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名もなき物語  作者: 多頭龍
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人の噂も七十五日、けれど経ったのは数時間

珍しく長くなった……気がする

「あ? ドラゴンを倒した男だぁ? ――あ!お前か、噂の大ほら吹きは!!」

「っな! 嘘じゃねえ!! 俺は、ドラゴンを倒したんだ!」

「クッ、ククク、ハハハハーー! できるわきゃねーだろ!! お前なんかにドラゴンが倒せるか」

俺は今、ギルドにいる。爆笑の渦が巻き起こっているギルドにだ。

仲間を探すべく、ドラゴンスレイヤーであることを宣伝していた、のだが――誰も信じていなかった……。

 よくよく考えれば、ギルドマスターが俺はただ横取りしただけだという根も葉もない噂が立っている、と言っていた。

「って俺ちゃんと証明したじゃねえか⁉ なんでまだ疑い晴れてねぇんだよ!!」

「証明? ああ、おまえがギルマスとサブマス脅して報酬かっさらった、て話しか?」

「はあぁ⁉ なんでそうなるんだよ⁉」

「何でもギルマスの部屋から二人の悲鳴が聞こえてきたとか、ギルマスからお前に逆らうなとお達しが来たとかって話だよ」

「……」

 片方は、身に覚えはあった。悲鳴は、はねるLv極を見て驚いてた時だ。しかしお達しって何だ⁉ あのギルマスのことだから変なことは言ってないはずだ。まさか実は根に持っているとかないよな……。

「はっ! 言い当てられて、言葉も出ないか!! ほら吹き野郎。いったい誰の手柄を横取りしたんだ?」

「何言ってやがる! 俺はしっかりドラゴンを倒した!! これは嘘じゃねえ!」

「お前なんぞに倒せるか! お前なんかに倒せるなら、俺は英雄になってるぜ!」

 また笑いがおきる。

 そんなに俺は弱そうかね。……まぁ、弱いけど。

 ドラゴンを倒せたのは確かに偶然だろう。俺をなめていたのか、依頼書に書かれていたような特殊な技能を使わなかったことや、《はねる》の力に気付くことができたことなど、いくつもの偶然が重なり、倒せたのはもはや奇跡に等しくなっている。

 実際もう一度倒せと言われれば無理だろう。レベルも上がっているため相手もこの前ほど油断してくれないだろうし、逃げている途中でなければ《脱兎》も発動せず、後ろを取ることもできなかっただろう。

「だがしかし、倒したことは事実だ!」

「ほう、じゃあ聞くがどうやって倒した?」

「後ろから首をはねたんだよ」

「あ? そんなへなちょこな腕でか? はっ!馬鹿なのか? もうちょいましなほら吹きやがれ!」

「嘘じゃねぇ! 確かに俺は、この剣で……」

「剣ってあの錆びついた鈍のことか? あんなんじゃ何も斬れねぇよ」

 また観衆が笑い出す。

 ぐぅの音も出なかった。それはギルドマスターにも言われたことだ。あのスキルを言わなければ信じてもらうことはできないだろう。しかしスキルについては、言えなかった。

 実は、先程ギルドマスターに忠告を受けていた。

『そのスキルは、強力だ。法則すら無視することもできる。お前のスキルの場合、その気になりゃどこまでも高く跳べるし、どんなに丈夫であっても刎ねることもできる。……やってみないことにはわからんが、おそらく使いこなせば神罰でさえも撥ね除けることができるだろう。そんな能力の持ち主を国やら教会やらがほっとくわけないだろ。だから力を付けるまで、このスキルについては、誰にも言うな。いいか、言いうにしても、よほど信頼できるやつにしか言うな』

「はぁ」

 どうにもならんな。この様子では仲間なんか作れるはずはないな。……諦めるしかないか。

「何をしている」

 そんなことを考え始めていると、奥からサブマスターが出てきた。

「おお、サブマスじゃねぇか。いまから、似非ドラゴンスレイヤーを絞めるところだ」

「っな! 何を馬鹿なことをしている!!」

「あ? あぁそうだなこんなやつでも今は、ギルド会員だったな。規則は守らなきゃな!クククッ」

「そういうことでは……」

「そういうこった。新入りよかったな、優しい優しいサブマスが助けに来てくれてなぁ!」

 そういい、爆笑しながら去っていく。

 ――クソ。

「すまない。どうやらまだ誤解は解けていなかったようだな……。 そういえば何の用事だったんだ?」

「それは……」

 かくかくしかじか

「そうか仲間をか。確かに君のスキル上仲間は必要だろう。《はねる》は、そうそうやすやすと使えないだろうしな」

「けど、この調子では無理そうなので、諦めます」

 今のこの状況で仲間になってくれる物好きはいないだろう。もしいても後ろから刺されそうだ。

「いいのか? 先ほども言ったように君には仲間が必須だろう」

「何ともならないものは仕方ないですよ」

 そりゃ欲しくはあるがね。

「……あまり良い手ではないのだが、一つ方法がある」

「本当ですか!」

「ああ、それは奴隷だ」

「ど、奴隷⁉」

 俺はつい叫んでしまった。

 奴隷ってあの奴隷か? あの何をしても何も言われず罰則もない、あのあれですか⁉ (混乱中)

「あ、あぁ。奴隷の中には、戦いを得意とする戦奴隷がいる。他にも雑務を任せる普通奴隷や、まぁあんなことを行う性奴隷などもいるが、ともかく冒険者の中から探すより確実だろう」

「なるほど。あ、でも高いんじゃ……」

 人一人に値段をつけるんだから、相当行くはずだ。

「そこは問題ないだろう。ドラゴンスレイヤー」

 微笑みながら言う。

「あ、そうか」

 アルケミードラゴンの討伐報酬でかなりの金額が懐に入ったんだった。

 奴隷か。そうか、奴隷かぁ。

「ムフフ……」

「どうかしたか」

 おっと……。

「いえ、何でもないですよ。わかりました、奴隷を雇ってみます」

 現状、それしかないしな。

「ふふ、雇う…か。(ボソ) では私が紹介状を書いておこう。少しは安くなるだろうし、ハズレをつかまされることも無いだろう」

「?……あ、ありがとうございます。」

 はじめになにか言った気がするが、うまく聞き取れなかった。しかし紹介状は助かる。

「あ、奴隷ってどこで雇えるんですか?」

 よくよく考えると、どこで雇えるのか知らねぇや。

「あぁ、奴隷商の店だ。地図を描こう」

「重ね重ねありがとうございます」

 その後、紹介状と地図をもらい、ギルドを出た。


パソコンで書くとなかなかムズイ……

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