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※誤字、脱字多かったらすみません。




「貴女何様のつもり?私は侯爵令嬢のカロリーナ・オースティンよ。貴女よりも上の立場なのを理解しているのかしら」


「私は確かに伯爵令嬢だけど、公爵の婚約者なんだから貴女よりも上の立場だよ?それに、貴女は殆ど家から勘当状態だって社交界では有名……頭の中には何も詰まってないから此処に来たのかな?」


「っ黙りなさい!」


女が持っていた扇で頬を叩かれ、口の中が切れて血の味がする。馬鹿な女だ、先に手を出したんだから私に何をされても文句は言わせない。


私は女の綺麗に結わえられた髪を鷲掴んで床に引き倒し、馬乗りになる。テーブルに置いてあったケーキを食べる為のフォークを手で弄びながら女の眼球に振り下ろすが、僅かな理性で寸止めに出来た。


突然の私の行動に女はされるがまま、恐怖で顔が引きつって真っ青になっていて、声も出せずに小刻みに震えている。


「ねえ、今更何しに来たの?」


フォークを少しずつ移動させて喉元に軽く押し付ける。女が何も答えないのでフォーク押し付ける力をどんどん強くしていくと、慌てた様に答え出した。


「わ、私は騙されて…婚約解消をしただけなのよ……きっとルーファス様に事情を話せば、優しいから許してくれる筈……ずっと私を大事にしてくれていたんだもの……真実の愛の相手はルーファス様だったと気付いたのよ……」


「……愛ねえ」


「ヒッ!!」


私は今どんな顔をしているのだろうか。


自己愛・加虐性愛・被虐性愛・渇愛・純愛・情愛・信愛・深愛・性愛・切愛・忠愛・自己犠牲愛・貪愛・博愛・他愛・盲愛・友愛・仁愛・母性愛・偏愛・憎愛・狂愛……


愛、愛、愛、愛、愛


どれもこれもが愛。どれもこれもが真実の愛。

だってそうでしょう?どんなに綺麗でも汚くても愛なんて言葉が付くのだから。


愛とはなんと綺麗で優しく温かいのだろう。

愛とはなんと汚く身勝手で独り善がりなのだろう。


押し付けていたフォークを女の喉から避け、顔のすぐ横に勢いよく刺す。私はゆっくりと女の首を優しく絞めながら覆いかぶさり、耳元で優しく囁く。


「これでもまだ私のルゥが欲しい?本当にその真実の愛が欲しいなら、私を殺すくらいしなきゃ」


「い……いらないから……殺さないで……ゆ、るして……」


「……なんだ、つまらない」


首から手を離して立ち上がり女を見下ろすと、女の顔は恐怖からなのか涙で化粧がドロドロで顔が酷い事になっている。綺麗に結わえられた髪もグシャグシャ、体は小刻みに震えてよく見ると失禁もしているようだ。


人間は恐怖と実際に対面したとき、自らを試されその本性が明らかになる。この女の底は見えた、もう幕引きだろう。


「貴女……狂ってるわ……」


恐怖に歪んだ女の目に映る私は夢の中で見た幼い私と同じ様に、目を三日月型に変え仮面を貼り付けた様な歪んだ笑みを浮かべていた。


テーブルに置いてある冷めてしまった紅茶が入ったポットを手に取り、女の頭に注いで汚す。これで失禁したことはある程度誤魔化せるだろう。これは同じ女としての情けだ。


使用人を呼ぶベルを鳴らすと直ぐ様ジェシカが部屋に入って来て、私達の現状を見て唖然として動かなくなってしまった。ジェシカに女を風呂に入れて帰す指示を出し、私はそのまま応接室のソファに横になる。


やはり私は感情的に行動すると碌な事をしない。

あの女のルゥに大事にされていたという言葉も非常に癇に障り、殺意を抱いてしまった。その殺意は女に対してか、ルゥに対してか。それとも二人にか。


「ふふっ……」


ルゥにとって私はどんな存在なのか。

母が死んで新しく継母ができた様に、婚約者があの女から私に変わったように、どんな関係でも取り換えが利く。別に私でなくても取り替えが利いた。私が婚約者ではなくなっても、また替わりを見つけるだろう。


この世界に取り替えの利かない関係など無いのではないか。どんな関係だろうと才能だろうと、結局探せば予備がある。


私は何が欲しいのか。何をルゥに求めているのか。

心が近づいて遠のいて、吐いて黙って、私を暴いて欲しくて暴かないで欲しくて、離して離さないで。矛盾していて理不尽な感情。どんどん我儘で欲張りになる私。


私はルゥに何をあげられるだろうか。

毒に塗れた私しかあげられるものがない。私にはそれしかない。ルゥが私に与えてくれるものと同じものが返せない。


そして答えなど見つからずに回り続ける私。

だったら、もういっそ不安定でいいのではないか。必ずしも答えがあるわけじゃないのだから。


ああ、熱が上がってきたのか天井も回って見えるし、わけがわからない。


視界の端に映る、テーブルの上にある手付かずの綺麗な一口サイズのケーキを一つ鷲掴み、口腔の中でグチャグチャにして飲み込む。とても綺麗で甘く、美味しくて頭がおかしくなりそうだ。


手に付いたクリームを舐め取り、口の端から流れ出ている真っ赤な血を指で掬って口紅を塗る様に唇に付ける。きっと鮮やかで綺麗な色をしているだろうと笑み浮かぶ。


そこで私の意識は完全に途切れた。



ナディアの思考と行動は、読者様にはどう映って見えるのでしょうか・・・


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