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放浪者と彼方の文通  作者: トモナ
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ダンジョンでの見回り仕事

強いキャラと弱い敵との戦いが全然長引かせれん

 空間の歪みによって生まれるダンジョンに関して、この世界の住人達も良くは判っていない。

 ある者達は飯のタネになるとして詳しく考えないようにしていば、ある者達は神々からの一種の試練として鍛錬の場として利用している。

 ダンジョンから魔物が漏れ出る事で甚大な被害を被った時代があり、現在の地上に住む魔物達は元々そうした魔物達の末裔とされ、人類がだけが過剰に繁殖して数を増やす事を阻止する為に遣わされた天敵種として見ている者達もいる。

 諸島連合では飯のタネとしてダンジョンから様々な資源を回収して生活すると共に魔物を間引く事で治安の維持などを行っているが、冒険者という流れ者達を仕事という形で呼び寄せ人口の減少などに抵抗している一面もあるのだ。


 手厚い援護があれば、冒険者という職業は定住という考えを持ちやすい。


 元々何かしらの生活の為にその道を選んだだけで、それ以外に食べていく道が見えてくればそうした道に鞍替えしていく。

 諸島連合でのこのダンジョンの見回りというのは救い救われ、生還と商人との繋がりなどによってそうした人材の減少阻止と確保を目的としている一面が強い。

 既に何人もの冒険者達によって描かれた見取り図にはどの階層ごとのおおよその通路や小部屋についての記録と、小部屋ごとにどういった商人などが滞在しているかなどが細かく書かれている。


 この部屋にはダンジョン内で使える道具の販売。


 この部屋では金銭を払えば治療魔術が受けられる。


 この部屋では持ち込んだ魔物の解体を行って持ち帰りやすくしてくれる。


 この部屋には冒険者ギルドからの滞在員がいるので異常を見つけたら報告にくるように。


 放浪者と女剣士が受け持ったのはこうしたセーフハウスの見回りと挨拶だ。

 頭上の枝から牙を剥き出しにして落ちてくる蛇の魔物を切り捨て、脇の茂みから機会を伺っていたムカデのような魔物の一撃をいなし落ち着いて甲殻の隙間を突き刺して対処する。

 この森のダンジョンは周囲頭上の全てが鬱蒼と生い茂る木々の枝などによって覆われており、油断すれば今回のように頭上からの奇襲の一撃を受けたり、避けたとしても木々の根や段差によって足をとられて次の一撃を避けられない事が多い。

 ここのダンジョンはまだ擬態して襲い掛かる魔物はいないようだが、少し強力な魔物が出てくるようになれば枯れ枝や咲き誇る花に擬態して見破り辛い生態を手にしているモノも多いのでこうした簡単な魔物で警戒心を養わねばならない。


 常に気を張っておく訳ではないが、気を抜き過ぎない程度の感覚を養う。


 足場や周囲の状況をしっかりと確認するが、咄嗟であうとも足をとられず身体を動かせるように。


 見るべきものと見る必要のないものを識別出来るようになり、違和感を感じるという初歩に辿り着く。


 それが出来なけばこの先の魔物との戦いで死ぬだけだ。


 人間以外の生命の息吹が、人間のちっぽけな在り様を飲み込む森のダンジョン故の恐ろしさだ。


 何人もの冒険者達が通って出来た枝のトンネルに我が物顔で顔を出している枝を切り落とし、他の冒険者達が通れるように整備しながら新たに襲い掛かってくるトンボの魔物の体当たりを屈んで避ける。

 獲物を噛み砕く鋭い歯と鉄の防具などを噛み砕く顎を持つ魔物でジグザグに木々の隙間を縫うように飛んで姿を消し、隙を伺っては尻尾の先から魔力を噴射してまるで自らを矢のように撃ち出して襲い掛かるのだが二人にとっては脅威ではない。

 魔力を噴射する時に大きな音がするのだが戦い慣れている冒険者達ならば怯えることなく避ける事が出来るからだが、まだまだ戦い慣れていない冒険者達にとって森での突然の爆音に驚いて動けない所を不意打ちされるからだ。


 音がすればすぐに今の場所からとにかく跳んで逃げるという一つの動作が出来るかどうかがこの魔物との戦いで重要だ。


 直線に飛び掛かり避けられたと感じたら木々の隙間に逃げ込むという動作を繰り返すだけ。


 後は攻撃出来るタイミングや位置取りが出来たら羽なり胴体なりに攻撃をして叩き落せば終わりだ。


 女剣士も音に怯えるような様子はなく、むしろ自分の感覚をより研ぎ澄ます為にわざと何回か攻撃出来るタイミングでも見逃す程の余裕といつでも仕留められる自信があるくらいだった。

 納得の出来る状態に自分を持ち込めた女剣士は羽の一部を切り裂き地面に落ちたところに止めを差すが、この魔物は金になる素材ような部位もないので死体は無視して先に進む。


 そうして見回りの仕事の途中で五人組のパーティーが三匹のキノコの魔物と戦っている所に遭遇するがどうみても劣勢であった。


 人間の子供ほどの大きさだがしっかりとした太い手足を持ち、見た目からは想像出来ない軽やかなフットワークでパーティーを翻弄し後衛の魔術師と弓使いは鳩尾に痛恨の一撃を貰い倒れている。

 こうした徒党を組む魔物との戦いはまず第一に相手の土俵に立った時点で熟練者でもあっさりと苦戦させられるもの、斧使いのエルフや槍使いのドワーフは懐に入り込まれてしまった事で仲間に攻撃を当てないようにするので手一杯という有様。

 他のメンバーと比べて装備がしっかりとした重厚な盾使いは倒れている仲間を守る為に盾をかざしてはいるが、装備重量が原因で機敏な動きが出来ず遊ばれている前衛二人が倒れれば鎧越しに何度も殴られて倒れるのは目に見えている。


 放浪者が錫杖を凛と鳴らして注意を逸らす。


 弱い獲物はいつでもいたぶれると思ったのかキノコ達は二人に迫るが、その足を引っかけるように素早く土が盛り上がったものに一匹が足を引っかけてこけてしまった所に火球が直撃してこんがりと焼きあがる。


 残った二匹と放浪者の間に女剣士が入り込み、防御の構えをとらずに攻撃を誘うと一匹が腕を交差させて守りを固めながら踏み込んできた。

 自分は動かずにじっと攻撃を誘い、鳩尾へのストレートパンチを放ったタイミングで大きく広がって隙だらけになった脇に剣を入り込ませて腕を切り飛ばす。

 その一匹は残ったもう一本の腕で殴りかかろうと姿勢を整えるがその硬直を見逃さず身体を刺し貫くように地面から鋭い柱が勢いよく伸び、その構えた腕を刺し貫かれて動けなくなった所をすかさず両断され倒される。


 残った一匹はより守りを固めて、斧すら受け止める腕で攻撃を受け止めようとするが放浪者の剣は竜鱗すら切り裂く業物だ。


 キノコの少し切りにくい身体など何の問題にもならない、肉厚で頑丈な繊維をものともせず一刀両断してしまう。

 初心者達の崩壊したパーティーは一瞬の出来事に唖然してしまう、自分達がボロボロにされた相手を本当に一瞬でアッサリと倒してしまうその実力というものを見せつけられたのだから。

 放浪者はとりあえず使える回復魔法で簡単な治療を施し、最低限歩ける状態になったら無理にでも歩かせて近くのセーフハウスまで先に輸送してキチンとした待機魔術師に依頼してキチンとした回復魔法を施してもらう。

 魔法で痛みは引いたとしても身体がアッサリと動けるようになる訳ではない、痺れや軽く動いてみて痛みが出てこないかなどをキッチリと確認させてから簡単な戦い方のアドバイスを送り、女剣士もその甘いマスクで負傷した二人に仲間を責めないように言っておく。


 まだ日は高く明るい、暗くなってしまう前に二人は更に先のセーフハウスに向かう。


 依頼はこの先の下層と中層を繋ぐ大きなセーフハウスだ。


 その場所にはしっかりとした滞在施設があるようになっているので、そこで休む為に先を急ぐ。


うーん読まれない

話数が増えるごとに読まれたいという欲が増えていく

まぁ気長に投稿していけば読まれるだろうと言い聞かせる

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