0006 鑑定
あれから1日後。私はノーモスさんにお願いして鑑定を受けることになった。
理由としては、鑑定についての本を読んだから。
どうやらこの世界の鑑定は主に勇者の卵を見分けるためと個人の役職適性を調べるためによく使われるみたい。
私も鑑定で適性を調べておきたいし、何よりも私の種族についてもノーモスさんの意見を聞きたい。
今、私は「種族:魔物」と表示されている。これが索知によるものなのか、本当に魔物なのかを知っていたいから、鑑定をお願いした。
そしたら、「もちろん、いいよ」って言ってくれた。
「準備がいるから、そこに座って待っていてくれるかな?」
そういって、書斎にある椅子を指さして、奥の部屋への扉を開ける。
しばらく待った後、手のひらに乗るくらいの大きさの銀色の円い鏡のようなものを持ってきた。
「あの、それは…」
「ああ、これは「魔導鏡」って言うんだけど、これを使うことでも鑑定できるんだよ」
私が反応したのは、私が読んだ本の中に出てきた鑑定用の魔道具とは別の形をしていたからだ。
私が知っている方は「鑑定水晶」という名前で、もう少し大きくて白く光っている。
「大丈夫、少なくとも今知りたがっていることは知れると思うよ」
じゃあまあいいか。
「それじゃあ、この鏡を覗いて」
「こんな感じでしょうか?」
「そうそう、いい感じ」
しばらく覗いていると、鏡の色が濁ってきた。さっきまで私の姿を映していたのが、今は黒い靄のようなものを映している。
しばらくして、ノーモスさんが唐突に声をあげた。
「ふむふむ、鑑定結果が分かったよ」
「えっ、靄しか映っていませんよ?」
「ああ、私には見えるけど鑑定を受けている方には見えないんだ」
へえ、そうなのか。
「さて、鑑定結果だけど…そうだね、まずはステータスから伝えようか」
…少し間があったけど、やっぱり何かあったのだろうか?本当に、魔物として表示されたとか…
「ステータスは、かなり尖っているようだ。HPが普通の人の半分くらいだけど、MPが普通の5倍以上ある。しかもこれからさらに伸びるみたいだね。そして、魔法攻撃もかなり高いみたいだ」
概ね私の索知と同じ結果だけど、そんなに高かったんだ。
「君に合っている役職としては、いわゆる魔法職…それも、魔導士がオススメかな」
実は人の街に行きたい、という話をしていた時から、冒険者になることを勧められていた。
この世界には魔王がいて、定期的に魔王軍を起こして各地を侵略するそうだ。
その時に孤児になってしまった身寄りのない子供たちは冒険者になることが多いらしく、私のような子供が冒険者になっていても違和感はないらしい。
さらに、いろんな依頼で色々な所に行けたり、魔王軍が出た時に人々を守ったりするのも冒険者が人気な理由だとか。
「それも大事だけど、本題に行こう。君の予想通り、君は魔物だ」
やっぱりそうか。分かってはいたけど、ちょっとショック。
そうなったら、街には入れないかもな。
「でも、魔物であるからって深く気にすることもないし、魔物であることを誤魔化せば街に溶け込むことも可能だ」
「その方法って…」
「実は【偽装】というスキルがあるんだ。ちょっと資料を取ってくるね」
3分後、ノーモスさんが「偽装について」という少し怪しげな見た目の本を持ってきてくれた。
「ありがとうございます、本当に」
「いいんだよ、気にしなくても」
にしても、本当にいい人だ。
その3時間後、「偽装について」を読み終わった。
読み終わってもスキルは手に入らなかったから、偽装を索知で調べてみた。
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偽装:
ステータスを偽装し、鑑定結果を書き換えることができる。
偽装する内容を絞るほど効果が上がる。
現在レベルが不足しているため、入手不可。
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そういえば、鑑定もスキルらしいけど、そっちは入手不可のメッセージも出なかった。相性の問題もあるのかな?
まあいいや、そろそろ分体の維持できる時間が切れるし、レベルのことについては明日考えよう。




