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仲違い

僕達はすぐ近くの空き教室に入り

一が壁に寄りかかり僕が上から見下ろす形で話が始まった

零「で?話ってなんだよ?」

一「おぉ、怖い怖い」

一「まるで人が変わったみたいだね」

零「.......」

零「誰もいないんだからお前もその気持ち悪い敬語やめろよ」

一「....それもそうだな」

一「本当に久しいな」

一「クソ兄貴」

零「......」

あぁそうだ...

一は何も変わっていない

一という人間は本来こういう人間なのだ

一「お前をマネしてみたんだよ」

一「裏では汚い心を持っていようが、表では良い顔で人と接する」

一「これ誰からも反感買わなくていいな」

一「前の学校はお前の過去を知らないくせして空気読めないって俺を責める奴ばっかだったからな笑」

零「.....御託はいい」

零「お前は結局何が言いたいんだよ?」

一「俺は宣言しに来ただけだ」

零「宣言?」

一「言ったよな俺?」

一「<お前から全てを奪ってやる>ってな」

零「っっ!!」

そうだ僕は前の学校で一に生徒会長の座を奪われた

さらには学校の居場所までをも奪われた

一「転校したら俺から逃げられるとでも思ったか?」

零「......」

一「逃すわけねーだろ笑」

一「お前は俺から全てを奪ったんだ、償わせるに決まってるだろ」

一「一生な」

零「っっ!!」

僕は気づけば一の胸ぐらに掴みかかっており...

拳を振り上げた

一「ハハッなんも変わってねーな笑」

一「お前は昔も今も、気に食わない事があったらすぐに拳に頼る」

一「そろそろ変わったらどうだ?クソ兄貴」

零「......」

僕は一の胸ぐらを離した

一に煽られたから?

違う....

ネルやひよりさんが言っていたあの言葉が脳裏に浮かんだ

<私は今の零が好きだから!>

.......

想像しちゃったんだ....

ネル達が今の僕を見た時、どう思われるのか...

僕は昔と変わってない所が見られたら僕は....

僕は——

一「....本当に平和ボケしたみたいだな」

一「一人称も俺から僕に変わってるし」

一「理性を保って拳を下ろす、か」

一「更生でもしたか?」

零「......」

一「まぁ、俺には関係ねーけどな」

一「今のお前がどうだろうと過去は変わんねー」

一「俺はお前から全てを奪ってやる」

一「覚えておけ」

ガラガラガラガラ

それだけ言って一は教室から出て行った

そのため僕がここにいる意味もなくなったため僕も教室から出るのだった


僕は廊下を歩いていると...

???「......零?」

零「........」

今一番聞きたくない声が廊下に響いた

恐る恐る後ろを振り返ると...

ネル「大丈夫?」

そこにはこちらを心配そうに覗き込んでくるネルの姿があった

零「....何が?」

ネル「ほら....一君のこと」

幸か不幸か、昔の本心を隠して表向きはいい顔をする癖が抜けきっていないらしく

僕は咄嗟に嘘をついた

零「なんだそんな事か笑」

零「別に過去の事だから気にしてないしー」

ネル「で、でも今一君と...」

見られてたのか...

零「ただの昔の思い出話だよ」

零「考えすぎ!」

零「せっかくの文化祭準備期間なんだからそんなしみったれた話はおしまい!」

ネル「....分かった」

そして僕達は二人で帰路についた


僕達は次の日の昼休み

体育館に呼び出されていた

一の生徒会あいさつがあるからだ

なので僕達は呼ばれたと言っても、マイク設定などの裏方な訳だが...

そんな中...

ルル「あぁ、マイクチェックマイクチェック」

ルル「よし、大丈夫そうだな」

ルル「それではこれより、生徒会に新加入した神谷一よる生徒会あいさつです。」

ルル「ではよろしくお願いします」

一はルルさんからマイクをもらい

話し始めた

一「ご紹介に預かりました」

一「この度会計次長として生徒会に加わる事になりました神谷一です」

一「いやはや何から話せばいいのかわからないですが笑」

一「まぁ、一年生で生徒会に入った理由から話そうと思います」

そうして一は入った理由から趣味、特技など軽い自己紹介をした

一「ではこれで自己紹介を終えたいと思います!」

その瞬間

パチパチパチパチ!

体育館は盛大な拍手に包まれ

ルル「神谷一さんありが——」

一「あ!最後に大事な事を言い忘れてました!」

一はルルさんが喋ってるにも関わらず話を遮り話し始めた

ルル「?」

生徒は拍手をやめ聞く体勢に入る

一「私の苗字は神谷です」

一「みなさんこの苗字に聞き覚えはありませんか?」

生徒はザワザワと声をあげて...

一「そうです!現生徒会で広報を担当している神谷零です!」

一「神谷零は僕の実の兄です!」

生徒からへぇー!や兄弟で生徒会やってるんだ!など驚きの声が上がっていた

一「....そして」

しかし一はそこで話を終わらせず

言葉を続けた

一「過去に取り返しのつかない事をし、僕の人生を壊した張本人です」

体育館の空気は凍りついていた

零「なっ!?」

裏方としてステージの裏にいた僕は思わず驚愕の声をあげた

零「一....お前っ!!」

一「では、これにて僕のスピーチを終わります!」

一はニコッと生徒に笑いかけスピーチを締めくくった

しかし体育館から拍手なんて起こるわけなく...

ルル「....では生徒会あいさつをこれで終わります」

ルル「各クラス学級委員長の指示に従って退室をしてください」

ルルさんがそう言った事によってやっと体育館に動きが見られた

零「......」

そうして生徒会あいさつは幕を閉じた


そうして昼休みが終わり教室に戻ると...

生きた心地がしなかった...

クラスの大半から変な目で見られ居場所がなかった

八神「お前って弟いたんだな!」

後ろの席の八神が話しかけてきた

零「え?あ、あぁ」

八神「いやーびっくりしたわ!!」

八神「なんかいじり慣れてると思ったら弟いたのか!」

八神「ああやって弟もいじったりしてたのかー??」

零「あぁ.....そうかもな....」

八神「.....」

ごめん八神...お前の気遣い、上手く応えらんねーや

八神「もう五限目始まるな」

八神「準備するか」

零「あぁ....」


時は流れ放課後

僕はとある所に足を運んでいた

零「ここは風が気持ちいいなぁ」

そう僕が足を運んだ場所は

屋上だ

僕は屋上に一つだけあるベンチに腰をかけていた

なんでかなんて僕にもわからない

ただ、生徒会に行きたくなかった

誰にも会いたくなかった、一人になりたかった

屋上は本来禁止であるため生徒はここには来ない

僕は先生に生徒会の仕事で屋上に用事があるから鍵を貸してくださいと嘘をついて鍵を貸してもらった

零「......」

なんでこうなっちまったんだろうなぁ

僕が1人感傷に浸っていると...

???「なんでここは立ち入り禁止エリアのはずなのに人がいるのかな???」

???「それも本当なら今生徒会に出てなきゃいけない神谷零君がさー」

あぁ本当に...

なんでお前は僕を1人にさせてくれないんだ...

ネル!!!

ネル「ねえ?私言ったよねこれからはもっと頼ってってさ」

ネル「零に過去教えてもらった時嬉しかったんだよ??信用されてるんだーってさ」

そう言ってネルは一歩また一歩と僕に近づいてきて..

僕の隣に座ってきた

ネル「それでさ...零...」

ネル「たよってくれないの?」

零「......」

全部を言ってしまいたかった

楽になりたかった

子供の僕が1人で抱え込むにはあまりにも重すぎる過去だった

零「ぁ....」

そうして僕はその出かかった言葉を...

零「え?なんの事??」

飲み込んだ

零「別に困ってないよ?」

零「頼るも何も...」

零「最初から困ってないし??」

零「ただ屋上来たかっただけだよ」

零「ほら、わかったなら帰れ帰れ」

僕はまた仮面を被った

ネル「....なんでまたそうやって....」

零「?」

ネル「なんでまたそうやって嘘をつくのっ!!!」

零「っ!?」

ネル「私はただ頼ってほしかった...」

ネル「私の我儘だって分かってる...」

ネル「私が勝手に零の過去に首を突っ込んでるのも分かってる...」

ネル「それでも嘘をつかれるのは悲しいんだよ...」

ネル「言いたくないならいいんだよ...」

ネル「でもさ....」

ネル「そうやって笑って誤魔化して...周りにも自分にも嘘をつくのはやめてよっ!!!!」

零「ネ、ネル?....」

それは怒りだった

ネルのこんな姿を見るのは初めてかもしれない...

ネル「一つ嘘だって分かったら全部が嘘のように聞こえるんだよ!!!」

ネル「あなたの発言も!!」

ネル「私達の関係も!!!」

零「ちっちが!!」

ネル「.......」

ネル「ごめん....私おかしいよね...」

ネル「帰るね....」

そう言葉を溢し

ネルはフラフラとおぼつかない足取りで屋上を後にした

零「くっくそ!!」

僕は力任せに屋上のフェンスを蹴り上げた

そうして僕達は初めての喧嘩をした

....逆だよ...大事だからこそ言えないんだ...

だってあの過去は———


第十五話 終了

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