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文化祭前夜、騒がしい教室で

八神「て、事で.....」

八神「今日は俺達だけの前夜祭じゃーい!!!」

クラス「いええええい!!!」

今日は前夜祭だ

といっても.....

この学校に前夜祭なんてイベントはない

前日リハーサルのため帰りが遅くなるという名目で夜まで残っている

その実態はリハーサルと言ってもどんちゃん騒ぎの準備期間お疲れ様会なのだが...

教師陣も前日くらい目をつぶってくれ、黙認している

そのため担任も「あまり遅くなりすぎるなよー」とだけ言い、職員室に戻っていった

合法なのか違法なのかギリギリのグレーなイベントがこの前夜祭だった

八神「それではそれでは!」

八神「みなさんお手元に飲み物はありますね!」

八神「では!」

八神「2ヶ月間みんな本当にお疲れ!」

八神「かんぱーい!!」

八神が飲み物を掲げ、乾杯をし

それに続きクラスメイトも...

クラス「かんぱーい!!」

と声をあげた

そうして僕達の前夜祭は幕を開けた


僕達はみんなで買ったお菓子や飲み物を広げて、この2ヶ月間の思い出話に花を咲かせていた

僕が窓の外を眺めて一人で飲み物を飲んでいる所に...

ネル「この2ヶ月間本当に色々あったよねー」

ネルは僕の隣にまで歩いてきてそんな事を言ってきた

零「ん?あぁ、そうだな」

零「本当に疲れた...」

零「クラスで働いて、終わったら生徒会行って働いて...」

ネル「しかも私達ステージ任されてるからねー」

ネル「備品購入、各出し物のステージ使用時間確認、機材確認、流れ確認...」

零「あぁ、もうやめろやめろ」

零「思い出すだけで頭が痛くなる」

ネル「ハハッごめんごめん」

ネル「でも本当に忙しすぎてこの2ヶ月間一瞬だったねー」

零「本当にぶっ倒れるかと思ったわ」

この2ヶ月間一が何か仕掛けてくるという事はなかった

諦めたか打つ手がなくなったのか...

文化祭、あいつが喋るターンは生徒会企画の司会だけだ

......皮肉な事に僕はあいつの兄だから分かるが、あいつは周りを巻き込んでまで自分の目的を達成するような奴じゃない

つまり、生徒会企画の司会そっちのけで僕の過去をバラす、なんて事はしないだろう

あいつの攻撃を回避できた今、僕は無事に文化祭を終える事ができる

その後の事は分からないが、後になったら考えたらいい

ひとまず僕は、この文化祭を楽しめるのだ


パーティーもひと段落ついた所で

八神が声をあげた

八神「パーティーもひと段落ついたという事で、次は....」

八神「みんなお楽しみのお化け屋敷のリハーサルじゃい!!」

クラス「いええええい!!!」

零「......」

僕はこれにあまり乗り気ではなかった

なぜなら...

八神「もう一度ルール説明をすると」

八神「まず文化祭当日の午前組と午後組の幽霊役に別れる」

八神「そして、午前組がまずお化け役としてお化け屋敷に入って午後組がお客さんとして入る、午後組の人が全員回ったらチェンジ」

八神「そしてもう一つのルール...」

八神「このお化け屋敷はくじで決まった男女ペアで回ってもらいます!!!」

八神「もしかしたら吊り橋効果でカップル成立とかもー!?」

男子生徒「ふぅーー!!!」

.....これなのだ

時間が経てば大抵の事は時間が解決してくれる

そのため2ヶ月前の一の発言も忘れ去られつつあり、僕のクラスでの孤立も日に日になくなっていった

しかし...

男女二人きりとなれば話は別だ

普通に気まずいだろうし何より....

相手は僕の事を意識して、一の発言を思い出すだろう

それが嫌で嫌で仕方がなかった

八神「じゃあまず、くじ配る前に午前組と午後組で別れてくれー」

八神「あ、」

八神「前も言ったけどネルと零は生徒会で忙しいだろうから不参加ね」

八神「午前組でも午後組でもない第三グループ!!」

八神「まぁ、くじは午前組と一緒に渡して午前組と回ってもらいけどね」

零「悪い......ありがとう」

そう、僕達は今回ネルと僕でステージを担当するため当日体育館から一切離れられない

そのため今回の文化祭はクラスの出し物の準備はできるが当日は手伝いができない

ステージ担当になったからにはネルと一緒に文化祭を回る約束も守れないと思ったが....

そうはならなかった

あれはある日の生徒会


零「あ、そういえばネル」

ネル「?」

僕は隣で一緒に仕事していたネルに声をかけた

零「僕達文化祭当日体育館から離れないだろ?」

ネル「まぁ、そうだね」

零「だからさ....」

僕は言うのを躊躇った

しかし当日までに言う事からは逃げられないため僕は言った

零「文化祭回る約束なしにしてくれないか?」

ネル「え.....」

ネルは数秒固まり

ネル「そ、そうだよね!」

ネル「私の方こそ無理言ってごめんね?」

零「.....いや大丈夫だ」


ルル「......」

私はその会話を聞いていた

まぁ聞いていたというよりは隣にいたため聞こえてしまったの方が正しいが...

はぁ...神谷、お前は女心というものを全く分かっていない....

ネルが勇気を出して誘った申し出を断って何も思わなかったのか?

お前はネルの今の表情を見て何も思わなかったのか?

ルル「なぁ、お前達」

私は思わず声をかけてしまっていた

零・ネル「?」

ルル「文化祭の時間を全て生徒会の仕事に費やしていいと思ってるのか?」

零「.....と、いうと?」

ルル「文化祭の1日目のステージ担当は私がやってやると言っているんだ」

零「!?!?」

神谷は目を見開きこちらを見てきた

零「でっでも!それじゃルルさんが二つ仕事を.....」

ルル「正直ステージ担当なんて準備が大変なだけで、当日はただ喋るだけだ」

ルル「だから、準備はお前達に任せる、ただシナリオさえ渡してくれれば当日は私がやる」

零「で、でもこの仕事は僕がやりたいって言った仕事て....」

ピキッ

私は内心キレていた

この察しが悪すぎる男に

ルル「なぁ神谷....」

ルル「一回病院行くか?私はそろそろ何か病気を疑ってきたぞ」

零「.....え?」

ルル「私はな、正直な事を言ってしまえばお前達が文化祭を楽しむかどうかなんてどうでもいい」

ルル「生徒会長としてはお前のその判断を評価してやりたいぐらいだ」

ルル「ただな....」

ルル「姉としての私がそれを許さないんだよ...」

ルル「お前は知らないだろうけどな」

ルル「ネルはこのイベントをものすごく楽しみにしてたんだよ」

ルル「家でも勇気を出して誘った事、神谷と一緒に回れる事をすごく嬉しそうに話してきた」

ネル「ちょっ!お姉ちゃん!!」

ルル「お前はそんな女の子との約束を断って、さらには自分の所に落ちてきたチャンスも棒にふる?」

ルル「ふざけるな....」

零「......」

ルル「生徒会がそんなに大事か?」

ルル「生徒会長の私が言ってやろう...」

ルル「生徒会の仕事なんかじゃ、女の子の顔を曇らせる理由になんてならない」

ルル「お前は確かに生徒会メンバーとしては満点の行動をしてるよ」

ルル「ただな...」

ルル「一人の男、いや一人の人間としてはゴミも同然の行動をしている」

ルル「これ以上ネルを悲しませるな....」

零「......」

私は一度大きく息を吸い

ルル「....もう一度だけ聞く」

ルル「仕事変わってやるが、どうする?」

零「...おねがい...します...」

私はようやく笑みを浮かべ

ルル「あぁ、それでこそ神谷だ」

ルル「悪かったな、圧かけて」

ルル「ただ...」

ルル「仕事変わってやるんだ、文化祭ちゃんとネルを楽しませろよ?」

ようやく神谷は男らしい表情を浮かべ

零「はいっ!」

と、そう返してくるのだった


こんな事があり、僕はネルと文化祭を回れる事になった

クラスは手伝わないのに遊んでいいのかと八神に聞いた所

「え?全然いいよ?逆にごめんな、生徒会忙しいのに気遣わせて、全然こっちの事は気にしないで楽しんでこい!」

と言われ、心底こいつが友達で良かったと思った


八神「じゃ、くじ配ってくぞー」

八神のそんな言葉で僕の思考は打ち切られ、現実世界に引き戻された

八神「はいこれ、はいこれ、はいこれー」

八神は配っていき、やがて僕の目の前に立った

八神「はい!零あげる!」

零「あぁ、ありがとう」

そうして僕はそのくじを受け取り...

ん?

違和感を感じた

そのくじは割り箸で男子なら青、女子なら赤色で割り箸に色が塗られており、割り箸の先に1〜8の番号が書かれている

男女で同じ番号の人がペアで、このクラスは33人、八神は運営役で抜けているため、8✖️2を午前組と午後組の2セットで32人16ペアでお化け屋敷を回るという仕組みだった

そうして僕は8という数字を引いたのだが...

零「すまん割り箸見せてくれないか?」

僕はすぐ近くにいた男子生徒に声をかけた

男子生徒「え?あぁ、いいけど...」

男子生徒に割り箸を見せてもらい...

......やっぱそうか

零「ごめん、ありがと!」

僕は確認してクレームをいれようとした所で....

八神「じゃあ午前組の1番から前の席に詰めて座っていってー」

八神「隣にいる人が今回のペアね」

僕は指示が出たためひとまず指示にしたがうと

そこには...

ネル「あれ零?」

ネル「こんな偶然ってあるんだね!!」

そこにはネルがいた

しかし僕は喜ぶでもなく...

零「...ネル、ちょっと割り箸見せてくれないか」

ネル「?はい」

ネルに割り箸を見せてもらうと

零「やっぱそういうカラクリか...」

ネル「ん?どうかした?」

零「お前は僕達がペアになるなんて本当にあると思ってるのか?」

ネル「?あるから今ここにいるんでしょ?」

零「見てみろ、この割り箸」

僕はそう言ってネルに二つの割り箸を見せてやった

ネル「!?こ、これは....」

零「あぁ」

零「八神の奴マーキングしてやがった....」

先程確認した男子生徒には何もなかったにも関わらず8番にだけ自然につくようなものじゃない、故意的につけられたような傷があった

ネル「ハハッ」

ネル「まぁいいじゃん?私達がペアになって損があるわけでもないんだし」

零「まぁ、そうだが....」

ネル「むしろ、零は私がペアで良かったとすら思ってるんじゃない??」

零「まぁ....他の女子と回っても気まずいだけだしな...」

ネル「でしょ???だから逆にマーキングしてくれて感謝だよ!!」

零「それも...そうだな....」

八神「じゃ、全員席ついたな」

八神「て、事で...」

八神「リハーサル始めるよ!!!」


第十九話 終了

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