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再会

 皆がゼノ文明が持つ恐怖の破壊力に圧倒され正常な判断が出来なくなっていた。そんな中、始めに異変に気づいたのはフレディだった。

「おかしい」

 フレディ達が乗る飛行船だけ他の飛行船から引き離されているのである。やがて、その原因が分かった。

「アスタ!」

 フレディは、アスタを見てその真意を悟った。自らが乗る飛行船のみが艦隊から離され異空間とは異なる別な空間へと飛ばされたのだ。

 そこに待ち受けていた飛行船の船団にベルナルドとレオンは、息を飲んだ。

「あれは、イザベラの船団」

 ベルナルドは、物凄い形相でアスタを睨みつけその胸ぐらを乱暴に掴んだ。

「おのれこの小娘、騙したな」

 すぐさまベルナルドは叫んだ。

「ただちにイザベラの船を撃ち払え」

 だが、時既に遅くもはや至近距離に迫ったイザベラの船団はフレディ達の飛行船に肉薄して横腹をぶつけ、その反動でベルナルドの足元がよろけた。イザベラ達賊は、飛行船からロープを引っ掛け乗り移って、ベルナルドの飛行船に白兵戦を仕掛けて来た。

 たちまち飛行船の中は大混乱になった。次々に打ち込まれるガス弾に視野が阻まれる中、ベルナルドに飛び込んでくる人影がある。イザベラだ。間一髪でそのイザベラの一刀をかわしたベルナルドは、軍刀を引き抜き、二人はそのまま一騎討ちとなった。

「ベルナルド、久しぶりだね。この前の借りは返させてもらうよ」

「ふん、こざかしい賊めが」

 目を光らせるイザベラをベルナルドが罵りながら、自らの軍刀でイザベラの太刀を受けた。

 その横で逃げ出そうとしたアスタをレオンが捕まえた。

「お姫様、どこへ行く」

「離してっ!」

 辺り一帯が乱戦となる中、アスタはフレディが先導するレオンに手を捕まえられ、飛行船の奥へと連れて行かれた。

「忌々しい賊め」

 レオンがアスタを完全に閉じ込めようとしたとき、突如、背後から鈍器で殴られて倒れ込んだ。

「レオンさん!」

 フレディは、レオンを背後から襲った人影に振り返り、その顔に思わず叫んだ。

「ジャックっ!」

 そこに死んだはずのあのジャックが立っていたのだ。

「久しぶりだね、フレディ」

 ジャックは、挨拶がわりにフレディにガス弾を撃ち込み、たちまちその視界を奪った。

「くそ……」

 目が眩み、ばたつくフレディからジャックは遂にアスタを奪い返した。

「アスタ!」

「ジャック!」

 ジャックは、アスタの手を取り走った。甲板では、既にイザベラとベルナルドの決着が付いていた。

「イザベラおばさん!」

 叫ぶジャックにイザベラは、振り返りアスタを見てニヤリと笑った。

「よし、お前達。引き上げるよ」

 イザベラは、ジャックとアスタを引き連れ、部下とともに自らの飛行船へと引き上げて行った。


 イザベラの飛行船の中でジャックは、アスタを見た。

「アスタ、怪我はないかい?」

「えぇ」

 アスタはうなずき礼を言った。

「ジャック、ありがとう」

「礼ならイザベラおばさんに言ってよ」

 そう言うジャックにアスタは、微笑みイザベラに頭を下げた。ふとジャックは、さっきまでいたベルナルドの飛行船を振り返り、その甲板に立ってこちらをじっと見続ける人影に目を止めた。

 フレディだった。

「フレディ……」


「ジャック……」

 フレディは、イザベラの船に乗って逃げて行くアスタとジャックをじっと見ている。その目は、悔しげであり、それでいてどことなく楽しそうでもある。

「そうか。生きていたか……」

 ジャックは、遠目にジャックと見つめ合ったまま一人、フッと笑った。

「それでこそジャックだ」

 今回のところは、まんまとしてやられた。だが、

「次はそうは行かない」

 フレディは、不敵な笑顔でジャックを見送った。

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