四話 同じ土俵の者
僕は、雷角熊者の群れに襲われていた村を救った。
そして一時期この村で泊まることにした。
僕は、雷角熊者を倒したあとこの村を軽く歩いた。
(これはひどい状況だな)
歩いて見た光景は、村の至るところに血痕と死体が転げ落ちている。
歩いている間も吐きそうで仕方なかった。
歩いて大体町の中心部くらいのところについた。
そこには、たくさんの死体とたくさんの生きている人間がいた。
そこも悲惨だった。
死体を見て泣いている人や自分の家族を探している人などいろいろな人がいた。
そんなとき一人の村人がこっちに気づいたみたいだ。
そしてその人は大声で言った。
『縺雁燕縺後?√b縺」縺ィ譌ゥ縺乗擂繧後?縺薙s縺ェ縺ォ豁サ縺ェ縺ェ縺九▲縺。
縺雁燕縺ョ縺帙>縺ァ縲∝ョカ譌上′豁サ繧薙□縲』
僕は何を言っているのかがわからなかった。
その声を聞きつけたのかそこにいた人全員が僕の方を向いて大声で言った。
『蠖ケ遶九◆縺壹?謔ェ鬲斐a?』
僕は、何を言っているのかはわからなくても怒っているのは雰囲気で分かった。
(なんで僕は怒られているんだ?)
僕はそんな疑問が出てきたときのことだった。
村の人の声を聞いて気づいたのだろう。一人の人が僕の周りにいる群がっていた人たちをかき分けながら来た。
(また何か言われるのか?)
僕はそんなことを考えていた。
そうするとその人は僕のことを見て小さな声で呟いた。
「懐かしいな」
僕はそのつぶやきを聞いて気づいた。
(ご主人と同じ言語を使っている)
群がっていたの村の人々は、きょとんとその人のことを見ている。
それに気づいたのか、その人は群がっていた人たちに向けて大きい声で言った。
『縺薙>縺、縺ッ縲∽ソコ縺瑚ゥア繧偵▽縺代k』
その言葉を言うと、群がっていた人たちはまた死体を探すのに戻った。
その人は、いろいろな人に聞こえないように言った。
「ついてこい。話したいことがある」
僕はそういわれてついていった。
10分くらい歩いた頃だろうか、その人は立ち止った。
その人は小さな声で言った。
「もう暗いから、この家に入りな」
確かに周りはもう暗い。
僕は、その人の家であろう場所に入った。
ドアが閉まったと同時にその人は話し始めた。
「久しぶりにこの言語で話すよ。そして2年ぶりくらいかな秋田犬を見るのは」
僕は感じた。
(この人は、僕と同じところから来た人なんだな)
その人は続けていった。
「お前さんも、日本から来たんだろ?」
僕は縦に頭を振った。
その人は言った。
「はっはは。お前さんすごく賢いように見えるな。まるで相手の言葉を理解しているかのように。
まあ玄関での長話も嫌だろうし中に入って詳しく話そうか」
そしてその人は家の奥に行った。
僕はその人についていった。
中に入ってその人は椅子に座った。
そして言った。
「改めて初めまして。日本での名前は、『崎 尚次』だ。
この世界に来て、多分だが2年から3年たっていると思う。」
(僕よりここにいる時間が長いんだな)
尚次は続けた。
「俺は、車に引かれそうになった時にここに転移してきたんだ。」
(確かに僕もそんな感じだったな)
尚次は続けた。
「この村に来た理由を話すと長くなるが話した方がいいか?」
僕は、横に首を振った。
尚次は、僕を馬鹿にしたように言った。
「そうか。お前さんは犬だからYESかNOしか話せないのか。ごめんな難しい質問をしちまって」
僕は少し怒りそうだったが抑えた。
尚次は言った。
「本題に入ろうか。お前さんのことは耳に呼び込んできたから詳しく知っているよ。
お前さんは、あの森『魔物森』から出てきて
雷角熊者の群れに村が襲われているときに、応戦してくれたらしいな。
そしてボス『導盾熊者』を倒して救ってくれたとの話だ。合っているか?」
僕は知らない言葉も出てきたが、頭を縦に振った。
(てかあの森、魔物森って名前なんだな。そしてあのボス熊、導盾熊者っていうんだな)
僕がそんなことを考えていると尚次は言った。
「お前さん。その顔はまだこの世界に来て間もないから言葉がわかってないんだな?」
からかいながら言った。
僕はむかついたがご主人が言っていた『逃した魚は大きい』という言葉を言っていたのを思い出して
渋々うなずいた。
「嫌そうだな。まあいいや。多分のこの世界についてまったくもって知らないんだろうから一から説明してやるよ」