二話 異世界転移と不思議な奇跡
光に包み込まれ現れたのは、声のみの者。
その者から告げられた言葉は意外なものだった。
『ちあよ。まだ君は死ぬ器ではないだろう。』
その者から告げられたほんと数秒の話だった。
僕が最初に見た光景は、『森』だ。
(この場所どこ?)
そう僕は、死んだはずなのに生きていたのだ。
(でもこの世界変だな...見たことがなさすぎる)
僕はまずご主人がアニメを見て言っていたことを思い出した。
『何かあった時こそ冷静なら生きられる』
僕はまずアニメで見たように少し歩き回った。
(何か町でもないのか...)
10分ほど歩いたが景色は変わらず、ただ時間が過ぎ暗くなっていった。
でも僕は、まだ歩き続けた。
(まず隠れ家でもいい。安全に暮らすための場所を探すんだ)
あれから探し回った。
町一つ見つからないし、そして隠れ家も見つからない。
(やばいな。もう夜だ...)
そう気づいたらもう周りは暗かった。
でも一つ気付いたことがある。
この森は真ん中にすごくでかい『木』があるということだ。
(最低その木に隠れよう...)
少し嫌だったがしょうがなかった。
もう何時間歩いたかわからないほど足は疲れ切っていた。
(もう真夜中だ。)
でもここで問題があった。そう『食料』だ。
(食料が一番の問題だ。)
今日は疲れ切っていたことから寝ることにした。
朝方になった。
お腹が減りすぎて全然寝れなかった。
(体力もある程度回復したから、食料を探すか!)
希望をもって探し始めた。
結果は、まったくもってなかった。
(やばい。この世界は時間の進みが地球よりは体感5時間くらい早いからすぐによるになちゃう...)
ここで希望が見えた。
そう『クチャ。クチャ。』と音がするのだ。
音がするほうに走って向かった。
(これは人間がいるかもしれない)
早めに向かった。
向かって分かったことがある。
生涯は、希望を絶望に変えるのがとても好きみたいだ。
目の前にいたのは角が生えた熊みたいな動物だった。
(これ多分...やばいよな。)
熊みたいなやつは、原形がないからわからないがわかるのはこいつが動物を狩って
食っているということだ。
少し逃げるか逃げないかの葛藤の末、『見守る』ことにした。
(あいつが去ったらあれを食べる!)
またしても絶望に変わった。
そう、その熊に気づかれてしまったのだ。
(あ...終わった。)
その時思った。これがアニメで言っていた『詰み』というものだと...
その熊は、こっちを向いてよだれを垂らしている。
(戦って勝てるのか?)
でも一つ考えが浮かんだ。
(そうだ。アニメならこういう時人が助けてくれるんだ)
そんなことはなかった。熊はどんどんと近づいてくる。
(もう逃げ場ないな...)
僕はすべてをあきらめようとした。
でも走馬灯のようなものが見える。
(なんだ。これから死ぬってことを言っているのと同じじゃないか...)
走馬灯で見えたのはご主人との記憶だった。
ご主人は、何があってもあきらめなかった人だった。
落ち込んで帰ってきた日も汚れて帰ってきた日もどんな日だってご主人は前向きだったと思う。
中学校のある日は、ご主人の制服?が破れていても言っていた。
『この世には、格言があるんだ。それはな『死ぬこと以外、かすり傷』だ。
俺は毎日、それを思いながら生きているから人生をずっと生きていられるんだ。」
そんなことを言っていたなと感じていた。
でも僕は、ご主人が小さいころからずっと『一緒にいた者』だということが頭をよぎった。
そこで最後の希望が出た。
(死ぬなら最後まであがくしかない!)
ご主人との思い出を無駄にしたくなかったのだ。
僕は、アニメで見た通りの動きをした。
相手は、突進をしてきたがそれは僕にとってはかすり傷にさえならなかった。
僕の考えが変わったのが分かった。
避けてさえいれば相手は疲れて去るのだからと...
心にはずっとご主人との会話と思い出が詰まっていた。
でも新しい生涯は味方をしなかったようだ。
そう僕の方が、体力の消費が激しいのだ。
(もうあと少しの辛抱だ...)
そこからはもう醜いあがきにしかならなかった。
相手は、体力の消費が少ない逆に、僕は体力の消費が激しすぎる。
(もう終わったかもしれない...)
もう終わったようだ。
そう僕は歩くことさえできなくなっていった。
僕は座った。
終わりを悟ったのだ。
その熊は、一切変わらない状態でゆっくりと近づいてきている。
(あぁ。ごめんご主人。思い出を無駄にすることになってしまった。)
そう思った瞬間だった。
謎の声のみの者の声がフラッシュバックした。
『まだ君は死ぬ器ではない』
その瞬間、あたりが光った。
そう前の世界からこの世界に来た時のように...
でも一つ違うところがあった。
それは光の色だ。前の世界からこの世界に来た時の光の色は『黄色』だったが
今回は『赤』だ。
その違和感があった僕は、最後、目を開けた。
(僕と似ている動物が、僕を守りながら相手を殺している。)
そこで僕は記憶が途絶えてしまった。
僕は、夢を見た。
そう声のみの者が言っていた。
『君は、僕が見込んだ・・に過ぎないと』
詳しくは覚えていなかった。
僕は夢から覚めた。
あたりを見ると戦っていた熊は、死んでいた。
半分くらいがなくなってが気にせず食べた。
実に三日ぶりの食事だったからだ。
食べていた時も考えていた。
(あの赤色の光は何なんだろうか...)
食事をしてまたそこら辺を歩き回った。