2.出会い
「え?」
一瞬目を疑った。当然だろう。いるはずのないものがいるのだから。手のひらに収まりきるほど小さい体ーーーーーー妖精の特徴だ。
彼女(多分女の子)はどうやら怪我を負っているようだった。川で……いやもう川とも呼べない水の流れで体を休めているところで気を失ったのだろう。ひどい怪我で今すぐ手当てしないと最悪……。
仕方がなく、妖精を家に運ぶ。別にかわいそうとか同情で手当てをしてあげたわけじゃない。
(いくらになるかな?一生遊んで暮らせるかもな……。ただ……珍しい妖精といえど、羽は破れかけてるし……。何の妖精かによるな……。)
だが、もう一度見て溜め息をつく。
「そうだった。色の無い世界じゃ装身具は必要じゃないんだった……。」
(あーあ、せっかく助けたのに、金にならないんじゃな……。)
捨てようか、否か考えていると、
「んー。」
そう言って、妖精が起き出した。でかすぎる俺のベッドの上でキョロキョロしている。状況を理解出来ないようだ。
「あー、大丈夫か?」
思わず、ニコって作り笑いを浮かべて聞く……が妖精は怖がって逃げようと羽を羽ばたかせる。まあ、破れた羽で飛べるはずもなく、ベッドの上に落下する。
「そういうわけだ。だからお前、傷が治るまでここにいろ。」
なぜだか同じに見えたのだ。
仲間がいないで一人でいる妖精と家族がいないで一人で生きている自分が。