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錬金術師(アルケミスト)の世界革命  作者: 悠々自適
第1章 隠れ里の孫娘
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錬金術師、神秘と遭遇する


謎を解決しようとした結果、ますます深まってしまったあと、僕は汗を流すために敷地内の温泉へ歩いていた。

しっかし、タウロスオーガを相手にした時に運痴のはずの僕が動けたことにもっと疑問を持つべきだったかなぁ。あのときは高町なずなさんを助けることで頭が一杯だったから、そこまで考えが至ってなかったのが敗因か……


「紺さん、いますか?」


先に温泉へ行った紺さんがいないか確認のために声をかける。

温泉ということで忘れがちだが、ここは紫さん達が住む館であって旅館ではない。

当然、男女別れているわけがなくラッキースケベが起きないよう僕は細心の注意を払っているのだ。

そりゃ、思春期の男子としてはラッキースケベは経験したいけど、僕は高町なずなさん一筋と決めているので、紳士的な存在になるべきと心掛けているのだ。


さてと。返事はないし、脱衣場に服もないから紺さんはいないっぽいので、汗を流しにいきますかね。

そして扉を開けて、とんでもないものを見て、僕は硬直してしまった。


目の前には目を瞑り、湯船に浮かぶ推定E以上のおっぱ……じゃない、紺さんがいたのである。

湯船にタオルをつけないというマナーを守ってか、隠すことなく上も下も丸見えな神秘がそこにはあったのである。

こう、あれだ……すごい。生の三次元女体とはこれほど神秘的だったとは……


はっ!!


「いやいやいやいや、よし待て落ち着こう。

返事がなかったし、衣服類は脱衣場に残っていなかったはずだ。

なのに何故かこんな状況に……

いや、そんなことよりも、これは意識を失っている危険性もあるから、早急な起こさないといけないわけで、下心を持ってはいけない。

そもそも、僕は紳士だ。

紳士なら全裸の女性が意識なく浮かんでいるのを見れば、性欲なんてでてくるはずがない。

というわけで、鎮まれ、マイジュニア。

あとどうすればいいのさ、これ!?」


落ち着こうとはするけれども、視線がプカプカと浮かぶ素晴らしいものに引き寄せられる。

脂肪は浮くとは聞いていたが、流石に半端ないな、迫力が……

万乳引力とはよく言ったものだ。

むしろ引き寄せられない男性は間違いなく男色家に違いない。(確信


「…ん……」


そんな感じでまじまじと見ながらテンパっていると、紺さんが目を覚ましてしまった。

よかった。気絶してたとかじゃなくて寝てただけか。そしてヤバい。こんな状況を見られたら、確実に殺される。


「……んっ…寝てた……んあ………!?…………!!」


寝惚け眼でこちらをしばらく見てから、ハッとした表情を浮かべる紺さん。

あ、死んだ、これ。

そう確信した瞬間、僕は目の前で火の玉がはじけるのを見たのを最後に、体を浮遊感が覆って意識を失った。


――――――――――――


目を覚ますと最初に僕が通され、今は僕が使用している客間の天井が見えた。


「……ちっ。起きたみたいですね。」


舌打ちが聞こえたのでふと横を見ると紺さんが正座していた。


「………もしかしてずっと看ててくれたの?」

「えぇ。忌々しいですが、母様や師匠から言われたので仕方なく看てましたよ。」


うわぁ…すっごい嫌そう。

いや、まぁ、確かに大人達によって嫌なのに結婚させられそうになっている上、自分の裸を見てきた男を介抱するとか嫌だよね、うん。

というか、よく僕死ななかったな。確実に死んだと思ったのに。


「忌々しいと言えば、よく私のあの咄嗟の狐火を魔力で防ぎましたね。

殺す気だったのに、忌々しい。」

「ちょっと!?」


やっぱり殺されかけてた!?

というか魔力による防御?


「魔力による防御なんてしたつもりはないんだけど…」

「無意識ですか、嫌味ですか、そうですか。

私の殺すつもりだった狐火をとるに足らないと仰りますか。」

「うぇっ!?いや、ちょっ、まったくそんなつもりないんだけど!?」


ものすごく不機嫌そうな声で今にもまた爆発を起こしそうなぐらい睨まれた。

紺さん、僕を嫌いすぎじゃない、これ!?


「……右目」

「右目?」

「あなたの右目はカガチヒュドラの目なのでしょう?師匠から聞きました。

多分、忌々しいですが、それが咄嗟に周囲の魔力を集めて防御壁を作ったんじゃないですか?」


そう言われて僕は思わず右目に触れた。

何それ怖い。この右目、ただ魔力が見えるだけじゃなく、勝手に自動防御とかまでするの!?魔眼じゃん、それ。

片眼が魔眼で片腕は仕込みまくられている義手で白髪の創造チートとか中二病まっしぐらじゃんか!!ぐわぁぁぁぁ!!


「何を急に絶望的な表情を浮かべて頭を抱えられているのですか?」

「いや、ごめん、ちょっと待って。精神のバランスが若干崩れたから、建て直させて。」


落ち着け、落ち着け。

前田を見てみろ。「世の中の人間など恐るる足らず!!全て騙してやろう!!」とか中二病全開なことを言ってたじゃないか。

それよりはマシだ。僕の場合は生きるために必要だったんだから、中二病じゃない。セーフ!!

………よし、落ち着いた。


「ごめん、落ち着いた。

で、僕の右目のことを聞いたみたいだけど、それでも戦わなきゃダメなの?」

「えぇ。神代の魔物を倒したとはいえ、私はそれよりも上の存在である【天狐】ですよ?

なぜ恐れる必要がありますか?」


自信満々に答える紺さん。

すごいのは、本気でそう思い、そして自分に誇りを持っていることが伝わってくることだ。


「なんというか、本気ですごいな。自分にそこまでの自信を持てるって。憧れるよ。」

「!?」

「あっ!!」


思わず口から思ったことが出てしまったら、紺さんは一瞬で顔を赤らめ、硬直してしまった。

いや、多分僕も同じように顔を赤くしていると思う。

ヤバい、超恥ずかしい!!なんでポロっと憧れるとか言っちゃったかなぁ!!


「ななななななな何を急に言うんですか!?

なんですか、口説いているのですか?お断りしますよ!?」

「いや、ちがっ!!いや、違わないけど違うから!!ただ口からポロっと出ちゃっただけだから!!」


お互いがバタバタと手を動かしてテンパってしまう。

ぐわぁぁぁぁ!!マジ恥ずかしい!!中二病チックな姿であることに気付いてしまったとき以上に恥ずかしい!!恥ずか死ぬ!!


そんな感じでお互いが落ち着くまで約5分はかかった。





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