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錬金術師(アルケミスト)の世界革命  作者: 悠々自適
第2章 妖精郷の脳筋(?)妖精
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もう1人の恋妖精、目を背ける

ちょっと胸糞部分あります。

私、アスタロスはもう1人のロクサーヌと言うべき存在である。

本来の人格というべき存在はロクサーヌ、そして私はロクサーヌの憎悪や復讐心としての人格だ。


そも、ロクサーヌから私を産み出されてしまったのは今から247年前。

当時、まだ61歳、人間で言うところの8歳から9歳ぐらいの時期、のときに襲われた悲劇が始まりだった。


あの日、私と恋妖精(サキュバス)のママは境界警備の任、つまり私の先々代となる立場についていた花妖精(ドリアード)のパパの元に訪問していたのだった。

単身赴任といえるパパの元に行くことは久しぶりだったことは今でも覚えており、そしてそれが最期だった。


パパの種族、花妖精(ドリアード)は妖精の肉体とは別に植物の肉体があり、その身が朽ちない限り妖精の身が朽ちても暫くすれば蘇ることができる反面、その植物の身からは遠く離れられない制約があった。

パパの植物の身はこの森にかつて存在した、今はもう存在しない『マンサク』と言う名前の木であった。

そんなわけで、私とママ、そしてパパはパパの植物の身の下でピクニックをしに行き、私が近くの茂みで木の実を摘みに行っているときにそれは起きた。


ママの悲鳴とパパの大声に驚き、茂みに息を潜めて隠れながらそっちの方を見ると、大柄な男がパパの腕を斬り、小柄な男がママを後ろから羽交締めしていた。私は、ロクサーヌはその光景に硬直する他なかった。何が起きているかはわからなかったが、自分がいることがバレたら危ないと本能的に理解していたのかもしれない。

しばらくすると、パパは手足を切られ、ママはやめてと懇願する。小柄な男が下卑た笑みを浮かべながら何かをママの耳元で言い、ママを解放した。

今度はパパがやめろと叫んでいたが、大柄の男に足を剣で地面に刺されていて動けないパパの前でママは服を脱ぎ始めた。

そして男たちは……これ以上は思い出したくも語りたくもない。

苦しむパパの前でママを犯し抜いた後、パパのお腹を切り裂き、肝臓部分を取り出した。

ママは約束が違うと限界そうな中、叫ぶように言ったが、大柄な男に押さえつけられ死にかけているパパの前で再び犯され始めた。

そして、パパの息が途絶えた頃、ママは解放されたと同時に、切られ、パパと同様に肝臓を取り抜かれていた。

そのときのロクサーヌは何故そんなことをしているのかわからなかったが、人間は魔力の塊のような私達の肝臓を食べると長生きできるという話を後に知った。

そして奴らはパパとの亡骸と瀕死のママを近くの木に縛り付けた挙げ句、火を放ったのだった。

恐らく、妖精の追っ手が来たとしても、森への引火を防ぐこと、私の両親を救出させようとし、足止めさせるつもりだったのだろう。そして、もっとも近かった木というのはパパの植物の身であった『マンサク』だった。


その後、煙による異変に気付いた境界警備隊の人達が駆けつけ、消火活動を終えた頃には『マンサク』もパパもママももはや黒い炭の塊になっており、そしてロクサーヌは目の前に起きていた出来事から目を逸らすかのように境界警備隊の人に発見されたと同時に気絶した。

そして、目を覚まし、陛下やパパの同僚さんや部下さん達から聞いた話と自分の目で見たもので、何があったかを幼いながらもわかってしまったロクサーヌは、しかし、そのストレスに耐えられなかった。耐えられるはずがなかった。


そして、そのストレスの化身として私が彼女の中に生まれた。


それから5年。

ロクサーヌは私と共にありとあらゆることを学んだ。

パパ譲りの唯一の力である、ありとあらゆる香りを操る力とママ譲りの幻術の力をより使いこなすために鍛えた。

体術を学び、人間に遅れをとらないように、むしろそれ以上に鍛えた。

ロクサーヌと私は自分の精神の世界、または魂の世界とも言える、夢の中で邂逅した。恋妖精(サキュバス)という、夢の世界を扱える種族だからこそ私達は互いについて話し合うことができ、体の主導権を得るために殺し合いをする不毛なことを避けることができた。そこで、私は彼女がストレスや憎悪、とっさの防衛の時、力になり、日頃大人しくすることを話し合って決めた。

この頃、ロクサーヌはロクサーヌ・アスタロスと名乗り始めるようになった。

ちなみに、幻術の腕前なら精神体とも言える私の方が上だが、体術など肉体を使うことに関してはロクサーヌの方が上だ。


そして、私達はついに理不尽への復讐と理不尽を振り撒くことを決意し、帝国へ呪いをすることを決めた。

本当に復讐したかったあの男達は、調べているうちに、とある怪異に呑み込まれ死んだことを知り、悔しさから慟哭しかけたが、その怪異を手配したのは陛下だったことを知り、ならば私の復讐はすべての元凶を滅ぼそうと決めたのだった。


もっとも、私の呪い以上に帝国は既に、桁外れのとんでもないものに呪われており、私はその()()()()()()呪詛によって、まだ行動する前にルビー伯爵領に侵入しただけで縄張りを荒らされたと思われ、瀕死になりかねない攻撃(のろい)を受けた。

なんとか命からがら攻撃者に訳を話すと「それは申し訳ないことを。しかし、獲物の横取りは赦すわけには……いえ、そうね。コドクにしましょうか。あなたの復讐と同時に仕込みましょうか」と言われ、悪夢をルビー伯爵の邸宅に住むものと勤めるもの全員に見せるだけという遠回しかつ嫌がらせ程度でしかないことを条件に私は命の保証を得た。それほどまでその呪詛となった方は恐ろしいほどの力を持っていたのだ。

そして、悪夢を見せる私の呪いをその呪詛の女王様は模して領民にばら撒き、そしてそれによって多くの人間が殺し合うように操り、集め、閉じ込め、殺し合わせて全員死なせたというのは後に知った話だった。


結局、私とロクサーヌの復讐は私達がほとんど手を下すことなく終わってしまい、この憎悪と怒りは燻ったままロクサーヌの中に残り、その化身たる私もまた消えることなく存在し続けているのだった。

まぁ、ロクサーヌに「貴女までウチの前からいなくならなかったのは良かったッス」と言われたのは悪くない気分ではあったけどね。



そんなことを思い出しつつ、私は目の前の人間にどう答えるか頭を悩ませた。

ロクサーヌは「まぁ、最後ッスし、アスタロスも挨拶しておくッスよ。」なんて言っていたが、私からしてみれば別に会わなくてもいい存在だ。多分、ロクサーヌのことだから、私という‘人間を憎む存在’がいることを教えるため、とかいうのを考えているのだろう。

それなら、全力で私という存在をぶつけて心折れさせよう、折れずとも凹ませようと思っていたのに、目の前の人間、黒金剣太だったかは想定外の方から想定外な質問をぶつけてきた。


何なのよ、こいつ。否定するわけでも肯定するわけでも嫌悪するわけでも同情するわけでもなく、ただそれはそれとして、と置くなんて訳がわかんない。

ロクサーヌの話を聞くんじゃなかった。

というわけで、ロクサーヌ。貴女が何とかしなさい。私は関わりたくないわ。

多分、しばらくボックスガチャに忙しいので更新はないです。

誤字脱字ありましたら、お気軽にどうぞですよー。

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