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錬金術師(アルケミスト)の世界革命  作者: 悠々自適
第2章 妖精郷の脳筋(?)妖精
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錬金術師、地雷を感じる

そもそも、何故魔法魔術の知識が必要か。

それはあの地下洞窟で唯一教えられていなかったことだからだ。


一応、師匠と呼べる存在であり、僕を鍛えてくださった加納武蔵さんは、魔術や魔法を一切使わず、【異能】と“役職”だけを極めているという人だったのが主な原因である。

実際、魔法魔術無しでも時空間を自在に歪め繋げ操る【異能】と己の容姿や性別どころか種族さえ変えることが出来る千変万化の“役職”であれば魔術や魔法をわざわざ使い、鍛えるよりも、そっちを特化させた方が強いだろう。実際、僕は英霊憑依の練習や生き残るための戦い方の訓練で及第点こそ貰えたが有効打の一手を取れることはついぞなかった。



加えて、白鬼院小梅さんが支配する‘魂魄用無’の中の世界にいる先輩勇者さんたちも結果的に頼りになることはなかった。

魔王サイドだった人達は加納武蔵さん同様【異能】や“役職”頼りの人がほとんどで魔術や魔法はチャッカマンぐらいの火を出したりそよ風を出す程度の生活用魔術であった。魔導を多く覚えるより少しでも早く【異能】と“役職”を使い慣れて戦わなければならない立場だったともなれば仕方がないことなのかもしれない。

それに、極まった“役職”は魔導と遜色なく、例えば米原さやかさんの“祈祷師”は天候を読んで予知ができるだけのはずなのに、鍛え上げた結果、小規模範囲の天気を操ることができるほどだ。荒天の魔女と呼ばれていただけのことはある。



勇者サイドだった人達は天使教によって鍛えられた結果、ポケ○ンでいうところの火炎放射や10万ボルト、波乗りぐらいの高火力ではないけど並よりは普通に強いのが使える。

しかし、都合500年前な上、今もほぼ鎖国状態で過ごされていたため、魔導の効率化、つまりこの期間に発展した消費魔力を抑えたり簡略化がされたりした魔導ではないということだ。よって、今よりも詠唱の時間はかかるか、独自の進化をしてしまっていて習得しようにも自分以外無理みたいなことになっているか、あるいは現代では上位互換が存在しているかしてしまっている。

その結果、時代と噛み合っていないため、教えるのはほぼ無意味か無理か無駄かとなってしまっているのであったからだ。



そんなわけで、僕は魔導に関しては知識があるだけ、戦闘経験数は鍛練されたものの現代に適応されていないのだ。

だから、実際、もし天使に遭遇したときに対応しきれるかわからないのだ。




「とまぁ、そんなわけで僕は魔導を学びたいんです。できれば攻撃系から精神系まで全部を。」


僕のそんな都合をかい摘まんで話すと、コルド・ティターニアさんは腕を組んで悩ましそうな表情を浮かべていた。


「あの、なにか問題が……」


「あ、いえ。教えることに関しては魔導に関してはトップクラスの妖精族としては問題ないのですが、満遍なく、となると少々難しいですね。

そもそも、その人その人で適性といいますか、使いやすい使いにくいっていうのがありまして、例えば私は氷の魔導は全般的にこなせますが、炎の魔導は使えなくはないですがその辺の妖精族の一般人と同等か、下手したら負けます。

そんなわけで、満遍なく教えるとなりますとわりと複数人関わることになりまして、そうなると間違いなくやる気のない妖精はまともに教えない、なんてことは免れません。女王としての命令も恐らく聞きませんし。」


コルド・ティターニアさんの説明に僕は盲点だった点に気付いた。

確かに妖精族の自由気ままさを忘れていた。教えるなんてことはよほど話がわかっており、かつ協力してくれる方じゃないと無理だった。


「あー、うん、えー……どうしよ、紺さん?」


「えっ!?ここで私に尋ねるんですか!?」


「え、あ、うん!?ごめん!!」


つい勢いで話を振ってしまった。


「けー君ってあれだよね。咄嗟の事になると会話がポンコツになるよね。」


「うぐっ。否定できない………」


困った。どうしよう……やっぱりもう少し考えてから頼むべきだったか…


「あの、じゃあ、魔導を全般でなくて構わないですから、コルド・ティターニアさんが言って従ってくれる方で教えてくださりそうな方はいませんか?」


もはや現状の情報からやっていただけそうなことを頼む他ない。

というか、そうなると間違いなくロクサーヌ・アスタロスさんだろう。


「そうなりますと……」


「ウチの出番、ッスね。」


「…………大丈夫?」


「まぁ、この短い間であいつらとは違うってのはわかっていて、女王陛下も問題ないと判断してるわけッスから、大丈夫と思うッスけどねぇ………」


思った通り、ロクサーヌ・アスタロスさんが教えてくださる流れになったのだが、なんというか、目の前でのやり取りからして、地雷案件な気がしてきてしまった。


「えっと……あの、何か、まずいですか?やっぱりここの大隊長なわけですし、時間的に厳しいとかありますか?」


多分、というか間違いなくそっち方面じゃない問い掛けをして探りを入れてみる。聞きたいことはあえて遠回しにしてみるという前田から教えてもらった作戦だ。

これで前田はCoCやったとき、ダイスなしで半RPのまま、そのときGMだった球磨川から情報を巻き上げたという実績ありの作戦だ。まぁ、付け焼き刃だからそこまで上手くはないのだけれども。


「あー、いや、ウチは大隊長とはいえ、ほとんど書類に目を通して、判子つけて、あと鍛練しているだけなんで暇はあるッスよ。だから何も問題ないッスよ。

じゃ、ウチがそれなりに教えるってことでいいッスよね、陛下?」


案の定、付け焼き刃な話術では聞きたいことは聞けず、そのままロクサーヌ・アスタロスさんが僕に教えてくれることになった。


その後、教えてもらうための打ち合わせをしていると、コルド・ティターニアさんと白鬼院小梅さん、平塚才人さん3人は何やら懐かしむ感じではなく、僕が追体験した記憶にあるシリアスな感じで話し合いをしているようだった。

何か嫌なことの予兆でなければいいけれど………


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「で、コルド。何が問題そうなんだ?」


「あの子、私と同じ孤児なんですが、そうなった経緯がですね、かくかくしかじかでしてね。」


「…………うわっちゃー。よくまぁ、そんな胸くそ悪い話があったもんだね。500年前と大して変わってないじゃないか。」


「……なんというか、大丈夫なのか?」


「一応蹴りはつけて、もう終わってますからね…ただ、人間不信といいますか、恋妖精なのに未だに未通なのに影響していることは否めませんね。」


「え!?恋妖精なのにおぼこなのかい!?そのわりには夢でけー君を襲おうとしてたのに。」


「夢は実体じゃないから、ということでヤってはいるみたいですよ。連中相手にもそれで色々とやったらしいですし。何て言うんですっけ?耳年増?なんちゃってビッチ?そんな感じなんですよ、あの子は。」


「多分処女ビッチ、それもメンタルだけビッチな特殊なタイプだと思うぞ。あと女性から生々しく話されると、なんというか、男として気まずくなる。」


「さい君の気まずさは置いておいて、何にせよローちゃんに関しては様子見、かな。コーちゃんが保証してくれてるなら大丈夫だろうし。それに、こちらにも今の話からちょっと話を聞かないといけない人物がいるからねぇ。確実とは言えないけど、関係者な気がするんだよね、うちにいる1名が。全く。自分を殺した帝国相手に何を仕込んだんだか、あの呪術士は。」


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