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友達がどこかに消えたのかもしれない

作者: 前てんパ

小説対決をしよう見たい感じになり、書いた小説です

『現在、火星行宇宙船【焔44便】は通常通り運転しています。』


 そんなアナウンスが地球の宇宙港、民間用、宇宙船の定期発着場所の『ナリタ』にて流れた。







 そして火星行宇宙船【焔44便】の艦内。


「おい、なんであいつが居ないんだ……」


 一人の男性が消えていた。


 浅見康之あさみやすゆきの友人、野村茂樹のむらしげきは消えていた。









 彼、浅見康之は野村茂樹とは数時間前まで一緒に話していた。しかし気が付くと寝ており、起きると野村茂樹の姿が無かったのだ。


 トイレにでも行ったのだろうか。そう思い、また眠りに付いた。


 そして着いてしまったのだ火星に。しかし野村茂樹の姿はなかった。


「先外に行っておくとメッセージでも送っておこう」


 そう思い、スマホの老舗のメッセージアプリを開く。


 その中に野村茂樹の連絡先はなかった。


「ん?おかしいな?無い……」


 不思議に思うがまあよくある不調だろうと考え、置いておくことにした。


「とりあえず先に行って荷物でも受け取っておいてやるか」









「申し訳ございません。そのような方の荷物はここにはありません」


「え?」


 彼は困惑した。


 しばらく前まで自分と話していたのに、その荷物は無いと言われた。


 元から野村茂樹いう人間は居なかった。そんなレベルで何もなかった。しばらく後にスマホをみたが、昔に一緒に並んで撮ったはずの写真も浅見康之しか映っていなかった。


 浅見康之は恐怖を覚えるほどに困惑していた。


 不気味だった。


「まさか……」


 野村茂樹を知っている友人にメッセージを送る。


『野村と一緒に火星に来たんだけど、あいつ居なくなっちまったんだが』


『は?野村って誰だ?俺は知らんぞ』


 そうメッセージが帰って来た。


「ちょっと待てよ……う、嘘だろ……」







『俺は元から居ないよ。ただ、居るように浅見が感じていただけだ。面と向かって俺の存在を言ったことはなかったはずだ』


 そう、浅見は野村という名前は出さずに友人はなどといっていたのだ。


『俺は浅見のイマジナリーフレンド。架空の友達だったんだ。もう会えないし見えない。自覚してしまったからな』


「そうだったのか……ありがとう……今まで精神面で助けてくれて」


 彼は火星の虚空を見つめてそう言った。


 架空の友達、野村茂樹は見えなくなったがきっと浅見康之のことを見守っているのかもしれない。

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