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名もなき物語  作者: 多頭龍
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勝利と絶望始まり

誰か俺に文才を......

「さ、寒い!」

「ま、凍土だからな」

 俺たちは、二日間の移動を終え目的地に到着していた。

「もう少し奥に行ったらポーション使うからそれまで我慢してね」

「は、はい…頑張ります」

 奥に行ったら、ということはまだ寒くなるのか……。――ちなみにポーションとは、耐冷ポーションという便利アイテムのことだ。防寒着などを使うと、動きずらくなるためポーションや魔法で耐性を一時的につけて行動するのがセオリーだという。

 今俺たちのいる凍土は、俺が予想していたより広大だった。全体的に見て回ろうとすれば一週間近くかかるという。クリスタルドラゴンの居場所はわかっているためそんなにはかからないが。

「クリスタルドラゴンは奥地にいるんだ、ここからポーション使ってたら金がかかりすぎるからな」

「わかってますよ。あと少しぐらい我慢します」

 ポーションは基本高価なので、無駄遣いはできない。ある程度は我慢して、強い敵と戦う奥のほうに行った後使用する予定だ。――だったら少しくらい防寒着持ってくればいいのに……。

 休憩のために一晩休むかと思っていたが、ただ単純に目的地についてもその中でも移動に時間がかかるだけだったらしい。もう少し進めば魔物も強くなってくるので距離以上に妨害のせいで時間がかかるとも言っていた。

「はぁ、しんど……」



結局ポーションを使うまで数時間の時間が空いた。

「おおぉ!」

「初めて使ったんだったわね。すごい効き目でしょ?」

「はい、全然寒くなくなりました」

 ポーションは、味はともかく効果は絶大だった。周りの風が涼しい程度のものになった。

「じゃあ、討伐対象のもとに向かうか」

「そうね、もし移動していたら探さないといけなくなるしね」

「そういえば、何で場所がわかるんですか?」

「ドラゴンは、めったに巣を移動しないからだよ」

「そうそう、特にクリスタルドラゴンみたいに宝物集めている子は特にね」

「そうだったんですね」

 そういえば、あのドラゴンはどうしてあんなとこに居たんだろ? あのとき周りの木々は倒れてなかったし、そもそもあの巨体でどうやってあの森にはいったのかな?

「早くいくぞ」

 余計なことを考えてたら全員もう移動を始めていた。

 ちなみに馬車は、凍土の近くで降りてきた。馬の分のポーションがもったいなかったそうだ。

「すみません、考え事してました」

「気をつけたほうがよいぞ。もうここは強い魔物が生息する地域だからな」

「はい、気をつけます」

 気を引き締める。この辺りの魔物は、雪に紛れて奇襲を仕掛けてきたりするため。不意を突かれれば、俺の売りである。《はねる》も《脱兎》も機能しない。する間もなく殺されるだろう。

 周りに気をつけながら進んでいく。


「もうすぐ、巣に着くぞ」

 結局、魔物には遭遇しなかった。通常ならば何度も遭遇するはずらしいが、一度も遭遇することなくこれた。

「運がよかったっすね。この調子でドラゴンも狩るっすよ」

「はい! 頑張りましょう」

 今回の作戦は簡単だ。始めにマリルダが羽の部分に攻撃を加える。ダメージはほとんど入らないが、飛ぶのを邪魔できる。その後は、クロウとドシールが撹乱し、グラッドが攻撃を防ぐ。その間にメルリリーが動きを封じる罠を仕掛け、隙を見て嵌める。動きが止まったところで俺が首を落とす。

 予定では、このようになっている。予定なのは、環境が予想より罠を仕掛けるのに適していないんので、場合によっては、アイテムを使い大きな隙を作り、首刎ねという流れになる可能性もあるからだ。

 後は、もし飛行されてしまったときは、最終手段として俺が《はねる》を使い、叩き落すことになる。――成功確率はかなり低いため出来れば使いたくない手段だ。

「見つけた、巣にいる」

「巣の外にいるな。情報どうりだな」

 情報は事前にギルドで調べたものだ。

「じゃあ、予定通りに」

「了解」

マリルダが詠唱を開始し、グラッドは、マリルダの前でもしもの事態に備える。

クロウとドシールは少し離れて、すぐに攻撃を加えられる位置に移動する。

俺も念のためにマリルダ達より少し近くに身を潜める。

メルリリーとカインは罠の準備を始める。

――そして、詠唱が完成する。

「【バーン・ボルテクス】!!」

炎の塊がドラゴンの背中に飛んでいき、弾ける。

「グオォォォオオ!!!」

 命中を確認する間もなく二人が襲い掛かる。

 もともとクリスタルドラゴンにダメージは入れられないため、確認の必要はなかった。

「オォラァァ!!」

 ドシールが吠えながら剣を叩きつける。クロウはその間に後ろに回り込み、比較的柔い羽を攻撃する。

「グァァァァァ!!」

 ドラゴンは、前後からの攻撃に対応できずジタバタ動く。それを余裕をもって距離を取ることで回避する。

どうやら、前後交互に攻撃することでヘイトを固定しないようにしているようだ。

「グオォォォォ!」

 ドラゴンが息を大きく吸う。――ブレスを吐こうとしているようだ。

「下がれい!」

 すかさずグラッドが前に出る。狙われているドシールは、グラッドの後ろに隠れる。

 そして放たれたブレスは、グラッドに阻まれる。クリスタルドラゴンは、炎ではなく、吹雪のようなブレスを吐く。そのためか、盾が凍り付く。

「ふぅ」

 しかし、グラッドはしっかりと受け切る。

 ブレスが途絶えればすぐにドシールが攻撃を加えるために前へ出る。グラッドは、後ろに下がり回復を受ける。

「ごめーん。やっぱここじゃ罠は無理――!」

 メルリリーが罠を仕掛けられなかったことを叫ぶ。

 それを聞き俺は動き出す。最前線にさらに近づく。

「リリー! タイミング任せた」

「任されたー!」

 メルリリーがドラゴンに近づく。予定通り、アイテムで隙を作るようだ。

「グオォォオオ!!」

 もう一人が前に現れたからか、もう一度ブレスを吐く準備を始める。

「今っ!!」

 そこへメルリリーがアイテムを投げ込む。閃光弾だ。

 光が爆発する。

「っっ!!」

 俺は目を細めながら突貫する。

「グギャァァァァァァ!!」

 ドラゴンが閃光弾に一瞬怯む。

「ハアァァァ!」

 《はねる》を使い一気に距離を詰める。そして、刎ねる。

「グガッ」

 ――ドサッ

 首が地に落ちる。

 ――ズガァァァァン

 遅れて胴体も倒れる。

 勝利のファンファーレだ。

「ぃよっしゃーーーーーー!」 

 ドシールがまた吠えた。しかし、今度は他の人にも伝染する。

「やっったーーー!」

「やったわ!」

「倒せたんだ、僕達……」

「ふう、くたびれたわい」

 各々が感想を漏らす。俺は俺でくたびれ倒れ込む。

「はぁーーぁ何とかなった……」

 時間にして、10分もかからなかったはずの戦闘が何時間にも感じられた。

 当初の予定通りこちらが消耗する前に、倒せたので良かったが、なるべくばれないよう息を潜めながら、しかしいつでも飛び出せるよう構えているというのは、予想の何十倍も疲れた。

「さぁ!さぁさぁさぁ!!戦利品漁りに行こうよ!」

 メルリリーが騒ぎ出す。クリスタルドラゴンが貯めているという財宝のことだ。

「そうね、どちらにせよ一度巣の中に入りましょう。風が防げるところで一晩休む必要があるしね」

 何とか体に力をいれて立ち上がる。一行も巣のほうに向かう。

「ンッッッ!!??」

 巣の入り口に近づいたところで、悪寒が体を襲う。ほとんど無意識にそこを全力で離れる。

 次の瞬間――世界が凍り付いた。

 それは比喩でなく。つい先ほどいた場所が凍り付いていた。近くに居た仲間たちもこの氷塊に飲み込まれたようだ。

「な、んだ、これは?」

 そう言いながら、どこか理解していた。ついさっき似たものを見たからだ。――息吹(ブレス)

 規模が段違いで、完全に凍り付くことを除けば同じだった。

 地面が揺れる。とてつもなく大きな震動を起こしながら、地面が悲鳴を上げる。――そして砕ける。

「ゴアァァァァァァァァァアアア!!!!」

 それが姿を現す。先ほど自らが作り上げたであろう氷塊をも砕きながら立ち上がる。

 デカかった。どこぞの筋肉丸出しの巨人よりも大きいのではないか、と思うほどデカい人の形をした何かだった。

「なんだ? なんなんだ、あれは⁉」

 俺はパニクル。今理解できたのは、今しがた命がけの戦いを共に乗り越えた仲間たちが全員死んでしまった、ということだけだった。


表現がバラバラな気がする......

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