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六話 悪災の前夜

尚次と話している間に夜になってしまった。

そして今日は寝ることにした。

「智安よ。君に一つ告げることがある。明日の夕方から夜にかけて、雷角熊者が約100を超える軍勢で攻めてくるだろう。そしてこの軍勢にはボスはない。君はこの軍勢をたたき止めるのだ。この軍勢を倒せるかでこれからの道が決まるぞ。まぁ君は俺が見込んだ○○だから・・・」

僕は飛び起きた。

(なんだ?最後はわからなかったがまたあの声がしたぞ。)

尚次は驚いて聞いた。

「智安どうした?そんな飛び起きて」

僕は少し考えた。

(このことを言うべきか?それとも言わないべきか?確かに確定した情報ではないし夢かもしれない。

逆に、あの声が本物で本当の警告なのかもしれない)

葛藤の末、今言って混乱させるより確定した状態で言おうかなということになった。

僕は答えた。

「いいや。ご主人が亡くなったときの夢を見てさ」

尚次は言った。

「そうか。それは驚くよな」

といってまた作業に戻っていった。

僕は嘘をついてしまったことに少し後悔しつつも、割り切ってあの声が言うようなことが起きたときのために準備を始めた。


まず僕は、雷角熊者がボスを持たないことがあるのかを本で調べ始めた。

幸いにも尚次の家には、たくさんの本がある。問題は探し出せるかだった。

僕は、数分後本を見つけた。

その本のタイトルは、『雷角熊者が生きる理由』だった。

(なんやこのタイトル...)

僕は早速読み始めた。

僕はこの世界の言葉がわからないから読めないことを思い出した。

でも開いてみると読める字で書いてあった。

僕は、不思議に思っていると頭の中から声がした。

「智安。あなたの能力『翻訳者』の能力により物の文字も翻訳されております。」

(めっちゃ便利やん)

僕は、そんなことを思いながら読んでみた。


読んでわかったことをまとめた。

『・雷角熊者がボスを持たず生息することは特殊な場合しかない

特殊な場合とは

・誰かが召喚した場合

・幻覚魔法の場合

→どちらにしても誰かが魔法を出さないとありえない』

以上のことが書いてあった。

(てことは誰かが魔法で操ってるってことじゃんか)


僕は、次に計画を一応立てた。


結果をまとめた。

『100匹を超える上位魔物の到来

・順序

→人の避難

→町の安全の確保 具体的に→柵などで覆う

→撃退するための人を集める 具体的に→報酬ありのポスターの作成

集まらなかった場合→一人で戦う』

このような計画にした。


でも問題がある。

それはどうここら辺の住民を移動させるかだった。

方法として考えたのは尚次を使うことだった。

尚次は一応この村の村長だ。

でも使うには、このことを言わないといけない。

僕は悩んだ。

(これを言ったら尚次は焦ってよくない判断をするのではないか)


そんなことを考えているとご主人の名言を思い出した。

『やらない後悔よりもやった後悔の方がいいぞ』

僕はこの言葉で決心をした。

(やらずに逃げてこの村が無くなって、尚次とも会えなくなって後悔するよりも、やって僕が死んで後悔した方がマシだ。)

僕は勇気を出して尚次のところへと向かった。


もう時間は夕方くらいだろうか、もう辺りは暗くなりかけている。

リビングに行くと尚次は夕飯の準備をしていた。

「今日は、ハンバーグを似せて作ってみようと思ってな」

そんなことをほとんど聞かず、話を遮って話した。

「今日、僕朝さ飛び起きたじゃん?それでさご主人の亡くなったときの夢って答えたんだけどあれはさ嘘なんだ。実際はね昨日話していた声で飛び起きたんだ。その声が、『明日の夕方から夜にかけて雷角熊者が100匹くらい』来るって言っててさ。朝とっさに嘘ついたのはまだ確定した情報じゃないからだったんだ。それで今日そのことについて考えていたんだ。』

僕がしゃべり終わると尚次はしゃべり始めた。

「そうか。まぁ少し嘘つかれていた感じはしたよ。でもまあその嘘は『誰を助けるための嘘』なんだもんな。多分お前さんはそんなこと言うと俺が焦ったり混乱するかもしれないから嘘ついたんだろう。

本題については、お前さんの謎の声についても聞いていたから信じるよ。

お前さんのことだから計画も立ててあるんだろ?』

僕はうなずいた。


僕は計画について話した。

尚次はわかったともう夜なのに住民を一か所に集めた。

「すまんな。夜遅いが聞いてくれ。この中立魔物『チーア』が今日予言をした。

明日の夕方から雷角熊者が大量発生するとのことだ。

それを俺は信じることした。

前の『雷角熊者の群れ』に襲われていた時に助けてくれたのもこいつのおかげだ。

そして今回このチーアから話があるそうだ。」

僕はいきなり話を振られオドオドしながらも話し始めた。

「みなさん。夜遅くに申し訳ありません。村長からもあったように雷角熊者が大勢で来るということです。そして前の『雷角熊者の群れ』の際は遅れてしまったことにより大きな被害を出してしまった。

本当に申し訳ない。

でも今回は初めからいるのだ。だから僕は今回は一人も悲しませることなく終わらせたいと思っている。

だから協力してください!

夜遅いけど皆さんは避難をお願いします。

できるだけ遠くに。この問題は僕ひとりで片づけます!

確かに夜遅いからあぶないと思うかもしれませんが、僕には分身魔法があります。

これであなたたちをお守りします。

そして戦いが終わり次第、村長からの集会があると思います。

なので安心して避難してください。」

僕はそう告げた。

そう告げると住民の何人かが言った。

「お前だけに任せたくない!ここは俺たちの村だ。

なぜ俺たちが戦わないことになっている!俺たちだってこの村のために戦うさ!」

そういった。

そのあとにはたくさんの人が「俺も!俺も!」と言って協力者が集った。

それを言うと尚次も言った。

「俺たちは、こいつを先頭としてみんなで戦うぞ!

避難したい奴はしろ!でも自分の村がつぶれても文句も泣くことも許さないからな!

自分で守れる志がないのに泣くなよ!」

そういうと住民は武器を持ち言った。

「お前に着いてゆく」

そういった。

僕は言ってよかったなと思うほかに明日の夕方前に柵を用意しないといけないというめんどさもあった。

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