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Boy meets girl

夜の帳が次第に上がり、朝靄が徐々に輝きを魅せはじめる。中都市ロンドンの朝はゆっくりと始まる。ウェストミンスター寺院の鐘が六時を告げ、四万人の人々を収容する市壁に点在する七つの市門は門戸を開く。中心的区域であるシティー地区では精肉、鮮魚、その他数多のギルドの親方や職人たちが目を覚ます。

シティー地区から向こう側を繋ぐため、テムズ川に掛けたロンドン橋。その橋を渡った先、バンクサイドでも青銅独特の厳かな鐘の音で住人達が起き出す。

ボロが目立つ掘建小屋に住む少年、カイルも例外ではない。十六歳の彼は麻の切れ端を接ぎ合わせただけの毛布から這い出ると、よろよろと机のあるほうへ目指す。

藁の上にシーツを掛けただけの簡易ベッド、壁にはガウンやらの着物類、部屋の真ん中にはいかにも手造りと分かるガタガタした椅子と机。その机の上には籠に入った黒パンが数個と木皿と牛乳瓶。それだけ。バンクサイドの貧困者らしいと言えばらしいが、あまりにも質素な空間である。

カイルは木椅子に座ると皿に牛乳を注ぎ、黒パンをそこへ浸す。しばらくふやかすとモソモソと口へ運んだ。ぼうっとした顔でドアを見ている。パンを食んでは牛乳を啜るだけの作業である。

「……もうじき夏か」

そう呟くと、最後の一塊を口へ運び、木皿の残りも啜って、

「行くか……」

そう言って立ち上がったカイルは壁に掛けてあったバックを掴み取り、肩へ掛けるとドアを開けて外へ出た。

朝もやが微かに漂う、土を固めただけの街路をとぼとぼと歩く。この辺りはシティー地区から追いやられた貧民達が家々を建てて出来たスラム街だ。ロンドンの悪い風はほとんどここへ流れてくる。特に目立つ建物はまばらに建てられた劇場ぐらいなものである。最近は有名になった劇作家の劇を観に行こうとシティー地区など、ロンドン橋の向こうからやって来る者達も多いせいか、さらにスリや追い剝ぎが盛んになった。しかし、そんなバンクサイドにも秩序はある。

「ここか」

カイルは暗い目をその建物へ向ける。三階建ての、ここら辺では一番立派な建物だ。ここにこのスラムの元締めである者達が居を構えている。バンクサイドの住人が持つ秩序はここが作ったと言っても良い。カイルは今日、ここに用事があった。

カイルは館への入口へ歩み出す。そしてカイルは人影があることに気付いた。

「やぁカイル、おはよう」

アルト調の挑発的な、しかし女性のものとはっきり分かる声に、

「アレッタ、か……」

アレッタと呼ばれた十七歳の少女はカイルのほうへ歩み寄る。その右手にはコップが握られていた。

鮮やかな長い赤髪が印象的な少女である。カイルより頭半分高い背、服を張る胸はだらし無さなどなく、四肢からも連想できるようにウェストも引き締まっている。やや吊り上がった眼は豪胆さと不敵さを内包し、艶然とした唇は官能的である。全体としてある種の神々しささえ纏っている。

「やはりこの仕事を引き受けるのかい?」

ここまで来て今更な質問にカイルは頷きを返すと、

「君こそこんな早くに……食堂での仕込みは良いのか?」

「客が来るのは昼前あたりからだからね。仕込みまでは充分時間はあるし、店長夫妻もまだ寝ているよ」

テムズ川沿いにある大衆食堂で住み込みで働いている彼女は肩をすくめた。

「今回の仕事は危険な分、かなり入るらしいね。どんな仕事?」

「俺も聞かされていないんだ。直前までは公開しないらしい。でも悪臭の割に実入りのない染色仕事へ行くだけじゃ食っていくことはできないからな」

そう言ってカイルは自身の青みがかった指爪へ目を落とす。

「綿織り物関連のギルドは数も人口も多いからなぁ。おまけに染物屋は大青の染色で悪臭がこびりつく」

アレッタにそう言われ、カイルは自分の鼻を体に寄せて嗅いでみる。思わずしかめっ面をしてしまった。

「今日も昼飯を食べに来るんだろう?」

「ああ、安くて量が多いからな。しかも近い」

「君の口から美味しいという言葉を聞いたことがないんだが」

「いつも同じものしか食わないからな」

アレッタはこめかみを抑えた。

「そんな君に今日は差し入れだ」

そう言ってアレッタは手に持っていたカップをカイルへ差し出した。

差し入れだよ、とアレッタは訝しんでいるカイルに微笑を向けた。

「珍しいな。何で作ったんだ?」

カイルはカップの中の赤黒い液体へ鼻を近づける。

「八種の野菜を混ぜ、二種の果実で味を整えた。赤黒いのはトマトのせいだろうな」

「それって残飯と変わらないんじゃ……」

「栄養満天だし、きっと美味しいぞ。さ、ぐいっと」

カイルは微妙な表情でカップに口をつけ、流し込んだ。

「ぶっ! なんだこれ、マズすぎる!」

カイルの舌は口に広がったそれを汚物と認識した。蒸せ返るカイルを見てアレッタは、

「やはり栄養素を優先させたぶん、味が疎かになってしまったか。改良が必要だな……」

「しなくていい。出さなくていい。こんなの誰も頼まないぞ」

「ふむぅ、だが目は覚めただろう?」

「さっきと目的が違うだろう。これは飲めん」

カイルはカップをつき返した。が、アレッタは中腰になると、

「そんなっ、カイル君のために作ったのに……。貧しいカイル君なら生きるために飲んでくれると思ってたのに……。最近は口内炎が酷いから健康に気を使うべきかなって心配したのに……!」

そう言って上目遣いを取る彼女。

「ぐぬっ」

「私が夜中までかけた血と汗と涙の結晶を……飲んでくれないの?」

アレッタはカイルにずいっと迫った。

「…………」

カイルは根負けした。出来るだけ舌に触れないよう喉へ流し込んだ。

「……なんか気分が悪くなってきた」

嬉々としているアレッタの前でカイルは腹をさする。

「まぁ今回は危うい仕事のようだけど、死なないよう頑張りたまえ」

アレッタはガッツポーズを決めると去っていった。

カイルは再び建物へ視線を向ける。それから入り口へ向かって歩き出した。

中に入ると殺伐とした空気が流れていた。未だ上りきらない陽の光が窓から脆く差し込み、さらに辛気臭さを醸し出している。

「お前は……カイルか。お前もここに来たって事は覚悟があるんだな?」

低い声がカイルのいる玄関口まで届く。そのカイルの正面にいる男の問い掛けにカイルはひとつ頷いた。男がそれを確認した時、雄鶏が高らかに鳴いた。

「おし、じゃあ参加する命知らず共はここにいる全員でいいんだな?」

男は全体を見渡す。ガタイのいい青年や腕を組んだ壮年、いずれもゴロツキという言葉が似合いそうな輩ばかりだ。カイルはこの中で一番若いと窺える。

「事を聞いたらもう戻れねぇぜ。帰るなら今だぞ!」

男が再度問いただすように大声を上げる。それに誰かがハッと声を漏らす。どうやら引き返すつもりはないらしい。そしてそれがここにいる全員の総意だった。カイルも帽子のツバを目深に落とす。

「……よし、じゃあ今回の大仕事を伝える」

男は一呼吸おいて告げた。

「二時間後、シティー側のテムズ川沿いを、胡椒を載せた馬車が走る。俺たちがやるのは、それの襲撃だ」

「なっ」

誰かが息を飲んだ。怖気付いたかと他の誰かが茶化す。

「おう、確かに危険極まりないよなぁ。怖い怖い。香辛料は遠い東から砂漠を超え、ヴェネチアの商人から高い関税をかけられ、ようやっとやって来る、いわば砂金だ。ここにいる俺らの命を何倍にしたって数十粒のほうが価値ある。だが」

男は懐からナイフを取り出し、机に突き立てた。何人かがビクつく。

「もう降りられねぇぜ」

それから男はケロリと笑い、

「安心しろ。俺もこんな無謀な話を何の手立ても無しに引き受けねぇ。確かな筋からの依頼でもある。奪った胡椒は依頼主に届ける。そこで報酬が貰えるわけよ、合計五百シリングがな」

その額にこの場にいるほとんどの者が驚いた。一シリングは十二ぺセスだ。一ぺセスでパンが一塊買えるし、バンクサイドの家屋での一ヶ月の家賃は五シリング。ここにいる人間は全員で十人ちょうどなので、リーダーである男の取り分が多くなっても……一人少なくとも四十八シリングは貰える。

「マジかよ……」

あまりの額の多さに感慨を漏らした誰かの声を聞いて、男は笑みを深める。

「どうだ? 報酬は多い、後腐れは被害者に顔が割れない限り依頼人が何とかしてくれる。心配は依頼遂行中の反撃だけだ」

男が周りをまくし立てる。カイルは男の獰猛な瞳の奥を見つめた。

(嘘だな……)

カイルは率直にそう思った。依頼人や香辛料、これらのどこまでが真実かは測りかねるが、こんなゴロツキの尻拭いをしてくれる人間などいない。カイルは男が何か算段を持っているだろうと推測した。

……が、カイルはこの話に結局乗ることにした。リスクに対するリターンが悪くない。報酬に関しては嘘を付けば男は袋叩きにされる未来しかない。カイルは額に偽りはないと踏んだ。そもそも話を聞いた時点で逃げ道はない。

「よっし、じゃあ作戦も考えたからな、話を詰めていくぞ」



眼の良い若年の青年がテムズ川の遠く、ウェストミンスター地区方面を見つめる。青年から少し離れた場所では建物の影に隠れて待機しているカイル達が合図を待っていた。そしてテムズ川の河川敷では他の部隊が待機していた。

歳若い青年が目当ての馬車が来るのを知ったら、仕掛けやすい地点で合図を送る。そして河川敷の部隊五人が特攻し、護衛に気を取られている間にカイル達四人の部隊が胡椒の入った袋を掻っ攫う。そのうち、先行部隊に加勢するのと袋をバンクサイドの館まで持って逃げるという二手に分かれる。カイルは足の速さを買われて持ち逃げする役割だ。正直作戦と言えないような、ただの連携行動のようなものだ。カイルは一番安全かつ一番重要な役回りに若干の緊張をしている。

「俺らならやれるさ。なに、スリをする気持ちでやりゃいい」

まとめ役の男がカイルを奮い立たせようとする。

(全く説得力のない……)

カイルは毒突くきながらも見張り役の青年が合図を送ってくるのを今か今かと待つ。

そして……見張りの青年が腕を大きく二度回転させた。合図だ。

「来たかッ」

誰の呟きか、その声にカイルの緊張が高まる。この高鳴りは初めてスリをしようとターゲットにすれ違った時と似ているとカイルは感じた。

確かに見える馬車にカイルは眼を凝らした。すでに特攻部隊が突撃しているようだ。

「っち、早すぎる。焦りやがったな」

見れば確かに特攻部隊と馬車にはまだ少し距離がある。あれでは相手側に対応の時間を充分に与えてしまう。

「俺たちも行くぞ!」

まとめ役の男が顎で特攻を促す。カイルを除く二人が男に続いて駆け出した。

「裏から回れよっ」

カイルは文句を言って、自身は建物が乱立する街路から迂回をすることにした。後ろから狙うつもりなのだ。

カイルは必死に駆け出す。建物と建物の隙間にできた小道。少しばかり走ってから馬車があるであろう左へ曲がる。

「はぁはぁ……」

案の定馬車の後ろ側に出ることが出来た。男達と武装した護衛達幾人かが争っている。護衛の数の方が劣るが、帯剣している分、男達が攻めかかることに躊躇している。

荒い息を吐いたままのカイルは拳大の石をポケットから取り出すと、強く握りしめ、馬車へと走り出し、そして馬車の後部ガラス目掛けて投擲した。

鋭い音を立てて後部ガラスが割れる。カイルは内心ガッツポーズをした。破砕を確認したカイルはポケットから借り物のナイフを取り出しながら畳み掛けるように馬車内部へ刃を突き立てた。

「動くな! 大人しく香辛料を差し出せ!」

緊張と焦りと僅かな恐怖で声を震わせながらカイルは馬車内の者へ脅しにかかった。

「やめて……怖い。香辛料なんて、ない……」

「……は?」

か細い声だった。少年の目に映るのは少女だった。ナイフの切っ先が捉えているのは見るからにか弱い少女だった。

カイルは思わずナイフを下げた。

「君は……」

外の喧騒も忘れてカイルは問いかけた。

「……たすけて」

「なに?」

「ここから逃げなきゃ、たくさんの人が死ぬ」

雪が溶けるような儚い小さな声で少女は言った。

「どういう……」

「私を見逃して……?」

カイルはたじろいだ。が、その瞬間、男が吹っ飛んできた。

「ぐふっ」

カイルは男に巻き込まれ吹っ飛ぶ。カイルはそのままテムズ川の土手を転がり落ちた。男が吹っ飛ばされた衝撃で馬車も激しく揺れた。

「ひゃっ……」

少女は外へと投げ出されてしまった。少女も土手を転げ落ちる。倒れ伏したままのカイルは、斜め前から降ってくる少女を見上げる。が、遅かった。

「くっ、君はぶっ」

カイルの胸へ少女が激突した。少女からしてみればカイルはクッションの役割をしてくれたのだが、カイルからしてみれば思いっきり鳩尾に当たったので悶えるのは必至だ。

少女を抱き締める格好のままカイルはさらに落ちる。そして頭を硬い地面にぶつけてしまった。脳が揺さぶられる感覚に意識を持ってかれそうになった。

「ぷあっ……あ、ありがとう」

少女はカイルの胸元から顔を上げると状況を察した。

「えと、大丈夫?」

カイルは悶えたまま眼を見開く。視界が赤く熱いことに動揺した。が、少女の全容を知り、さらに動揺する。

流れるような白銀の髪を後ろで三つ編みにしている。小柄な身体と違和感なく相まった小顔は童女とも呼べるが、女性らしさも兼ね備えていた。それはきっと理知性と幼さがその碧眼に混在しているせいかもしれないし、あるいはカイルの腹に微かに感じる胸の柔らかさからかもしれない。全体的に庇護欲をそそる雰囲気を持った少女だった。

「君は……」

「くそっ! 作戦失敗だ。野郎ども逃げるぞ!」

突如まとめ役の男の怒号が響いた。

(ッ! 逃げなきゃ……)

カイルはブレる視界の中、自分の上に乗った少女を何とかせねばと考える。

「待って! あなたは……。あなたなら切り抜けられると確信した」

少女はカイルの眼を見ると何かを悟ったかのような顔をした。そして、

「お願いがある。私を、助けて」

少女は自然とカイルを上目遣いで見つめた。

「うっ……」

「たすけて?」

(……いや、何を考えてるんだ。逃げなきゃ打ち首だ)

少女を助けるという選択肢は無いと自分に言い聞かせる。しかし、胸のあたりが疼いた。

「むぅ……助けてくれたら私の家に上手く取り計らう。恩赦ある……かも」

少女の言う恩赦という言葉に若干の魅力を感じた。今回の襲撃を無かったことにしてくれるやもしれない、と。

(いや、得体の知れない少女だぞ)

「む……あと、報酬が出るよう取りはからえる……たぶん」

その時、カイルの中で報酬に金という単語がイコールされた。

「あと、えと……処女あげる、よ?」

か細い声音で震える少女は小首を傾げた。

「なっ」

この時、不謹慎ながらカイルは本能的な想像をしてしまった。頭に血が昇るのを感じる。ついでこの場を切り抜ける算段を考える。この少女を逃す方法を見出すことに脳が切り替わる。その瞬間、カイルは違和感を覚えた。

カイルは周りを見渡した。

(おかしい……)

赤みがかった視界でカイルは戸惑う。

(全ての動きが止まって見える)

正確には人の駆け足が、鳥の羽ばたきが、川のせせらぎが止まったと錯覚するほど鈍く動いている。

カイルは困惑しながら、視界の端で此方へ向かってくる一人の護衛を捉えた。

(遅い……)

護衛は剣を振り上げているが、カイルからしたら腕を上げているせいで脇や腹ががら空きに思えた。

カイルは少女をどかすと、低姿勢で駆け出した。

(!?)

カイルは自身もトロくなっていることに気付いた。

(……動体視力が、あがった?)

カイルは筋力が変わらないこと、全ての動きが遅くなっていること、眼がひどく痛むことを要素に演繹した結果、そう結論付けた。……が、

「な!」

突如赤みがかった景色が一変し、全ての動きが通常に戻った。カイルはそれに驚くが、ものすごい早さで迫り来る剣を視認し、それが斬りつけかけるすんでのところで避けた。

今のはなんだったのか。その疑問がカイルに浮かぶが、二撃、三撃と迫り来る剣撃に注意を向けなければ死んでしまうと思い、思考を目の前の敵に切り替える。

やはり遅くは見えない。むしろとても鍛えられた護衛なのだろう、とても俊敏な動きだ。カイルはどう足掻いても勝てない事を悟る。

(なんとか逃げなきゃ)

カイルは先ほど自分を助けてと懇願してきた少女へと眼を向ける。弱々しく小刻みに震えていた。

どう助けよう。カイルは少女を見つめて思考する。

「……やっぱりこいつだけは倒さなきゃダメみたいだな」

どうにかこの場から逃げ切るためには、少なくとも目の前の敵を倒さねばならない。カイルは迫り来る剣を凝視した。

(集中しろ……でなきゃ死ぬ!)

護衛が刺突を繰り出した。カイルはそれを紙一重で、避ける。その剣筋はとても鈍く見えていた。

(ただ一つを見据えて、余計な思考を捨てれば良い、のか……?)

カイルはなんとなくその不思議な力の発動条件を並べた。

相手の剣がそのまま横薙ぎに振るわれる。カイルは相手の剣の柄先、斜め前へ進み出た。剣を横に薙いだため自然と捻られた相手の身体。カイルはその相手の背後をとった。そのまま右拳を握り締め、後頭部へ向けて振りかぶる。鈍い音を立てたが、護衛はなんとか堪えたらしく、右足を軸に反転、剣を袈裟懸けに振り下ろしにかかった。

カイルはその前に相手の股関節目掛けて蹴りを放った。

「うっ」

相手は思わぬ攻撃に前屈みになった。その体勢はカイルにとって格好の的でしかない。カイルはトドメとばかりに腹を蹴り上げた。護衛の男は地面へ崩れ落ちた。

「こっちだ!」

カイルはしゃがんでいる少女の腕を掴み上げると、街路の方へ連れ出す。二人はそのまま駆け出した。









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