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レクシア -de quodam lexicone fabula-  作者: Nekke
第2章 ルーメル編
16/21

0015 馬車

投稿遅れました。ごめんなさい。

 窓の外を、景色が流れていく。

 低い振動が足元から伝わり、規則正しく体を揺らす。


 がたん、ことん。

 がたん、ことん。


 知らない街へ向かう、その高揚感に逆らって、電車の揺れは、私を眠りに落とそうとする。まるで、悪魔がこそこそと囁いているかのようだ。

 あの人と、何を話すともなく、ただ過ぎる景色を眺めているのか、あるいはその奥を見ているのか、よく分からなくなる瞬間は、心地よいものだった。


 確か、あの日連れて行ってくれた人は…


「……あれ?」

「気がついたみたいね」

 柔らかな声が、すぐ近くから聞こえた。視線を横に動かすと、明るい金色の髪の女性がこちらを覗き込んでいる。穏やかな目。その奥からは、優しさが滲み出ていた。


「ここは……?」

「安心して、もう森の中じゃないですよ。街へ向かう途中です」

 街…ということは…助かった、のか。本当に、よかった…

「大丈夫ですよ。このクレアがここにいるのですもの、私の前では誰も死なせません」

 女性…クレアは、そっと私の肩に手を置いた。淡い光がわずかに滲む。追加の治癒だろうか。痛みは、今のでほとんど消えたみたいだね。


 そういえば、【偽装】が解けたりとかしてないよね?もし解けてたらかなりやばいけど…

 【索知】で確認しとこう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

レクシア 種族:人類/人間 年齢:13歳 性別:女

役職:無職 レベル:10

HP:48/54 MP:19/125

ステータス傾向:

MP:SS

魔法攻撃:S

属性傾向:

闇:S

スキル:

索知:レベル5

 探識:レベル3

分体:レベル3

読書:レベル5

 御伽:レベル2

偽装:レベル1

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 ……良かった。種族はちゃんと「人間」のままみたい。MPはかなり減ってるけど、維持はできている。

「おっと、まだ動かない方がいいですよ。私がいるから大丈夫だとは言え、かなり無茶をしてるみたいだったもの」

 無茶…私が一番嫌いな言葉だ。まあ、レベル28相手に襲われた訳だから、そう言われても仕方ないね。


 そういえば、この馬車はどうしたんだろう?普通、冒険者って馬車で移動することは少ない気がするけどね。

「あの、この馬車は?」

「ああ、これは私のものだ」

 横から声が上がった。ちょっと太ったあの時のおじさん。確か、名前は…

「メリダ商会のバルトンだ。こうやって助けられて良かったよ」

「彼が馬車に乗せてくれることになったんですよ。本当に、ありがとうございます」


「何を、彼女に恩義があるだけだ。ところで、あの時は聞けなかったが、名前は何と言うんだ?」

 今はもう偽装があるから、言っても問題ないよね?それじゃあ…

「レクシアです」

「そうか、レクシアというのか。珍しい名前だな」

 そっか、珍しいんだ。まあ、確かにそんな気もする。


「目を覚ましたのか」

「おっ、マジか?良かったな、死にかけてたからな」

 馬車の外から、低い声と、軽快な声がした。布が揺れ、馬車の入口から最初の声の大柄な男が顔を出す。盾を背負った、いかにも前衛という雰囲気。

「無事で何よりだ。俺はローディス。ルーメル所属の冒険者だ。それでこいつはレンだ」

「おいおい、もう少し丁寧に紹介してくれてもいいんだぜ?とはいえ、ルーメルに着くまではよろしくな」

 ローディスさんに比べると少し小柄な、背中に弓と矢筒を持ついかにも斥候の格好をした男が、軽く手を振った。


「ところで、レクシアと言ったな。森で何をしていた?」

 まっすぐな問い。やっぱそうなるよね、だって怪しいもん。どう答えるべきだろう。

 そう考えながらも、私の視線はその奥、ローディスさんの後ろにいる私と同年代の少年に釘付けになっていた。

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