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錬金術師(アルケミスト)の世界革命  作者: 悠々自適
第2章 妖精郷の脳筋(?)妖精
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錬金術師、交渉する

「さて、再会して積もる話もあるだろうけど、それは長くなるだろうし、先にけー君の話を終わらせようか」


ホログラム状態の小梅さんに話を促された。

正直、先に積もる話を済ませてもらってからの方がありがたいんだけどなぁ………こっちの利己的な話とか空気読めてなさすぎて気不味くなるとしか思えないし。


「私の権限でなんとかできる範囲のお願い事なら叶えてあげられるよ?」

「陛下、口調が崩れてるッスよ」

「……んんっ。私の、妖精女王として扱える範囲のことでしたら、お応えいたしますよ。このように再会をさせていただけたのですから。」


コルド・ティターニアさんはにこやかに上品な笑みを浮かべて僕の願いを聞こうと言ってくださった。

彼女のことを知らなかったら、物凄く恐縮するのだが、平塚才人さんとの再会場面やそれによる気の緩みで口調が砕けたところ、加えて平塚才人さんの記憶の追体験をした身としては、敬意こそあれど、可愛らしい方としか思えなかった。


それはさておき、こう言われてしまっては言わないわけにはいかない。

確か球磨川が「身分の高い人がこっちの要求を聞かせろという要求ほど面倒なものはない」って言ってたなぁ。要求を聞くが応えるとは言ってないし、場合によってはそれを理由に手打ちにするパターンもあるから厄ネタなんだったかな。今回は一応ちゃんと応えると言われてるからセーフかな?

あー、そうか、わかった。応えるとまで言っている場合でも、こちらの要求からこちら側の懐具合や企みといった事情を考察する種にできるのか。くそぉ、本当に前田と球磨川がいないと本当に交渉系はダメダメだなぁ、僕。間違いなく自滅しかねない。

どう言えば機嫌を損なわせることなく、魔法魔術を教えてもらえる?うーん………


「……あのー、何をそんなに悩まれているのでしょうか?」

「気にしないでいいよ、大丈夫大丈夫。権力者からの「なんでも聞こう」って言われて、ただ不信状態に陥っているだけだよ。多分、中二病こじらせて高二病に転じた日本人なら誰しもこうなるんじゃない?」


小梅さんが何か言って、横で平塚才人さんも頷いているようだ。

考えていて、話を聞いてなかったが、何か風評被害を受けた気がする。


「チューニ病にコーニ病は文献でしか知りませんので、なんとも言えませんが、それがどうしてそうなるのですか?わざわざ上の立場の方が何でも聞こうって言ってくださっているんですよね?それに何を悩む必要が?」

「あー、そうか。紺は俺の孫娘である前に、妖狐族の族長娘で、族長代理になり得るポジションだった。だから、目上の人からの要求による目下側の困惑はわかりにくいんじゃないか?紅も生まれながらにして族長の一族だったから、似たようなことあったし。」

「「「「妖狐族の族長の娘!?」」」」

「ん?あれ?言ってなかったか?もしかして言わない方がよかったか?あ、またついさっき復活したのに1人気絶しちゃったよ。」


僕が悩んでいるなか、とても回りは騒がしい。

何があったかはわからないけど、また気絶なさっちゃってるよ。


「えっと、黒金さん?裏は何もないですからね?そんな、私は物語にいる雑魚みたいな悪徳貴族や自業自得駄女神じゃなく、清く正しい清純系女王陛下ですからね?」

「それは怪しいと思うッスよ、陛下。陛下が清純なら、うちの国には黒い人が、少なくとも()が、って冷たッ!?ちょ、陛下!?凍傷を普通に負わせないようにしないで欲しいッスよ!?」

「あら?貴女が余計なことをいいかけたからお仕置きしただけよ、私のかわいい子。」


悩む僕に実にいい笑顔でコルド・ティターニアさんが、どこから仕入れたんだ、という言葉 ――いや、まぁ、多分吸血鬼公国におられるであろうゴミ拾いさんからの知識なんだろうけど―― と共に余計なことを言いかけたロクサーヌ・アスモデウスさんに冷気を放っていた。

ただ、何か一瞬違和感があったような……まぁ、気にしても仕方がないか。


「では、恥ずかしながら、魔術や魔法を実戦で教えてください。」

「え?そんなことでいいんですか?金銀財宝も人間なら20年は生きていける程度なら出せるけど?」

「陛下、口調口調。また動揺してるッスよ。」


ようやく恥ずかしながら頼んでみると、ポカーンとした顔で驚かれてしまった。口調が昔の頃になっている辺り、素である。

期末テスト前なのでまーたしばらく更新できません

いつ安定して更新できるようになるんですかね、私

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