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錬金術師(アルケミスト)の世界革命  作者: 悠々自適
プロローグ いざ、異世界に
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錬金術師、真実を知る その弍


「じゃあ始めるわよ、‘特別授業’。

私は真宵ヶ関中学3年2組の霧家響(キリヤヒビキ)

役職は【探偵】。異能は……まぁ、言わなくてもいいわね。どうしたって貴方は使うことができないんだから。

あとは、そうね…この中の誰よりも罪深い存在よ。」


薄紫色の長髪を持つ彼女、霧家響さんの話はそんな自嘲から始まった。


「罪深い存在?」


「えぇ。私がこの中で一番、あの忌々しい天使達の懐にいたのよ。苗桐君と一緒にね。」


僕の問いかけに霧家響さんは憎そうな、そして悔しそうな表情を浮かべて答えてきた。

それにしても忌々しい天使達、か……あれ?なんだか最近出会った人からよく聞いている気が……


「どうして皆さん天使を忌々しいと呼ぶんですか?」


その瞬間、教室の空気が一気に殺気だった。中学以来のその空気に思わず僕はたじろいでしまった。

え、何?何かヤバいところ踏み抜いた?地雷踏み抜いて処理するのは前田の仕事なんだけど。

そんななか、霧家響さんは殺気だった空気を誤魔化すように咳払いをし、


「……これからそれについて話すわ。

スライドショー始めてちょうだい。」


と平然と続け始めた。

意外と図太いというか、なんというか……

そんな感想を抱いていると、スクリーンに『天使達の真実』と文字が表示された。


「さて。まずは単刀直入に天使達の実態についてから話させてもらうわ。

ずばり、天使達は自分達の罪を他者に擦り付け、人々を支配しているからよ。」


「罪を擦り付け、支配している?」



「えぇ。

かつて、この世界には4女神と呼ばれていた、


『祝福と幸福、そして試練を司る大地の女神【豊穣神】ヨシフィーノ』


『戦争と娯楽、そして食事を司る武の女神【雷神】トーカリオン』


『踊りと情熱、そして病を司る愛の女神【風神】ユヅカグ』


『生と死、そして輪廻転生を司る炎の女神【常世神】コットリオン』


が主神として人々に多く信奉されていました。


しかしある日、邪神キョーザと邪神ヤトノカミが自分達を信奉する十魔王率いる魔族を引き連れ、世界を乗っ取るために4女神を殺害しました。


それぞれの神に仕えていた天使達は、これに抵抗し、邪神キョーザを封印することに成功しましたが、邪神ヤトノカミ及び十魔王達魔族には逃げられてしまいました。


天使達は、女神達の仇をとるために勇者召喚をベビルベリー王国にさせ、呼び出された勇者達に力を授け、女神を殺めた十魔王を勇者達は命と引き換えに倒しました。

しかし、十魔王の一人であり、邪神ヤトノカミだけは倒すことができず、弱体化させ、東の地に封印されました。


というのが一般的に知られている話ね。

天使教の話でもそういう風に今でも伝わっているんじゃないかしら?」



スライドショーで絵や文字を写しながら、大まかな500年前の歴史について語られた。

その辺は僕の知識にもある話だから有名である。


だけど、調べていて生じた違和感、あの明らかに地球を知っている仙人との出会い、そしてここまでの出会いや説明で僕は確信こそ無いけど、何かとてつもなく嫌な予感を覚えた。


それを見透かすようにスライドショーには大きくこんな文字が映し出された。




‘ 嘘 ’




と。


……え、いや、ちょっと待って。


「嘘ってどういうこと!?」


思わず僕は声をあげてしまった。

え、どういうこと?

なんで嘘なんて言葉が出てきたの?


僕は軽くパニックを起こしたが、霧家響さんは気にすることなく話を続けた。


「そもそも前提がおかしいのよ。

十魔王率いる魔族が4女神を殺めた、ってあるけど、十魔王の内、4人は私達のクラスメイトで、残りの6人も平塚君達があの日逃げてくれてから各地で知り合った人達よ。

特に『女神に最も近い魔王』こと平塚紅さんは平塚君と知り合ってから、『神を殺した邪神の魔王』こと夜刀神ハヤト君は平塚君達を殺すために産み出され、殴り合いの末、こっちの世界で‘同級生’ということになったほどの人達なのよ?

さぁ、ここまで言えばわかるわよね?」


霧家響さんは試すように尋ねてきた。

僕はというと、その情報によって、矛盾に気付き、そしてあり得ない予想に辿り着き、顔から血の気が引いていた。

それを見て満足したような表情を浮かべ、霧家響さんは話を続けた。


「そう。

どう考えても『十魔王』が率いて4女神を殺めるなんて不可能なのよ。

何せ召喚された勇者達の中に十魔王の内の4人、

『魂を見透かす魔王』平塚才人


『宵闇の支配者たる魔王』セレア・バラライカ・山田


『無貌の魔王』高町倫太郎(タカマチ リンタロウ)


『問いかける魔王』児玉仁(コダマ ヒトシ)

がいるのだもの。

十魔王に殺された女神の仇を倒すために召喚された勇者の中に十魔王と呼ばれる人物がいるとか、時系列がむちゃくちゃよね?

じゃあいったい、誰が4女神を殺めたのか?

ここまで行けば、もう予想は立っているんじゃないかしら?」


その問いかけに僕は恐ろしく乾いた喉を開けて、震える声で考え付いた、いや考え付いてしまった、もしもそれが正しい場合、かなりヤバい答えを発した。


――天使、と。





誤字脱字ございましたらお気軽にご連絡ください。

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