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レクシア -de quodam lexicone fabula-  作者: Nekke
第2章 ルーメル編
14/21

0013 油断

 洞穴の中には、まだ焦げた石の匂いが残っている。

 ゴブリンチーフの亡骸が、ゆっくりと灰に変わっていくのを見届けながら、私は深く息を吐いた。…流石に食べる気にはならなかった。人型はきつい。

 そうだ、【索知】してみよう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

レクシア 種族:魔物/辞書 年齢:13歳 性別:女

役職:無職 レベル:10

HP:37/54 MP:26/125

ステータス傾向:

MP:SS

魔法攻撃:S

属性傾向:

闇:S

スキル:

索知:レベル5

 探識:レベル3

分体:レベル3

読書:レベル5

 御伽:レベル2

偽装:レベル1

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「こっ、これは…」

 …ああ、ついに、ついに……【偽装】が、手に入った!

 レベル上げもそうだし、バルトンさんから逃げたのもそうだし、今までずっと頑張り続けてきてて、今ようやく手に入ったからやっぱりすごく嬉しい。

 そうだ、記念に【索知】してみよう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

偽装:

ステータスを偽装し、鑑定結果を書き換えることができる。

偽装する内容を絞るほど効果が上がる。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 このメッセージを見るのは二度目だけど、図書館で見たものとは込められた意味が違うような気がする。

 よし、じゃあ種族の「魔物/辞書」のところを変えれるか試してみよう。

 おそらく、他のスキルと同じで念じるだけでいいと思うから…いざ、種族を【偽装】!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

レクシア 種族:人類/人間 年齢:13歳 性別:女

役職:無職 レベル:10

HP:37/54 MP:26/125

ステータス傾向:

MP:SS

魔法攻撃:S

属性傾向:

闇:S

スキル:

索知:レベル5

 探識:レベル3

分体:レベル3

読書:レベル5

 御伽:レベル2

偽装:レベル1

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 よし、書き換えれたみたいだね。これで恐らくは街に行っても大丈夫なはず。

 そういえば、魔力が少しずつ減っている感覚がしないでもない。でもまあ、このぐらいだったら普段のMP回復と食事の分の回復で賄えそうだね。

 他の項目も変えたらどうなるかな?見られたら問題になりそうなもの…ちょっとステータス傾向を書き換えてみよう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

レクシア 種族:魔物/辞書 年齢:13歳 性別:女

役職:無職 レベル:7

HP:37/54 MP:25/125

ステータス傾向:

MP:S

魔法攻撃:A

属性傾向:

闇:S

スキル:

索知:レベル5

 探識:レベル3

分体:レベル3

読書:レベル5

 御伽:レベル2

偽装:レベル1

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 …減り方がちょっと速くなった感じがする。この感じだと、自然回復と食事だけじゃあ賄えないかも。そしたら、しばらくは種族の偽装だけでいいかな?そうしようか。

 …日も暮れてきたし、ちょっと眠くなってきたな。ひょっとして私、MPが少なくなったら眠くなるのかな?まあいいや、そろそろ、倒木のところに戻って、ご飯を食べて、寝ようかな。






 …ああ、そうだ、多分私は油断していたんだ。

 そうじゃなかったら、こんなに逃げてるはずないよね。

 そうだ、いつも通り寝て、起きてルーメルに進もうと思ってたら…


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

オーガ 種族:魔物/亜人種 年齢:19

レベル:28

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 …なんで、ここにオーガがいるのかな。もっと北にいるはずなのに、どうして…


「グォオオオオオオオオ!!」


 咆哮だけで、森の平和な空気が剥がれていく。そこはもう、既に死地となっていた。


「ガァアアアアアア!」

 反射的に地面を蹴る。次の瞬間、さっきまで立っていた場所を、巨大な棍棒が粉砕した。土と木片が宙を舞う。

 重くて、速くて、まるで勝てる気がしない…今まで戦ってきた相手とは、格が違う。


「……まずい」

 オーガが地面を蹴る。巨体に似合わない踏み込み。速い。

「アイスシールド!」

 氷の盾が展開される。直後、棍棒が叩きつけられ、完膚なきまでに粉々に砕かれた。

 衝撃が腕にまで伝わる。吹き飛ばされ、地面を転がる。肺から空気が押し出される。

 HPが一気に削れる感覚。

 でも、立ち止まっちゃだめだ。できるだけ時間を稼いで、あるいは誰か助けてくれるかも知れないから。

 そう、ちょっとでも怯んでくれたら…

「シャドウランス!」

 影から縫うように伸びる槍は、オーガの体にしっかりと突き刺さった、はず。でも…

「効いて、無い…!」

 その間も、オーガはこっちに迫ってくる。森にいることなんて関係無しに、木々を薙ぎ倒しながら。


「ゴォオオオオオオオオオ!!」

 そうか、さっきので怒らせちゃったのか。オーガは今度こそ全力で棍棒を振るってきて、アイスシールドも張る余裕がなかった。

「うっ、ぐう…」

 今度のは避けることができず、そのまま当たってしまった。肋骨が折れる、ベキベキという嫌な音がする。大きく吹き飛ばされて、岩に頭をぶつけた。


「グァアアアアアアアアアアア!」

 意識が朦朧とする。視界が霞む。…そうか、私はまた死ぬのか。

「…ーー……!…ー…ー……!」

 誰かが、何か言っている声がする。その後で、大振りの武器の風切り音。誰か助けに来てくれたのかな。

 …でも、もう私には関係ないね。だって、どちらにせよこの感じだと死ぬのは間違いなさそうだし。

 できれば、こんなに早く死にたくはなかったなあ。せっかくもらった二度目の生だし、前世の両親にも、ノーモスさんにも申し訳ないや。

 図書館の本もほとんど読めてないし、冒険者もやってみたかった。

 ……ちょっとずつ、考えるのも億劫になってきた。…それじゃあもう、終わ…りに…し……て………

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偽装で偽装消し忘れてるw
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