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錬金術師(アルケミスト)の世界革命  作者: 悠々自適
プロローグ いざ、異世界に
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1クラス、役職と異能を知る


「うむ。この世界では天より授かった素質を『役職』と呼び、それに応じた力を持つ。

例えば私は『首領』と呼ばれる王族として正統な役職である。

我が愛娘のベリルは王族の証である『共有者』という役職である。

また、怨敵である魔族共も役職を有しておると聞く。」


「つまり、産まれたときから既に道が決まっていると?」


「い、いや、け、決して、そ、そのようなことはない。

私もかつてはベリル同様『共有者』であったが、王位継承により変化したのである。

役職とは素質を表したものであり、変成もすれば不変でもあるものなのである」


一瞬、不機嫌そうな声を出した女帝に睨まれたのかヘンリー8世の声が震えたが、気合いで何とか堪えて返答したようだ。

かんばれ、王様。


「次は異能だが、これについては詳しくはわからん。

ただ、かつての勇者達の情報によれば、

『どんな武器でも使いこなすもの』

『魔法の力を強めるもの』

『道理を覆すもの』

など、奇跡の力と評されておる。

この力は異世界より来る勇者達にしか発現しないようで、自分達が最も能力を理解できるそうだ。

これら2つは天からの授かり物故、ステータスカードと呼ばれる身分証にも自動記載されず、その人物からの自己申告でしか情報がないため、詳しくはわからんのだ」


あー、つまり自分で意識して理解しないといけないわけか。

ヘンリー8世の発言を受けて、クラスメイト達は半信半疑で意識し始める。


すると次第に、

「【門番】?守りに特化した兵士らしいな」

「【暗殺者】……って、これ、大丈夫なのか?」

「【魔法使い】キター!!これ、あれじゃね!?俺無双始まる系な?」

と騒がしくなる。


そして極めつけは、


「【指導者】……民草を守り導く伝説の勇者の証、ってあるんだが……」


織斑の発言でクラスメイトだけでなく、

「なんと!!大天使様は我らに勇者達の中の勇者を授けてくださったのか!!」

「まさか、あのような青年が……」

「しかし真っ先に我らを助けると言った態度、まさに勇者であると……」

と異世界の人々も驚愕している。


そんなにすごいのか、『指導者』っていうのは。

(この時はいまいちわかっていなかったが、僕の役職の能力で後に調べたところ、

この世界で主に信仰されている大天使教に伝わる伝承の中で、500年前にあった『魂を見透かす魔王』との戦いに召喚された勇者達の1人が【指導者】であり、魔王を自らの命と引き換えに倒したらしい、英雄の役職もとい称号なのだそうだ。)


ただ、あの役職が僕みたいに地味でどちらかというとクラスの空気とも言える人物がなっていたら、驚愕よりも妬みや落胆が起きるだろうけど。

つまり、『※ただしイケメンに限る』というのと、彼の人望で不平不満がない――


「彼が勇者とは世も末ね。」


――こともなかった。


幼馴染みであるが、何があったかは知らないが、クラス唯一、真正面から常々態度に出るほどのアンチ織斑な女帝・雪風野分は忌々しそうに小声で呟いていた。


よく見れば、リア充め、といつも憎々し気に話している球磨川も目を細めて、うわぁ、という表情で引いている。


そんな女帝と友人を見なかったことにして、僕も意識し始める。



――――――――――――


ん?なんだろうか、さっきまでいたところだっていうのはわかるのに、意識だけ違う世界にいる感じだ。

そんなことを思っているとどこからかテノールな男性の声が聞こえてきた。


『異世界より来たりし勇者よ。

[汝の素質は想像し創造すること]

汝には役職【錬金術師】を授けん』


………ん?なんか一瞬女性の声に変わった、というか何か覆い被せるような声が……


――――――――――――


疑問に思った瞬間、ハッとなり、気づけばさっきまでのところに意識も戻っていた。


なんだったんだろう、今の。

トリップってやつか?


そんなことを思いつつ、僕は今の謎の出来事で習得した、自分の役職と異能を調べてみることにした。



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