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鉱石融合炉にて

 鳴り響く轟音と振動にジャックとフレディは、思わず身をかがめた。

「な、何!?」

 怖気づくジャックにフレディが言った。

「ジャック、急ごう」

 遺跡そのものが崩れ始める中、ジャックとフレディは、走り続けた。そして、鉱石融合炉があった場所に来て息を飲んだ。辺り一面が瓦礫の山となり光で溢れかえっているのだ。

 その真ん中に立つ見知った人影にフレディは叫んだ。

「アスタっ!」

 だが、アスタには分かっていない様だ。アスタは見開いた目でフレディを眺めつづけ、その途端、ジャックは割れる様な頭痛に襲われ、頭を抱え込んだ。

「あぁっ……がはぁっ……」

 呻き声を上げその場に崩れるフレディの後ろからジャックが叫んだ。

「アスタっ、やめて!。僕達だよ!」

 そこではたと我に帰った様にアスタは、うなずき、やがて、電池の切れた人形の様にバッタリとその場に崩れ落ちた。

「フレディ!」

「……大丈夫だ」

 フレディは、頭を押さえつつ、立ち上がり、倒れるアスタに近寄った。

「気を失ってるみたいだ」

「あぁ、連れて行こう。ジャック、持てるか」

「うん」

 二人は、アスタを担ぐと破壊された鉱石融合炉を後にした。


 柱が次々に崩れ落ちる中、二人はアスタを担いで走り続け、ほうほうのていで遺跡の外へ出た。見るとイザベラが軍の飛行船を掻っ攫って、こちらへ飛んできている。

「ジャック、フレディ、こっちだ」

 二人は、イザベラの元へ行き、担いでいるアスタを引き渡した。

「お前達も乗りな」

「イザベラおばさん、僕達は自分達の飛行船で行きます」

「なんだって!」

「飛行船は、おいら達カンパニーの大事な資産なんだ。置いてはいけない」

 そう言い切る二人にイザベラは、異空間に開いた亀裂を見た。

「いいかい、あの亀裂が閉じたらお前達はもうここから出られないんだよ」

 そう言って聞かそうにも二人の決意は固そうだと判断したイザベラは、ため息混じりに言った。

「五分やるから急ぎな」

「分かった」

「行こう、ジャック」

 二人は、自分達の飛行船の元に走り出した。

「あった。あそこだ」

「急げ」

 遺跡のあちこちが崩れ落ちて行く中、二人は自分達の飛行船に飛び乗り、すぐさま機関をいじった。

「ジャック、飛べるか」

「今、やってる」

「任せた」

 フレディは、飛び跳ねる様に操舵室に走り、飛行船の操舵の準備を始めた。

「頼む、動いてくれ」

 何度かの作業を得て、やっとダリア鉱石を積んだ機関が運転を始めた。

「よし、いい子だ」

 ジャックは、ダイヤルを回し、起動の最終チェックをした。そこへガクンと足場が揺れ動いた。見ると飛行船の足場の遺跡が崩れ初めている。

「ジャック、急げ!」

 叫ぶフレディに背中を押される様にレバーを一気に引いた。と同時に機関がフル回転を始め、飛行船が宙に浮いた。

「よっし!」

 思わずフレディが声をあげ舵を切った。

 遺跡の柱が次々に崩れ落ちてくる合間をフレディは、絶妙な舵捌きで縫う様に飛んで行き、イザベラの船と合流した。

「よし、急げ」

 閉じて行く異世界の裂け目にジャック達の飛行船は、全速力で入って行った。そして、閉じるまでの間一発の隙間を抜いて、遂にジャック達は異世界から戻る通路を通り、元の世界へと戻って行った。


 ジャック達が異世界から元の世界へと戻って来る前に、一足早く脱出した一団がある。ベルナルド達の一団だ。

「あの娘のお陰で何もかも滅茶苦茶だ」

 配下から手当てを受けながら、ベルナルドは持ち前の癇癪を破裂させた。そんなベルナルドにレオンが言った。

「まぁ閣下、落ち着いて下さい。何も失ったものばかりではありません」

 そう言うレオンの手に異世界で手に入れたある鉱石が握られていた。

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