馬車に身も心もやられる男
目が覚めると、背中の辺りがめっちゃんこ痛かった。テントと言え、下はほぼ地面のため寝づらくて仕方がなかった。あぁ、元の世界が恋しい。
…というか、元の世界は今どうなっているのだろう。亜里朱は今何をしているんだろうか。そもそも、時間の流れは向こうと同じなのだろうか。可能ならば、俺が転生された瞬間から時間が止まっていて欲しい。んまぁ、そんな都合の良くは行かないだろうけど…
「…ふぅー」
ここで考えていても何も分からないので、痛む背中を押さえ身体を起こす。
「ん、ドシールはもう起きたのか。」
隣で寝ていたドシールはもう姿がないので、起きたのだろう。ちなみに、テントはあまりおおきくないので1つのテントに最大2人まで寝ることができる。いつまでもテントの中にいても仕方ないので俺は外へ出る。すると、メルリリー以外のメンバーは全員起きて、各々テントを片付けたり朝飯の準備をしていた。
「おっ、サトシおはよう!」
ドシールが1番に気付いて声を掛けてくる。
そして起きているメンバーは順々に挨拶して来るので俺はそれに応える。
ドシールは近くでテントの片付けをしていたので、分からないなりにもそれを手伝う。
「メルリリーさんっていつも起きるの遅いの?」
「んー、そうだな、いつもの事だからオレ達はもう慣れたけど。」
「へー、メルリリーさんらしいな。」
「まぁそうだな。あ、朝飯食べたらすぐ出発するからサトシも準備しておいてくれよ。」
「おう、わかった。」
またあの馬車で1日揺られないといけないのか…
あの揺れと痛みは思い出すだけでも辛くなる。
憂鬱だ…




