?」
「うん。」
「それ、かわいいな?」
ハッ、目が覚めた。
不思議な夢を見た。
何、今の夢?
小学生の頃だった。
わからない。
うーん。明日も頑張るよ。
新しい恋。