第一話「父の料理VS母の胸」
こちらに来て数日が経って、まず分かったことを言おう。
ここは地球ではない。
薄々はそうではないかと思っていたが間違いない。
ここは違う星でまったく別の世界。
それを理解したのは、ここに来て数日経った晩である。
俺はどうにかしてでもコミュニケーションを図れないかと声を出す練習をしていた。
まだ体は幼く筋肉がまともに発達してないからか、喉が思い通りに動かない。
声が出ても言葉にならないような「あ~、う~」と言った音を発生するだけで、この世界の言葉はおろか日本語すら発音出来ない。
目は開いている。
って事は産まれたての小鹿ではないようだ。
目がきちんと機能されるのは……、確か生後三ヶ月くらいだったっけか?
三ヶ月ならまだ小鹿か。
俺がこっちに来て初めて認識した二人だが、どうやら両親のようだ。
声を発するたび嬉しそうに抱き上げられるし、めっちゃ嬉しそうに顔を綻ばせている。幸せそうな笑顔がまぶしい。
そんな嬉しいものか。
いや、そりゃ嬉しいか。
俺は結婚してなかったし、子供なんて居なかったけど子供は好きだった。
ましてや、この人達からすれば俺は血を分けた子供だ……。
……ん?
血分けてるよね? 養子とかじゃないよね? そんな複雑な家庭とかじゃないよね?
まぁ血を分けてるとしよう。
そんな子供が両親の行動一つで反応をするんだ。
そりゃあ嬉しいだろうな。
俺なら間違いなくニヨニヨしちまうね。
おっと、そんな話をしたいんじゃないんだ。
ここが地球じゃ無い理由だが、結果だけを先に言うと――
――月が二つあった。
父(仮)が俺を夜寝かしつけようと、俺を抱きながらベランダに出てきた。
夜だって言うのに気温はそこまで寒くない。夏だろうか? と、そんな事を考えながら夜空を見つめた――。
そこで目に飛び込んできた光景に心を奪われた。
――満天の星空だった。
日本に居たときは、滅多に見れない街灯が邪魔をしない星空。
あまりにも綺麗で俺は瞬きをする事を忘れて見入った。
こんな星空は生まれて初めて見たかも知れない。
多数の色に光る星々は鮮やかで、まるで踊っているかのような錯覚にさえ陥る。
戦争になってからは夜空を見るなんて時間も余裕も無かった。
気を休めれば、それは死に直結したからだ。
多分あの地球ではもう一生見れないんじゃないかな……。
そう思うと、少しだけ悲しさが湧いた。
涙をグッと我慢する。我慢するが産まれたての子供の涙腺が未発達の機能で抑えれるはずもなく、泣いた。
びえーとは泣かず、ただ涙を流しながら星を見つめた。
男泣きってやつだな。うん。
……綺麗だな。
月並みの感想しか出ないが、俺にそれ以上のボキャブラリーなんて持ち合わせていない。少し頑張れば宝石箱やぁくらいは出てくるが、今はそんな気分でもない。
そんな星を見渡すと、ひときわ輝く大きな球体が真っ暗――星たちは超輝いているが――な世界で俺を照らしていた。
多分あれが月なんだろう。
それが仲良く、まるで夫婦であるかのように寄り添って二つ輝いていた。
薄々と思っていた事が、はっきりとなった。
ここが違う星。
もしくは違う世界、異世界ってやつか。
違う時系列、違う世界線、どれが正しい表現なのかは分からない。
ただここは、俺の知っている地球ではないって事ははっきりと認識した。
そんな訳で、今の俺の現状を少しばかり把握する事が出来た。
簡単にまとめると……。
俺は戦争中に銃で殺されて記憶が、或いは魂がこの体に乗り移ったもしくは引き継いだ。ここは違う世界、所謂、異世界で俺は今 母であろう青髪の若い女の母乳を飲んでいる。
以上だ。
おっと忘れていた。
母乳はうまい。
「к〆Δ♪¥θδ」
相変わらず言葉はわからないが……。
☆ ☆ ☆
――1年が経った。
俺はスキル『二足歩行』を手に入れ、言葉もこの一年である程度覚えた。
まだ喋れるまではいかないが、単語などは読み取れるようになった。
秘儀「これなぁに? 」を覚えたのが良かったのだろう。
「それはね、水って言うのよ」
「…みう…? 」
「ふふ、み・ず」
「…み・う」
一応言うが俺は至って真面目にやってるからな?
概念が分かるものを指差し、単語の答え合わせをする行為は、今出来る最大の勉強であったし、母は優しく単語を教えてくれる。
スキル『二足歩行』を手に入れてから、家は慌ただしくなった。
俺がよく消えるからだ。
そりゃ異世界にきて、二つの月なんて見せられたら他になにかあんじゃねぇか!? って期待もするさ、おまけに体は子供なんだぜ? 今のうちにしたい事をしとかねぇとな!
大人になったら、しがらみや、諦め、その他大勢のせいで、やりたいことなんて出来ねぇし……。
そんな俺は色んなとこで出没した。
家でも庭でも、流石に外に出ようとしたときは止められたが、どこにでも行くようになった。
母は、必死についてきた。苦労と言うのか、気疲れと言うのか、それが顔に浮かんでいる。
全く困ったお子さんだね。全く。
この家は貧しくはないようだ。
裕福なほうなのか? この世界の生活基準がどのレベルなのかにもよるが、俺にはそう感じれたし、親もそこまで苦労してる様子は無い。
何より父の作る飯が超絶旨そうなのだ。
多分この人はプロだ。
そう思える程に、見た目が良かった。
味は知らない。まだ俺は母の胸にしゃぶりついてるからな!!
離乳したら食べるようになるだろう。
離乳期間はとっくに来ているだろうが、そんなの知った事か!!!!
俺は離乳されるだろう来るべき時まで、この感覚を焼き付けると決めたんだ!!
はっはー!!!
家族は三人。
"父"、"母"、"俺"
典型的な核家族だな。って事は俺は長男か、子供はまだまだ増える予定なのでしっかりと育ってあげないとな……。
予定ってのは夜になると、毎晩のように寝室から悩ましげな声が聞こえてくる。
お盛んだねぇ……
俺はどうも世話のかからない方らしい。
当たり前か。駄々もこねないし泣かないし。泣く気もないし。
ただスキルを習得してからは、手を焼いたみたいだが、それくらいだろう。
子育てに余裕が出来る。
そうなると次が欲しくなったみたいで、ずっとあんな調子だ。
いずれ遠くない未来に弟か妹が出来る。
…………弟か……。
――――神様、どうか妹を下さい!!!
前世の家族は、三人兄弟の全員男だ。
戦争中は周りは男だらけだったし、たまに戦争で頭がヤられた奴は、性別に関係なくシようとするし、ちょっと男は勘弁願いたい。
俺はノンケだ、女以外無理だ。
いや、妹にそれを望んでいるわけではないが、年が近い弟だと記憶がフラッシュバックしてきそうで怖い。
あれは怖かった。起きたら男が俺に跨ってるんだぜ? 恐怖でそいつを全力で殴ったからなんとか事なく(? )終わったけど……
本当にお願いします神様……
そんな懇願をしながら時が経った。
俺は未だに元気だ。
大きな怪我もなく超元気だ。至る所に入るし母は心配で目を離せないといった雰囲気はあるが、戦争の一つも起きず、平和に元気を満喫している。
そんなある日、俺は台所に出没していた。
母は洗濯物を干している最中。
父(仮)の料理をちょっと見たいなと思っての行動であった。
そんな父(仮)は包丁を研いでいた。
この人絶対プロだ、目がめっちゃ真剣だし。
もっと近くで見たい。
そう思い近付こうとした時、不意の事故が起きた。
近くにあった包丁を引っ掛けた。
普段なら俺が近くに行くと、包丁を手の届かない所に置くのだが、父(仮)は研ぐことに神経をすり減らしていてるようで、俺がいることに気がつかなかったようだ。
「……ッ!」
腕を切った。
痛かった。
この世界に来てから初めての出血。
涙は出なかったが声が漏れた。
けど、この程度で涙が出るほど弱くねぇ!!
「ん? ……ッ!サン!!!切った所を見せてみろ!!」
父(仮)が切ったことを、理解した途端慌ててこちらに駆け寄ってくる。
そういえば俺は『サン』と言う名前らしい。
「……アナタ? どうしたの? ……ッ!? サン!!!」
父の声を聞いて母も来た。そして、俺の傷を見た途端あわあわし始めた。
母は父(仮)よりずいぶん若い。
父(仮)が二十八歳くらいに見えるのに対し、母は二十歳にも見えない。もっと言うと十六と言われても信じれる。
おまけにちっさいし、そんな母があわあわしているのだ。
みているだけで、心がほっこりした。
ん? 傷?
あぁそんなのあったね。血は出てるけど、浅いし、ちくっとする程度だしほっといても平気だと思っている。
「ユリ、頼めるか? 」
おぉっとぉ?
父(仮)は傷の処置とか苦手なようだ。
それと母は『ユリ』と言うらしい。
「……っ!え、えぇ!そうね!サン、こっちにおいで」
さっきまで慌てていた母は父(仮)の言葉で、まるで己の使命を思い出したかのように平常心を取り戻し、優しく俺を抱き寄せた。
そのまま傷口に手をかぶせる。
ん? かぶせる?
おいおいおいおい、待て待て待て待て!!
菌が入る!!
この世界に消毒って概念はないのか?
さすがに膿んだりしたら困る。
必死に、母の手をどけようとしたが、若いと言っても大人、力で勝てるはずも無かった。
まぁ母だし大丈夫だろう。
そんな楽観的な考えしていると、母が一言呟いた。
「……安らぎ!」
はっきりと発音し手で覆われた傷口を見ていた。
……何やってんの? ? ?
俺の頭の中にハテナマークが沢山飛んだ。
え、どうしたの? もしかしてミーのマザーは中学二年生拗らせてるタイプ?
確かに十代後半って、そんな時期が有りがちだけど……、え? マジデ? ウチノママチュウニビョウ? うわぁ……。
そんな事を考えながら手を見た。
その瞬間、手が少し光った。
目の錯覚かと思った。てか目の錯覚だろう。
もう一度見た。
手は光っていなかった。
ほら錯覚だった。
「…ふぅ、もう大丈夫よサン」
……? ?
何がだよ。
意味がわかんねぇからな? 厨二は脳内だけに留めるのが大人の嗜みなんだぜ?
それより、殺菌とガーゼとかなんかくれよ。
そう思いながら腕を見た。
傷が完全に消えていた。
…………は? ?
言葉を失った。
いや元々殆ど喋れねぇけど
どう言うことだ? 何がどうしてこうなった。
説明してくれママン。
「ママ、これなぁに? 」
俺は学習系最大攻撃を繰り広げた。
「どうしたのサン? あぁ、さっきの? さっきのはねぇ、治癒って言うのよ」
「……ちゅう? 」
一応念を押すが俺は至って大真面目だからな?
わざとじゃねぇぞ?
まだ発音が曖昧なだけだ、もしくは筋肉の発達が追いついてないだけだ。
いっそネイティブだと言ってもいいね!
「ふふっ、ちゅうじゃないわよ、治癒魔法」
そう言いながら再度「ち・ゆ・ま・ほ・う」と一文字一文字丁寧に発音してくれた。
「ちゅうはね……」
そういって俺のおでこにキスをする。
めっちゃ可愛い。
可愛いんだが――――
――俺は唖然としていた。
魔法だと……?
俺の中にある常識が比喩か何かではないのかと言っている。
てかそう思うだろ普通?
ただ母の声色と状況が比喩ではないと物語っている。現に傷は治っている。
『魔法』
そうか、ここは魔法と言う概念がある世界なのか。
そうかそうか……。
………………ちょっと待って理解が追いつかない。
マジで待って下さいお願いします。
二人は、さも当たり前のように、いつもの風景に戻った。
父(仮)は包丁をまた研ぎ始めて、母は俺をひざの上に乗せて、俺を撫でながらそんな父(仮)を一緒に眺めていた。
魔法か……。
魔法使いって、一度はなりたかったドリームクラスの一つじゃん……。
俺も魔法使いになれるのかなぁ。
そんな期待を膨らませながら、父(仮)を母と一緒に眺めていた。
程なくして、とうとう離乳の時が来てしまった。
もうこの味を楽しめないのか……、と嘆く気持ち。
ずっと父(仮)の手料理を食べてみたかった、この高揚感。
その二つが相まって、脳が葛藤を起こしている。だが時間は待ってくれない。
料理は主に父(仮)がするようだ。
もしかして母は飯マズ属性か? と思っていたが普通に作れるみたいで、たまに作っている。
見た目すんごい旨そうなんだけど、父(仮)の見た目には劣ってしまう。ごめんよママ……。
父(仮)から離乳食が贈呈された。
粥のようなもの。
ただ俺の世界で見たのと若干違う。
所々黒い米が入っていたり、離乳食にはまだ早いであろうお肉が入っていたり
俺の持っている知識と、現状の微妙な違いに戸惑いを覚える。
不安な顔で父(仮)を見た。
めっちゃニコニコしてる。
満面の笑みじゃん。
自信作なんだろうなぁ。
大の男がはにかみながら粥をふーふーしてる。
郷に入れば郷に従え。
父(仮)も心配なんて一つもないって顔で、食べさせようとしているし大丈夫なんだろう。多分。
俺は、恐る恐る肉入りの粥を口に含んだ。
一口噛み締めようとした。
――革命だった。
(なんだこれ!?!?うめぇ!!米自体の甘みが口の中で広がる!!!めっちゃうめぇ!!!!米ってこんな甘いのかよ!!!!そしてこの肉はなんなんだ!舌で少し押しただけで千切れてく!柔らかいなんてもんじゃねぇぞ!!)
あまり調味料が使われていないのだろう。シンプルな味。
なのに、米の素材としての旨みが、味に奥ゆかさを作り出している。
その味は、昔によく食べた調味料がいっぱい入った食べ物とは、正反対な、足し算ばかりでは再現できない、そんな味だった。
そして、問題の肉。
見た目は、完全に鶏肉。
繊維の硬そうな鶏肉。
当たり前だが、消化器官が完全に発達していない子供に、消化の悪そうな繊維の硬い肉を食べさせるなんて事してはいけない。
そんな固そうな鶏肉とは裏腹に口に入れた瞬間――
(――繊維なんてなかったんやぁ……)
そう思わせるほど、鶏肉が柔らかい。そんな俺を見て、父(仮)は満面の笑みで「うまいだろ? どうだうまいだろぉ? 」と聞いてくる。
俺は目を丸くしてコクコクと頷いた。
それから飯は、至福の時間に変わった。
いや、今までも至福だったよ? 母の胸と良い勝負だよ間違いなく。でもこれはまた別と言うかさ……。
誰にいい訳してんだろ……。
まぁいいや……。
毎日のように革命が起きた。
どう見ても離乳食じゃないようなのも出たが、そのどれもが口に含むと溶けて、胃で吸収されていくのがわかる。
父(仮)……いやもうこれは間違いなく父だわ……。
父はめっちゃ嬉しそうに、毎日ご飯を作っていた。
ただ材料がたまに正体不明のものが混ざっていて困惑もしたけど。そのどれもが美味しかったし、害意はないし特に拒む理由にはならなかった。
☆ ☆ ☆
俺は二歳になった。
言葉も殆ど覚えた。
ぎこちないものの、愛想笑い(笑)を習得した。
着々と、子供スキルが上がっていってるね!
やったね母ちゃん!スキルが増えるよ!
この家には、色んな人が来る。
若いお兄ちゃんからお年寄りまで、なんでもござれだ。
子供もたまに来る。
どうやらこの家は、道具屋の様なものを営んでいるらしい。
庭から見た村は、そこまで大きい印象はない。
道具屋はここしかないようだ。
村中の人が買いに来るので、割りと繁盛している。
家は道具屋の裏にもうひとつ家があり、そこで家族三人で暮らしている。
道具屋とは別に家。
普通に裕福な方だろう。うちのパパ様は頑張っているらしい。
そんなパパ様は、俺が可愛らしいのだろう。
たまに店のマスコットに抜擢する事がある。
その時は、父と一緒に道具屋に行く。
そして、適当に愛想を振りまく。
俺の笑顔一つで、売れ上げが上がるなら安いものさ。
ここの人は、良い人ばかりだ。
愛想笑い(笑)は振り撒くが、どうしても疲れる。
そんな時は笑顔の消えたおっさんになるのだが、そんな無愛想な俺を見ても子供だからか良くしてくれる。
ご老体の方は特に良くしてくれる。
前の世界でも、皆こんなんだったらきっと世の中平和だっただろうなぁ……
いや、無理なのは分かってるけどな?
そんな中、分かった事がいくつかある。
まず父の名前。
父は『ラルク』と言うらしい。
ついでに家名を知ることも出来た。
アンシ〇ルではない。
『グライド』
それが家名らしい。
つまり俺はグライド家のサンさんらしい。
サンさんってなんか嫌だな。
この世界? 地域? 国? ではアメリカンネーム方式を取っているようで――
母が『ユリ・グライド』
父が『ラルク・グライド』
俺が『サン・グライド』
まだ子供だし、皆の呼び方は「サン君」や「サンちゃん」だが、年を取っていくにつれて「サンさん」にシフトチェンジされていくのかな……。
俺の固定概念が大いに拒絶している。
この世界では普通なのかな……。
俺は嫌だな……。
それと、ここは道具屋では無いらしい。
いや、道具屋なのか?
疑問符の理由は、何故か料理も売られているからだ。
――道具と一緒に。
世界の道具屋は料理も販売してるのか? ここが特殊なのかどっちかわからん。
値段の基準は把握しやすかった。
流石に商売を見てると、お金を理解するのは早かった。
皆の口振りからして、ここはだいぶ安く売られているようだ。
この世界の金貨は7種類、青欠石、青石、銅石、銀石、金石。
金石の上に白石と黒石と呼ばれるものがあるみたいだが、まだ現物を拝んだことはない。
青石=1円
銅石=10円
銀石=100円
金石=1000円
白石=10000円
黒石=100000円
の価値。
青欠石は青石の10分の1の価値らしい。
つまり
青欠石=0.1円
ここは道具屋だから、お金は色々見るはずなんだが、殆どは青欠石や青石で取引されている。高くても銀石位。
料理もそうだ、青欠石や青石数枚位で取引されている。
ただ隣に高級チックな看板が馬鹿高い。
最低金石数枚からだ。
なんて書いてあるんだろう。パパ様に聞いた。
「あぁ、それは『魔料理』って言うんだよ」
ふむ、なんだそれ。
魔料理? 料理の一種か……?
料理が金石数枚……?
うちのパパ様は何を考えているのだろうか。
皆の買い物の頻度や、会話やら聞いているとこの村の大体の月収が分かった。一人辺り大体金石数枚ほど。
それを考えて魔料理を見てみよう。
月給と一緒位じゃね?
しかも食べたら終わり。
売れているとこなんて見たことないから、勿論それがなんなのかも知らない。
料理と書かれているから食べ物なんだろう。
嗜好品の一種なのか?
そんな一度きりの料理にそんな高いのか……
すげぇな……
俺もいつか食べさせてくれるのかな。
まぁ大きくなったら聞くか。
俺は三歳になった。
相も変わらず飯は旨い。