348日目 いりしゅあげいと(1)
【きまくらゆーとぴあ。トークルーム(公式)・コミュニケートミッションについて語る部屋】
[カルカルパッチョ]
えー、転職しちゃうとそのミッション発生しないの!?
先に言ってよ
[いりす]
もっかい料理人復帰RTAしようw
[狂々]
転職なんてようやるよな
旨み全然ないのに
[室井博之]
暇人がきまくら。をしゃぶりつくすためのコンテンツだもの
[レナ]
でも話題になってる特定の職業限定のミッションだったり特定の職業じゃないと仲良くなれないNPCだったり、
その職業じゃないと味わえない面白さも色々あるからな
[きいな]
それだったらもうサブ垢作るべ
[エルネギー]
カミキリの料理人限定ミッションとか大したことなくさらっと終わるからスルーでおk
アンゼの鍛冶師ミッションとかライルイの仕立屋ミッションなら兎も角
[Syu-kuri-mu]
ライルイライブはきまくら。史上最高のコミュミッションと言っても過言ではない
[モシャ]
あれはまあのちのアプデでチケット配布が可能になったから許せるわ
きまくら。運営の数少ない英断
[追い付く人]
チケット要素が加わった当初は取引用のトークルームが乱立してたっけ
懐かしい
[イーフィ]
>>モシャ
いいや許せない
伝説の春南ライブのチケ争いに敗れたこと、俺はまだ根に持っている
[もも太郎]
いりしゅあ推しじゃないけどあのライブはなかなか良かったw
[イーフィ]
うをををを許さん! 許さんぞ!
おまえら金で何でも解決しおって!
[せろり]
正義の味方が怒ってるのレアだなw
[雪見胡椒]
正義さんいりしゅあ推しだから…(´・ω・`)
[竹中]
リル様が歌って踊ってくれるってんなら、幾らでもキマ積むんだけどなあ
[スペード]
15分に尺増えて滅多に聞けない曲聞けるとかありがた過ぎる
[キリサメ]
悩ましきは達成できる人が滅多にいないというね
動画だけちょこっと残ってるけど最早伝説レベルだよね
[梅雨乃]
Bさんがあのミッション消化してない可能性がワンチャン?
[リンリン]
どうだろ
ダナマ到達はとっくに果たしてるしなあ
[ジャガイモ]
>>梅雨乃
だとしてもブティックはおまいを招待しないだろw
[カルカルパッチョ]
今の内にBさんと友達になっとこ♪
******
ログイン348日目
その日、私は珍しく不機嫌であった。
いやまあ、不機嫌なのが珍しいってほど温厚な性格でもないんだけど、少なくともここきまくら。で不機嫌なのはなかなかないことだと思う。しかもその原因がプレイヤー絡みでってなれば尚更だ。
でも今日ばかりは足取りを荒くせずにはいられなかった。
だってだって――――――、イーフィさんが、眷属獣をもふもふさせてくれないんだもの……!
[国境なき騎士団]クランマスターとして、イーフィさんは時折遠征フィールドの警護に当たってくれている。彼と私はちょっとした顔見知りの仲だった。
何てったって私もか弱き生産職、騎士団さんの庇護対象としてちょいちょいお世話になっている。でもってイーフィさんは職業【獣使い】であり、大抵三匹の幻獣をお伴に連れている。
それで最近の私はイーフィさんを見かけると近付いていって、挨拶がてら幻獣達と少し触れ合わせてもらうのを習慣としていた。
お礼を言えるし幻獣ももふもふできるしで、一石二鳥なのだ。決して下心だけじゃありませんよ!
……なんだけど、パラディス・ラッシュの続く【銀河坑道】遠征に向かった本日。いつものように声をかけたら、イーフィさんたら険しい顔してこんなことを言うのだ。
『何だね? 我々は正義を愛する騎士団、君のような無法者と関わりを持つ気はない。去りたまえ』
がーんと、岩塊が脳天を直撃したようなショックを受けたよ。だって今まであんなに優しかったイーフィさんが、ころっと態度を一変させて明確に拒絶してきたんだもの。
勿論、スクリームミコトーズの一件は記憶に新しい。イーフィ氏が私に厳しい目を向けるのは、あれが原因なんだと思う。
でもさ、あれについては私、罰受けてますからね!
それにぶっちゃけ、彼に牢獄送りにされたことについて私は疑問を抱いている。果たしてそこまでされる謂れがあったんだろうか……?って。
だってさ、悪気はなかったんだもの。ミコトが【スクリーム】を使うようになっていることも、【セルディビジョン】を使えるようになっていることも知らなかった。
イーフィさんはあの時『知らなかった、では済まされない』なんて言ってたけど、でも情状酌量の余地はあると思うの。問答無用で【代理執行】ぶちかますのは、さすがに過剰反応だと思うの。
もっとも、悪気はなかったとはいえ悪かったとは思っている。そういう複雑な感情も込み込みで、今日は勇気出して自分から近付いてみたんだよ。
つまりお互い全部水に流しましょうねっていうサインだったわけ。あの件についてもちゃんと謝ったんだから、寧ろこっちが譲歩しているとさえ言える。
これで一旦引き分け、今後もお宅のパンダちゃん触らせてくださいねって、それで平和的解決を図ろうとしたのに、なのになのに……! イーフィさんたら、つれない態度を全然改めないんだから……!
『それ以上近付くな。君と我々は水と油、相容れない存在なのだ。慣れ合うつもりはない。無論、君とてこの世界を生きるひとりの人間だ。君がきまくら。フレンズとして当然持つべき権利まで奪おうとは思わない。だから君が秩序を乱す行為に実際に踏み込まない限り、我々が君に干渉することはない。だが、我々と君の間に対話の余地がないことは、それと同じくらい当然のことなのだ。ゆえに、去れ。君と一瞬でも関わりを持つことによって、民草の間に要らぬ不安が芽生えては敵わない』
ですってよ。きいーーーーっ。
そんなわけで私は現在、憤然としながらダナマスの街を歩いているのだった。
いいですよーだ。そっちがその気ならこっちにだって考えがありますから。
別にね、今までだってイーフィさんと仲良くなりたくて近付いてたわけじゃないから。ただお連れのケモノ達が可愛くて撫でてみたかっただけだから。
ん? つまり下心なのか……?
………………下心上等!








