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閻魔の使徒と転生記  作者: かなもじ
転生と出会いと生活
8/8

共同依頼と不安な影

ゴブリンの騒ぎから数日経ったある日


最近のルーティーンとなった依頼の受注をしようと掲示板を眺めていると、


「少し良いか?」

声をかけてくる人がいた。その声はここ数日でよく聞くようになった声で、


「今日の依頼が決まっていないなら、私たち、純潔と乙女、と臨時パーティを組まないか?」

との誘いだった。




純潔と乙女はランクBパーティの女性三人の編成だ。

リーダーはカラミス、茶髪で凛々しい感じの人だ。

もう一人はカラミスの親友でアーツ、もう一人はエルフのカルマ。それぞれ剣、斧、弓を使う。


エルフは寿命が1000年を越すこともあるほどの長命種であまり森から出てくることはないが何かしらの理由で出てくることはあるそうだ。

外見も15ぐらいの時のままで生き、死ぬ5年ほど前から急激に老いていくため、死ぬときはかなり分かりやすい。


ただこの少女に関してはほぼ見た目通りらしく19だそうだ。



そして今回の依頼だが実際のところ実力をギルドが確認したいらしい。

先日のゴブリンの殲滅で一気にCランクまでランクアップしたが、実際に見ている人がいなかったため疑問視する声があり、今回の運びになったようだ。


依頼内容は周辺地域の探索と驚異の排除

難易度Bだが一つ上のランクまで受注可能だからいける。


特に断る理由も無かったから同行すると伝え、一度準備のために別れた。








「カルマ、どうだった?」

アイクに伝えた理由以外にもう一つの理由があった。

それは彼の魔力だ。未だに魔力を測る魔法機は作られておらず、魔法を使う人はだいたいの感覚で使っているのだが一部のエルフはその魔力を見ることが出来る。

それがカルマだ。

その彼女が彼を見た後に顔を真っ青にしていたため理由を聞けば、彼の魔力は一流と言われる魔法使いの魔力とは比較にならないほど大きいものだと言う。


そして、()()()()()()()持っていたのだ。

彼女が森を追われた理由となった黒い魔力を。それも今まで見た中で一番強い黒で

彼女は首を振って答える。今回、近くで見ることにしたのは彼がどれくらいの黒い魔力を持っているか確認するためでもあった。


「分からない。紅いのと黒いのとが混じり合ってるようで、よく見えなかった。」


「そう、なら今回の以来の中でしっかり見ないとね。森や生き物を無条件で殺してしまう魔力をね。

まずは依頼の準備をしてアーツと一緒に門まで行きましょう!」


そうやって、二人は移動を開始した。









依頼の探索を始めて、かなりたつ。


「いったい、何個目だよ!」

つい声を荒げて悪態をついてしまうが仕方がない。

なにせ1日のうちにゴブリンの百体以上の群れとオークの群れとに何度も当たっている。


「本当に何があったのかしら?こんなこと、ここにきてから初めてだわ」

カラミスも同意する。残り二人も同じことを思っているようで首を傾げている。


「何か、森の奥で縄張りが侵されるような事態が続いていると思うわ。」

アーツが言えば、カルマが、

「キングなんかの上位種が沢山いるのにこんなに逃げてきてるってことはAランク以上の魔物が発生してる可能性がたかい。」

と言う。


Aランク以上はパーティ単位での討伐はほぼ不可能と言われているため、そうだとしたらかなり不味い。


今ある戦力だけだと街ごと蹂躙されてしまう可能性が高いからだ。


三人は悩んでいるが、アイクはまだ重要なことが出ていないと催促するように言う。


三人が首を傾げているのを見て、伝える。

「もしくは、オークやゴブリンの最上位種のオーガキングが生まれている可能性があるだろ?」


三人は驚愕に顔を真っ青にしているが絶対じゃないと思い直す。


アイクがなぜこんなことを知っているかと言うと、実は魔物の名前や掲示板を掲示板で見ても生態などが分からず、依頼で苦労したため、図書館で勉強することにしたからだったりする。


四人は注意しつつ探索を進めたが周りが少しずつ暗くなって来たため、今日のところは街に戻ることにした。


「今日はこれから帰って、明日の早朝からまた探索を開始するから、また門の前で集合で」


そして帰りは不思議と何とも遭遇せず街につき宿で寝たのだった。







〜〜???視点〜〜



熱い。憎い。妬ましい。腹が減った。邪魔だ。邪魔者。殺す。殺す、殺す、殺す、コロスコロスコロスコロス...



何なのだ!力が溢れる。力が抜かれる。身体が燃え尽きるほど熱く、凍てつくほど冷たい。


いつも視界には()()()がチラつく。

森の奥で一族の繁栄の為、小鬼(ごぶりん)どもを使って開拓し、豚鬼(オーク)どもを尖兵として戦い、闘い、争い、奪ってきた。


あのフードを被った人間だ。あの男が俺の前に現れてからだ。


全てがおかしくなった。食っても食っても満たされることはなく、犯しても満足することがなく余計に熱くなる。


まだまだ足りない。血が欲しい。魂が食いたい。それでしか満たされることがない飢えを。


小鬼が報告してきた。この先に人の住む街があると。

そこでまた喰らう事にしよう。まだ足りない。上に行くためには足りない?上?なんだ?おかしい。俺は一族の繁栄のために。一族?なんだ?俺は何だ。








俺は何者なんだ?


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