表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

太陽になったのさ

リボン

作者: 朝永有

君がつけていたリボンが

風に飛ばされて

その役目を終えた


僕が見つけた頃には

太陽に焼けてしまって

色は褪せていた


さよならだけを積みあげる

悲しい魔法をくぐり抜けて


君が結んでいたリボンが

風に揺られていた

それがとても綺麗で


僕が思い出せるのは

そんな太陽に焼けた

色褪せた記憶


不器用な手で積み上げた

悲しい魔法をくぐり抜けて


擦り切れて雑音だらけの

彼女の姿は

何度でも思い出してしまう

消えない証拠なんだよ


この場所に繋ぎ止めるように

色褪せたリボンを結ぶ


昼の風に揺れたリボンに

緑は影を零し

君のことを思い出す


僕が思い出すのは

君が右手で太陽を隠す仕草

そんな色褪せた場面


あれはきっと眩しいからじゃない

あのときは分からなかった

だけど今は分かっているつもりだ

あの光を遮ったその理由を

その横顔の意味を


擦り切れて雑音だらけの

彼女の姿を

もう一度再生して

たまらなくなるんだ


不器用な手で積み上げた

悲しい魔法をくぐり抜けて

この場所に繋ぎ止めるように

色褪せたリボンを結ぶ

読んでいただき、ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ