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王子様に恋をした  作者: 加賀城 百合音
6/6

壊れゆく

12月

恋人たちは浮き足立って、愛しい人へのプレゼントを選び、最高のXmasを過ごす計画に心を踊らせる。


そして、年末年始への思いも同時に#馳__は__#せる師走。



なのに私は竜二さんの事で食事も碌に喉を通らず、すっかりやつれてしまい、集中力も落ちてきてしまっていた。


そしてとうとう、いつもはやらない様な大ミスをやらかしてしまったんだ!!


上司に呼びつけられ、課の皆の前で散々怒られたが、歯を食いしばってひたすら謝罪を繰り返した。


「月曜日までに完璧にしとけ!!朝一の会議に使うんだからな!!!!」


と課内全体に響き渡る怒声を浴び、最後に課長は盛大に溜め息をついた。


「ったく……4年も働いてるのに、使えないとか…有り得ないだろう。新人の方が使えるぞ!」


と言った課長のその言葉は、より一層私の心を#疲弊__ひへい__#させた。





休日返上をして昨日のミスを取り戻す為にパソコンと資料を睨めっこするも、ふとした瞬間頭に浮かぶのは、竜二さんとあの女性の事。


溜め息ばかりついてたせいで全く仕事は捗らず、挙句一眞さんから届く大量のSMSのせいで本当に頭がおかしくなりそうだった。


やっとの思いでミスを直して職場を出ると、


「お疲れ~」


と軽い口調で言いながら、1人の男性が近寄ってきた。


顔なんかあげなくたって、この緩〜い感じは同期の一眞さんだって分かってしまう。


「先輩じゃなくてガッカリか?」


とこちらがイラッとしているのに、声色からニヤニヤしてるのは丸わかり。


竜二さんじゃない事くらい分かるし!!

ほんとにイライラするわこの人


「なぁ、腹減ってね?ラーメン食いに行こうぜ!奢ってやるし?」


ラーメンなんて食べられる精神状態じゃないのに…

いつもだったら、不調とかを目敏く見破る癖に、こういう時は全然空気が読めない残念な同期。


私はぶっきらぼうに


「そんな気分じゃないから。」


と一眞さんに言うと、早足で駅に向かったのだった。

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