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プロローグ
人は自分が属する世界の外側を異世界と呼ぶ。
各世界で、独自の文明、種族、歴史を築いていき、それぞれ独特の軌跡を描く。
しかし、現実の我々は常に1つの世界しか認識することが出来ず、他の世界のことを知るすべもない。
もしあの時、別の選択をしていたら――。
別の可能性の世界のことをパラレルワールド、平行世界と呼ぶ。
我々は、常に一本道の世界しか選ぶことができず、しばしば別の選択肢をした世界を妄想しては、そのまま運命を受け入れて生活していく。
しかし、もし我々が考えられる可能性ある世界を知る、更には干渉することが出来たらどうなるのであろうか。
そして、その干渉できる全ての世界を取りまとめる、頂点ともなる世界が存在していたら――?
それはそんな世界に属する者達の日常である。