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魔法職の双刀使い  作者: 香月 燈火
Episode2 封印の遺跡と魔獣の秘密(第一回イベント)

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27/32

27. 新戦闘スタイルとイベントへ向けて

本日の投稿。

なんというか、前の書き方が自分のいつもの書き方と違うせいで全く把握出来てなくてイマイチ書き方が分からない……。

これから更新しながらもっと安定した書き方にしていくので許してください()

 運営から届いたメール……その内容は、近い内に第一回イベントの開催を行う告知だった。

 まだサービス開始してそんなに経ってないのに、速かったなぁ……なんて思いつつも、確認したイベントの主題は「星砕きの捜し人」というものだった。

 メール曰く、プレイヤーがクォーリアという街でとある商人から謎の依頼を受けたところから始まる……とある。

 武術都市とも言われ、NPC(住民)が言うには王都にも引けをとらない程の規模らしいクォーリアはサウストの東門の街道を通っていくか、もしくは最初の街……セントラから東に行ったところにある街、イーステスから南下したところにあるらしく、街の規模に関しては完全中立地帯であるセントラやその周辺の街とは違って、大きさが段違いとは聞いたけど、わたしは行ったことがないからそれがどれくらいなのかは分からない。



 そう、わたしはクォーリアの街に行ったことがない。

 ……なんか、つい最近もデジャビュを感じたような気がするけど、多分気のせいだろう。

 このメールの内容を見るに、イベントに参加するにはまずクォーリアに行く必要があるんだろう。

 別にクォーリアに行くのは良いんだけど、問題はサウストからクォーリアの間にはボスモンスターは居ないものの途中、街道を通る道は魔物が強い。中には魔法まで使ってくる中々厄介な魔物も居るらしく、通過するだけにしても今まで通りってわけにもいかなそうなのが問題かな。

 グストさんが居たらとても助かったんだけど、あの人はもう東の攻略を終えていたからそっちから向かうだろうし。

 やはり結局はソロで行くしかないってことね……レイクとハルハルは南も解放してるから連れていってもいいんだけど、やっぱりあの2人は攻略組だからね、未解放の街に行くのに本来のパーティーから抜けるのは流石に問題しかないからね。



「まあでも、そんなに問題ないか……新しい戦い方の練習にもなるしね」



 実のところ、昨日考えていた戦い方や新魔法に関しては、ログイン直後に既に試した後だったりする。先に結果を言うなら、わたしの目論見通り、成功も成功、大成功だった。なのでこれからやるべきことは、完全にスタイルを確立して、出来るだけ多くの経験を積むこと。そういう意味では今回のソロ突破は丁度いいかもしれない。

 新しい戦い方は今までと違ってパーティー運用とも相性がいいんだけど、それでも慣れないうちはやっぱりソロで慣らしておいた方がいいと思うし。



 というわけで思い立ったが吉日。

 一度ログアウトして昼食をとった後、再度ログインしたわたしはサウスト東の街道を駆け抜けていた。

 普通なら食後の運動なんてごめんなんだけど、幸いにもここはゲームの中。

 リアルの身体状況を一切持ち込むことがないから、胃が揺さぶられて気持ち悪くなる、なんてこともないってのはいいね。



 街道を走っていると、たまに割り込んできては数匹の魔物に足止めされる時がある。

 子供のような小さな痩せ細った体に、赤い目で毛皮の腰布を巻いた姿で、気持ちの悪い鳴き声をあげて棍棒や剣を振り回してくる。

 昨今のファンタジー小説ではもはや代表的と言ってもいいくらいによく出てくる魔物、ゴブリン。



『ゴブリン Lv25』



 事前に聞いた話ではゴブリンは絶対に単体で行動することはなくて、最低でも5体以上で群れるらしい。それに、今回は全部普通のゴブリンだったけど、剣を持ったゴブリンウォーリアだったり、弓を持ったアーチャーだったり、魔法を使ってくるウィザードだったり、またごく稀ではあるけど数十体のゴブリンの群れを率いるゴブリンリーダーなんてものも出てくるらしい。もっとも、ゴブリン自体割とこの街道だけじゃなくて色んなところに分布しているらしく、ここら辺ではゴブリンリーダーを見かけたことはないらしいから、あんまり意識しなくてもいいだろうね。というか、無駄にゴブリンのレベルが高いのが腹が立つね。このレベルも出没地区によって変わるらしい。

 わたしは足を止めることもなく、()()()に【マナショック】を弱めに発動すると、その衝撃でわたしは瞬間的に速度を上げてゴブリンへと迫った。

 反応すらも出来ていないのか、身動きすらしていないゴブリンを胴斬りするように刀を振り下ろし……その瞬間、()()()()()()を発動した。



「【烈斬】(【マナショック】)」



 魔法とスキルの同時攻撃を食らったゴブリンは一撃でHPを全損させ……というか、明らかにオーバーキルな様子で倒された。



 わたしが思っていたよりも、スキルと魔法は自由だった。

 今までずっと魔法もスキルも手、もしくは武器を媒体にして発動するものだと思っていたんだけど、カレンさんに言われた後に試してみて、それは勘違いだったことが分かった。

 最初はいつもと違う使い方に慣れずに色々と大変なことになったんだけど、ちょっと練習したら慣れてきて、おかげで今では足や背中、あと少し離れた場所になら、それほど意識しなくても【マナショック】を使うことが出来る。おかげで元々高かった機動力は桁違いに上がって、しかも【マナショック】を身体にぶつけて敵の攻撃を緊急回避するなんて戦法も取れるようになった。ただ、これはちょっと痛いからあんまりやりたくはないけどね……。

 そしてもうひとつ。むしろこっちの方がわたしには重要で、これがもしかしたら魔法やスキルは口に出さなくても発動出来るんじゃないか?という疑問だった。

 その結果は、半分成功といったもので、魔法は口に出さなくても発動は出来たんだけど、スキル……厳密には【烈斬】は何度やっても発動出来なかった。

 多分だけど、これは完全にわたしのイメージ不足が原因だろうと考えてはいるんだよね。魔法はまだ科学でも説明出来る要素があるし、火や風、水なんかは普段から見たり体感したりしているからイメージは簡単だけど、【烈斬】なんかは過程どころか、そもそも原理すら分かってないからね……【マナショック】? 何故かあれは簡単にイメージで発動出来たよ。謎だね……。

 けど、それでも進展はあった。それは、もし口に出したスキルと同時にイメージで魔法を発動したらどうなるのか。

 その答えは、「同時に発動することが出来る」というものだった。

 何が凄いって、これ、【マナショック】と【烈斬】を同時に発動した際の威力が、加算じゃ説明出来ないくらいに上がったことなんだよね。元々、【マナショック】と【烈斬】は打撃か斬撃かで違うくらいで、実質的に効果はほぼ同じに近いスキルではあったけど、この世界でも物理法則が存在し、そして【マナショック】はその物理法則を利用することで威力が上がるから元々の威力自体が高かったんだけど、この2つを掛け合わせた瞬間……なんというか、正直想像以上にやばいことになっちゃって……。

 後になってわかったんだけどね、【マナショック】って要は攻撃性を持った空気振動の波を作り出すんだけど、【烈斬】と組み合わせるとその波がより大きくなるみたいで、単純に言うなら威力が相乗効果で上がるわけだけど、これがとんでもないものになっていたようだ。

 この組み合わせに関しても、既に例の血熊で試してみたらものの一発……つまりワンパンで倒せてしまったわけで。

 ボスモンスターをワンパンする攻撃……運営方針的に修正は入らないと思うけど、これゲーム的に見るなら完全にクソゲー扱いされかねないよね。

 ボスモンスターすらワンパンってことは、下手したら最前線を走るタンク相手でも盾を貫通してワンパン出来てしまいそうなのが本当に恐ろしい。



 更にとんでもないことに、どうやら魔法というのは、重ねがけも出来てしまえることが分かった。

 身体強化の魔法には同じ人に重複することはないのだが、それと似たものとして「座標的に同じ位置」に発動出来ないという制限が魔法にはあるみたいだけど、【マナショック】系統に関しては、むしろそのせいでやばかった。

 例えば【マナショック】を2つ両隣に配置することで【烈斬】を発動すると波が波を伝って【烈斬】の通り道になり、そして新しい波を生み出しては同じことを繰り返し、最初は加速しつつも最後は減衰していき消滅……これ、【烈斬】の射程が伸びるって言ったら軽く聞こえるんだけど、いざ試してみたら【マナショック】2つ分でなんと【烈斬】は10メートル先まで届いてしまった。要は、斬撃を飛ばせるようになったというオチだけど、ボスモンスターワンパンクラスの遠距離攻撃って、やっぱり普通に考えてバランスブレイカーのような……。



 ……まあ、出来ちゃったのは仕方ない。ただ、この斬撃を飛ばす攻撃は結構威力が減衰していく速度もはやいようで、ちょっと離れた相手ならプレイヤーの盾にはガードされるだけでは有るだろう。それでも、【マナショック】の個数を増やせば飛距離も伸ばせるから、強力な遠距離攻撃手段を手に入れただけでもかなりとんでもないことだろう。MP消費は増えちゃうけど、元々わたしの戦い方自体が魔法よりもスキルを使う回数が多かったし、それも威力自体を上げられる方法を発見したことで解消されてるから、むしろそれを鑑みても前よりMP消費を気にしなくても良くなってるのは確か。



 これ、レイクとハルハルが見たら卒倒するんじゃ……け、けどゲームで強くなるのは至極真っ当な事だし……。



「あ」



 なんか変な思考に耽っているうちに、気が付けば全てのゴブリンを倒し終えていた。

 全部で7体のゴブリンだったものは、地に倒れ伏せたままわたしの経験値となったのだった。ご馳走様です。



 走ったままマップを見てみると、もう残り1割もない程度の距離しかないようだ。急ぐ必要もないし、ここからは歩きでいいかと足を止めようとした時、前方、少し離れた位置で馬車が動きを停めているのが見えた。

 急遽、走る足を止めずに少し距離を縮めてから見た感じではゴブリンに襲われているようだが、そのゴブリンの数があまりにも異様というか、ぶっちゃけ気持ち悪いくらいに多かった。

 普段のゴブリンの数であれば大した苦労もせずに倒せたんだろうけど、流石にこの数は馬車の人達もかなり苦戦しているようで、かなり押されているのが見て取れる。

 これにはわたしも加勢した方が良さそうだと判断し、【マナショック】で加速しつつ戦場に乱入し、勢いを利用してスキルなしで次々とゴブリンの首を斬り飛ばしていく。



「助けに来ました!」



 ようやく馬車の元へと辿り着くことが出来、声を張りながらさっきまで戦闘していたらしい人の方へと顔を向けると……。



「って、ロウさん!?」

「し、シエルさん!?」



 ナイフ片手に驚いた表情を浮かべる、前に出会った薬師の生産職プレイヤー……ロウさんがそこに居た。

一応活動報告にも書いたんですけど、掲示板はあった方がいいです?

欲しいなら書こうと思ってるんですけどもね。

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