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レクシア -de quodam lexicone fabula-  作者: Nekke
第1章 図書館編
3/8

0003 分体

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ノーモス 種族:人類/人間 年齢:18 性別:男

役職:司書 レベル:32

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 この人、誰だろう?

 あ、でも名前出てる。ノーモスさんだ。

 そんなこと思ってたら、私を本棚にしまって、そのまま次の本棚へ…待って、行っちゃダメ!

 表紙パタパタで気づかせるしかない!


 パタパタパタ


 おっ、気づいた。気づいて、多分私を隣の部屋へ運んでる。書斎かな?

 そして、私に何か話しかけて…聞き取れない!

 なんか、メモ機能的なので会話できないかな…

(スキル【索知】を発動しました)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

メモ:

1120ページ以降は誰でも閲覧、書き込みが可能。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 おっ、メモ機能がある。そのページを開いてみよう。

 パラパラパラ


 ノーモスさんもそのことに気付いたみたいで、ペンを取りに行ってる。

 今のうちに、私もここに何か書けないか試してみる。

 よし、ここはこれを…

『de quodam lexicone fabula』

 書けた!どうやら、ペンがなくても書けるみたい。ちなみに意味は、「ある辞書についての物語」。

 あ、戻ってきた。何から聞こうかな…

 お、先に書いてくれるみたいだ。


『私の名前はノーモス。この図書館の司書だ』

『初めまして、レクシアです』

 ちゃんと会話できた!ちなみに、会話は翻訳されるさしい。会話できないとかじゃなくて良かった。


 それじゃあ、重要なことを聞かなきゃな。

『この図書館には、何冊くらい本があるんですか?』

『だいたい1000万冊かな』

 わああああああ!

『でも、そのうち半分は閲覧禁止なんだけどね』

 ぎゃあああああ!






 あの後、気を失っていたらしい。

 MP切れではない、ショックだ。

 急に返事が返って来なくなったわけだから、少し申し訳ないけど、それでも500万冊が読めないというのは、世界的な損失だと思う。


 それはそうとして、この本の姿のままだと確かに嬉しいけど、不便だ。

 そこでノーモスさんに聞いてみることにした。

『文字を見るための目とページをめくるための指と本を探すための足をください』

 少し望みすぎだろうか、いやそんなことはないだろう、きっと。

『そうか、それならちょうどいい本があるよ』

 あ、あるんだ。


 その後、「分体生成について」という本を持ってきてくれた。

 書き写した方がいいかと聞かれたが、手間を取ると申し訳ないから索知で読むことにした。わざわざ聞いてくれるなんて、優しい人だ。



 MPを気にしながらだから時間がかかったけど、なんとか読み終わった。

 内容をまとめると、分体スキルは、自身の分身のようなものを作れるらしい。

 ただし、意識は本体と同一のもの。二つの思考ができるとかではない。そっちは「分身」だそうだ。

 そして何より、読み終わったら【分体】を獲得できた。何故かは分からないけど、習得できたならいいや。


 早速試してみよう。

 【分体】発動!


 …ページの最後の方が増えていっている感覚がする。増えたページは私の元を離れて人の形になっていく。きっと、他の人が見たらある種神秘的に見えていただろう。

 風になびく髪の感触、窓から聞こえてくる鳥のさえずり。懐かしく感じる本の匂い。その全てが戻ってくる。


「やあ、出来たみたいだね」

 紺色の髪に、灰色の優しげな目。司書の服装が似合っている。ノーモスさんだ。

「はい、ありがとうございました。あの、この本の返却は……」

 読み終わったらすぐ返す。気をつけないと、延滞してしまう。延滞は良くない。

「返却は、そこのカウンターにお願い。他に借りたい本はあるかな?」

「特にないので、おすすめの本を教えてください」

「そうか、それなら…「初級魔法大全」とかどうだろうか?」

 そう言って、私の隣にあった本を取り出して、渡してくれた。

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