プロローグ
私は夜更かしをして、ベットの上で寛いでいる。
相変わらず、狭い部屋。
もし、私が金持ちだったら。
節約なんてする必要なんか無いのに…。
「あぁ…コーデリア様っっ尊い…!それに比べて…ヒロインは王子に媚び売っただけじゃない。コーデリア様がヒロインだったら良いのにな…。」
この夜更かしの原因は…乙女ゲーム。
私が好きなのは…純粋無垢なヒロイン!…じゃなくて、ゲームでは’悪役令嬢’とされている、ローズ・コーデリア。
こんなにも、悪役令嬢が好きになったのは、過去の自分を重ねたからかもしれない。
だって、私とコーデリアはとっても似てるんだもん。
「異世界転生…、したいなぁ…コーデリア様の運命を変えてあげたいな。私の命を懸けて、コーデリア様を守りたい。」
眠い…もう、夜の2時を回ってるかも。
明日学校行けるかな…。
* * *
目が覚めると、上には豪華なシャンデリアがキラキラと光り、お人形がぶら下がっていた。
ていうか…ベビーベットの上にいるわ、私…。
ってことは…?
「ふぎゃぁっ!ふにゃぁ?」
歯がない…?
え?!私、赤ちゃんになってる?!
「あら。メアリー、ご機嫌ね。コホっ」
「ふぎゃっ?!」
え?!今、私の事…メアリーって言った…?
私の頭の中でメアリーと言ったら…アイリス・メアリージュンしか思い当たらないわ…!
乙女ゲームの…『あの花が散る頃に』のヒロインってコト…?!
あの、ぶりっ子令嬢に…転生しちゃった訳…。
いや、そりゃぁ…異世界転生したいって言ったけど…ヒロインになりたいだなんて、言ってないっ!
で、でもっ、この世界に…コーデリア様がいるっ!
この、メアリージュンの体だけど、見る事が出来るっ!
でも、コーデリア様は、公爵令嬢だし…学園になるまでは話せないかも…。
それに対してメアリージュンは子爵令嬢っ!
子爵令嬢だったら、平民の方がマシ…。
「メアリー、ごめんなさい。アンネ、宜しくね…。ケホケホっ」
「はい…奥様。」
大きいけど、粗末なベットの上で、メアリーの母は横たわっていた。
そうだ、メアリーのお母さんはメアリーが5歳の時に亡くなったんだっけ、、、。
まだ死なないし…3歳くらいにならないと私は自由に動けないと思う。
まぁ、それまでには、どうにかしてお母さんを助けようっと。
あ、コーデリア様に会ったら何を話すかとか決めとかないとッ!
宜しくお願いします!